HSK6級 受験対策と特徴

HSK6級合格の為にはどれぐらい学習時間が必要?_

HSK6級合格に必要な学習目安というものはありません。必要な中国語学力は、5000語程度の中国単語を覚えている方を対象にしており、さらにバイリンガルに中国語を話せるぐらいの高度な中国語力を求められます。このようにHSK6級になると、高度な中国語力を求められます。

HSK6級で求められるものは中国語の応用力であり、レベルとしては“中国語の音声情報や文字情報を不自由なく理解することができ、自分の意見や見解を流暢な中国語で口頭または書面にて表現することができる。”という指標に示されている通り、母国語話者との会話において殆ど障害のないコミュニケーションが取れるレベルであることが分かります。
語彙数も5,000語以上を習得していることが合格の目安となりますが、こう記載があると、中国の人と話したり、ドラマを観た時にちょっとでも分からない所があったら、まだ合格するレベルではないんだろうなと、少し敷居が高い印象を受けてしまいますね。

HSK6級の対策と試験の内容 合計130分

ですが母国語話者とのコミュニケーションに問題がないとは言っても、母国語話者は当然もっと多くの語彙を扱えますし、《国际中文教育中文水平等级标准》(GF0025-2021)に記載のあるように、HSK9級の受験が始まったら最高レベルの語彙数は10,000語程度まで増えることが予想されることから、HSK6級は中国の人と遜色のないレベルにならないと合格できないということではありませんので、現時点の最高レベルだからと言ってあまり気負いしなくともいいものです。
とはいえ外国人が到達するにはもちろん難しいレベルなので、簡単に合格点が取れる試験ではありません。

中国単語ピンイン
哎哟āiyōあっ、あれっ
āi順を追って
癌症áizhèng
爱不释手àibùshìshǒu大切にして手放すに忍びない
爱戴àidài敬愛する
暧昧àimèiあいまいである
安居乐业ānjūlèyè安穏に暮くらし愉快に働はたらく
安宁ānníng平穏である
安详ānxiángおっとりしている
安置ānzhì据え置く
案件ànjiàn(法律) 事件
案例ànlì判例
按摩ànmóマッサージ
暗示ànshì暗示する
昂贵ángguì値段が高い
凹凸āotú均等でないこと
áo煮る
奥秘àomì神秘
すがりつく
傷跡
HSK6級レベル 頻出中国単語15例

次に紹介しているのは、HSK6級で実際に出題された過去問です。

第三部分
第71-80题:选句填空。

71-75.
 曹操得到一只大象,很想知道这只大象到底有多重。官员们都纷纷议论,发表自己的意见。有人说,(71)_______。可是怎样才能造出比大象还大的秤呢?有人说,把它砍成小块儿,然后再称。可是把大象杀了,知道重量又有什么意义呢?大家想了很多办法,可是都行不通。 就在这时,曹操的小儿子曹冲对父亲说:“爸爸,我有个办法可以称大象!”(72)_______,曹操一听,连连叫好,立刻安排人准备称象,并且让大家都过去观看。
 大家来到河边,看见河里停着—只大船。曹冲叫人把象牵到船上,等船身稳定时,他就在船舷与水面齐平的地方,画了一条线。然后,曹冲再叫人把象全到岸上来。之后,他让人把大大小小的石头,(73)_______,船身就一点儿一点儿往下沉。等船上的那条线和水面再 次平齐的时候,曹冲就叫人停止装石头。官员们都睁大了眼睛,(74)_______。他们连声称赞:“好办法!好办法!”这时候,谁都明白,(75)_______,把重量加起来,就知道这头大象有多重了。曹操得意地望着众人,心里想:你们还不如我的这个小儿子聪明呢!
ここをクリックすると画像が見れます。


