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英検準1級の難易度
必要な語彙量は7,500〜9,000語で、英語4技能の総合力が求められる!
英検準1級は大学中級程度のレベルと定義されています。
留学経験なし・大学で英語専攻ではなくても到達可能なレベルですが、英検2級が高校卒業程度の英語と言われるため、一般的な大学受験レベルよりも緻密な対策が必要です。
英検準1級は評価される?
一般的に、履歴書に英語力の資格としてアピールができるのは英検2級からです。
英検2級であれば平均以上の英語力を証明することができます。
さらに英検準1級であれば、さらに高度な英語力を客観的に示すこととなります。
日本では企業などでTOEICを基準とした評価が主流ですが、まだまだ英検を指標とした評価も根強く残っています。
なぜなら、TOEICは実用的なビジネス英語で聞く・読む能力のみを測るのに対し、英検はテスト内容が異なるからです。
英検はアカデミックな英語で、科学・自然・社会や文化の各テーマを扱った専門的な内容を含む英語が出題され、読む・聞く能力に加え、書く・話す能力もテストされます。
英検の方が正確に英語力全体を測ることができる、英検の試験を受けると実力がつくといった声もあるのはこのためです。
例えば、公的な機関では英検準1級以上を応募条件としている求人を見ることがあります。
高度な語学力を使って仕事をする外務省の語学専門職員も、応募条件に明記はされていませんが英検準1級の英語力・翻訳力が試験合格のための最低レベルと言われます。
英語の教員は英検準1級の取得が推奨され、教員採用試験での優遇措置があります。
TOEIC800点程度の英語力は必要
英検でレベルの基準とされているCEFRと呼ばれる国際的な語学力の指標によると、英検準1級はTOEIC785〜945のスコア相当とされます。
実際に準1級のレベル感は900点まではいかなくとも、TOEIC800点相当といったところでしょう。
英検を受けると、TOEIC800点ほどの英語力は必要と感じるくらい、難易度の高い長文読解などが出題されます。
TOEICの問題レベルのリーディング・リスニングで安定して高得点が取得できることが必要とされます。
英検準1級の問題は、TOEICよりもより専門的で踏み込んだ内容です。大学受験レベルでは、よく早慶の入試英語レベルと言われます。
単純に比較は難しいのですが、早慶も長文読解で普段目にしないような難解な単語が出てくる、構文を捉えながら読む必要があるためレベル感はよくこれに例えられています。英検準1級に合格ができれば、一気に上位層のレベルに食い込むことができるということです。
英検準1級の合格点:得点率7割が目安
英検CSEスコア[一次試験 2028/2550点・二次試験 602/850点]程度が必要
英検準1級合格のためには問題の全体像を捉え、合格基準を具体的にイメージすることが大事です。
そこから逆算して目標を立てるのです。
全体の配点
英検は実際にCEFRのスコアで1792点以上で合格となります。これよりも分かりやすい正答率で言うと、問題に対して7割の得点を取れれば合格となります。
英検準1級の配点と問題の構成は以下の通りです。
技能 | 問題数 | 配点 |
---|---|---|
リーディング | 41問 | 41点 |
リスニング | 29問 | 29点 |
ライティング | 1問 | 16点 |
スピーキング | 5問 | 38点 |
リーディングとリスニングは単純に1問1点の計算です。リーディングのうち25問が語彙問題、残りが長文読解です。
リスニングは会話内容、アナウンスの内容が出題されます。
ライティングは1つのトピックが与えられ、それに対して120〜150語で回答をします。環境問題、社会問題、労働問題などで自由に自分の意見を述べます。16点満点で内容が採点されます。
スピーキングは4コマのイラストの場面を英語でナレーション問題が1問、残りはそれに対する質問への応答と社会問題などに対する質問に意見を述べる問題が出題されます。
面接の内容に対し、38点満点で評価されます。
合格基準は?正答率7割で合格
英検準1級一次試験の筆記で、まずは7割以上の得点を合格の目安と考えてください。
リーディングとリスニングは単純に1問1点の計算です。合計70点ですので、50点以上は狙いたいところです。
一方、ライティングは大問が1問あり内容・構成・語彙・文法の4つの観点で4点ずつ、計16点の配点です。
各観点で3点以上は狙いたいところです。
スピーキングは38点満点中、22点が合格点となります。
初めのイラストのナレーションで計15点、ナレーションに対する質問で5点、質問への回答で計15点、アティテュードで3点の配点です。
アティテュードとは、話す時の態度や積極的に英語でコミュニケーションを取ろうとしているかが評価されます。
回答が短い英文で終わったり、相手の質問に対して誠実に答えていなかったりすると評価が低くなります。
入室して簡単な自己紹介で積極的に話しているのかも見られています。
合格点を取るために、とにかく一文だけで終わらないように、質問に対しては結論と理由や背景までしっかり述べることが必要です。
英検準1級に合格するための3ステップ
まずは1次試験に確実に合格できる英語力を身につけましょう
英検準1級に合格するためにはどこを重点的に対策をすれば良いのでしょうか。
問題の特徴から、受かるために得点を狙う箇所の戦略を立てましょう。
戦略を立てる
まず一次試験で7割の得点が取れれば良いので、例えばリスニングが5割くらいしか取れなくてもリーディングやライティングでその分補うことができれば合格となります。
しかし、苦手分野があると大きく足を引っ張るリスクがあるため、各技能でバランス良く力を伸ばしていきましょう。
1問一点で点数が何点と分かりやすいリーディングとリスニングで安定した得点を取ることがまず必要となります。
語彙力を高めつつリーディングとリスニングを強化する
ここでは特にリーディングの得点を安定させることが重要で、2級と比較しても、語彙と長文のレベルが準1級では顕著に上がっていると見受けられます。
2級では素直に精読ができ内容を理解できればそのまま正確となる問題が多いのですが、準1級ではまず選択肢も迷うものが多く、本文も複雑で意味が取りにくいもの・分からない単語が文章の中で必ずと言っていいほど出てくる傾向があります。
主語や一文が長く、主語や述語などが見分けし辛いものも多いです。
しかし、英検準1級レベルの問題や過去問