 A 一块儿一块儿地往船上装
 B 制造一个巨大的秤来称
 C 只要把船里的石头都称一下
 D 然后他就把办法告诉了曹操
 E 这才终于弄清了是怎么回事儿

HSK1級から一気にHSK6級を目指した人の1例

数か月で取得したって人もいるけれど

HSKの試験について調べていらっしゃる勉強熱心な方でしたら、ネットで効率よく勉強することで1年足らずで合格点を取得した人の話を目にしたことがあると思いますが、筆者は上海に留学した上で思うことは、その様な短期間取得者の例はとても稀だということです。

HSK1級から一気にHSK6級を目指した人の1例

筆者の留学時代の友人に、HSK1級を取得した状態で1年間上海に留学した人がいますが、よくHSKの勉強に打ち込み6級を目指していましたが、5級にギリギリ合格で1年の留学を終えました。
十分すごいですが、目標には届きません。しかも実際の中国語会話はあまりしていないからか、帰国後数年したらとても5級には合格できないというレベルまで中国語を忘れてしまって居ました。合格してからも中国語を業務で使用する等の環境に身を置くなり、中国語をたまにでも見聞きすることを忘れてはいけませんね。
その友人以外にもHSKの勉強に励んでいた人を含めて、HSK1~3級レベルの人が1年足らずで6級の合格点を取ることはとても難しいことです。

HSK6級の対策と試験の内容 合計130分

各パートで難易度の高い問題が出題されるのがHSK6級!

HSK6級はHSK試験の中で最も試験時間が長いです。

● リスニングは50問で約35分 配点 100点
● 読解は50問で50分 配点 100点
● 作文は1問で45分(10分=問題文の閲読) 配点 100点

試験時間は約130分と、ちょっと長めの映画一本分くらいの試験時間になります。
映画と違って時間に余裕がないので試験対策は大切ですが、特に最初のリスニングは一瞬の注意不足で数点を失う恐れがあるので、当日に体調を万全に持っていけるように調整していきましょう。

HSK6級の特徴と難易度

聞き取り:約35分間(放送回数1回)

出題方法としては、一度流される会話文から適切な回答を4択から選択するという問題がありますが、中には一つの会話文でそれに関する質問がいくつか問われる問題があるので要注意です。
知っている語彙をとにかく豊富にすればリスニングは怖くないですが、成語やら日常的に使わないような単語まで全部を対策するのは正直難しいですよね。ここで大切なのが、リスニング問題が読み上げられていない時間をどう活用するかです。
事前に4択の回答文を読んでおくことで、これから話される会話の大筋は知る事が出来ますし、知らない単語でも漢字を見ながら聞けば分かる事が多いです。例えば漆(うるし)って中国語でなんと言うか分からないけど、油漆という漢字を見ながら、yóu qī という音声を聞いたら、「あぁ漆って言ったんだな」と理解できますよね。
また、一文に対して数問が出題されるので、聞き逃したら大変という話をしましたが、普通に会話の流れの順番通りに出題をしてくれますから、例えば問題文前半の部分が分からずに問1~2の問題の選択は分からずとも、後半で問題文と選択回答文を照らし合わせれば問3~4は答えられる可能性があるので、諦めずに問題を追いかける事が重要です。

パート/問題数形式出題内容
第1部
– 15題
文の内容に関する問題短文が放送され、その内容と一致するものを
4つの選択肢から選ぶ。
第2部
– 15題
会話の内容に関する問題2人の短い会話とその内容に関する複数の問いが放送される。
問いの答えとして正しいものを4つの選択肢の中から選ぶ。
第3部
– 20題
長文の内容に関する問題まとまった長さの問題文と、
その内容に関する複数の問いが放送される。
問いの答えとして正しいものを4つの選択肢から選ぶ。
聞き取りの試験終了後に、解答用紙に記入する時間が予備として5分間与えられます。

読解:50分

4部構成となっており、簡潔に言うと下記のような問題が出題されます。
文中の間違い探しは文法上の間違い探しであり、どこかの漢字が一文字だけ違う、といった意地悪な問題ではないので、文法の予習をしておく事が対策となります。
その他は5級と同様の出題形式なので、見ても全く意味の予想の付かないような単語をどれだけ無くしておけるかが鍵です。
配点も多いので、少しでも単語リストを予習しておきましょう。

パート/問題数形式出題内容
第1部
– 10題
誤りのある文を選択する問題語句や文法上の間違いがある文を
4つの選択肢から選ぶ。
第2部
– 10題
空所補充問題文中の空所部分に、4つの選択肢から適切な単語の
組み合わせを補い、意味の通る文を作る。
第3部
– 10題
空所補充問題長文中の空所部分に5つの選択肢から
それぞれ1つずつ適切な文を補い、意味の通る文章を作る。
第4部
– 20題
長文読解問題長文とその内容に関する複数の問いが与えられており、
問いの答えとして正しいものをそれぞれ4つの選択肢から選ぶ。
マークシート方式 にて回答

作文:45分

1,000文字程度の文章を読んでから、35分以内に400文字程度の短文に要約するという問題が出題されます。
10分読んだ後でそのまとめた短文のタイトルを決め、ご自身の見解や意見を加えずに要約しなくてはいけないのですが、色々な表現方法を知っていないと要約はできないので、対策としては要約に関係すると思われる文法を頭に入れておくこととなります。
作文に関しては、ピンインのキーボード入力に慣れている方ならパソコン試験がお勧めです。

パート/問題数形式出題内容
第1部
– 1題
作文問題与えられた文章を読み、400字程度で要約する。

作文における採点の指標

一体何ができたらどのくらいの点数になるんだろう

リスニング、読解、作文の大まかな出題内容を書きましたが、試験を終えた後一番不安になるのは作文の点数ではないでしょうか。
一問で配点は100点あるので疎かにはできませんし、どんなことを書いたら何点なのかが分かり難いので合格発表までそわそわしてしまいそうですが、汉语考试服务网にその点は親切にも、おおまかな点数の基準を明記しています。

作文における採点の指標

0点:HSK6級 作文問題の指標

空欄のまま提出した場合。

低得点:HSK6級 作文問題の指標

回答内容が問題文とあまり一致していない/記載した中文が短文を並べただけ/文法に間違いが多く有る/多くの漢字を間違えたりした場合。

中得点:HSK6級 作文問題の指標

文法に間違いが有り、漢字も少々間違っている箇所があるけれど、回答内容が問題文と基本的に合っている場合/基本的に間違いは無いが、文字数が少ない場合。

高得点:HSK6級 作文問題の指標

問題文を要約できていて、構文も綺麗で文章もまとまっており、誤字や文法の間違いがほとんど無い場合。
おおよそ一般的な感触の通りだとは思いますが、文字数が足りなくても内容があっていれば中得点は狙える事が分かるので、とても400字書けないと感じていても書き進める事は大切です。400字書く問題なのに、文字数が足りないから0点だなんて冷徹な事はしないので、少し安心できますね。

HSK6級に合格したら

もうHSK7~9級の勉強を始められる?

ここまで6級合格へ向けての内容のお話をさせて頂きましたが、序盤で書かせていただいたように、試験勉強の過程で得た知識を生かすも殺すもその後の日々の過ごし方次第です。
6級合格をした後に更に上の階級が登場した時に、勉強を怠ったせいで全く歯が立たないなんてことになったら勿体ないですよね。

HSK6級に合格したら

中華人民共和国教育部のサイトから〈国际中文教育中文水平等级标准〉というPDF資料がネット上で確認することができますが、そこにはHSK7~9級の範囲である語彙や文法が記載されているので、大変長い資料ですがたまに開いて勉強してみてもいいかも知れません。
大変難しい試験になることが予想されますが、6級に合格してからも、たゆまぬ努力で勉強を続けていきましょう。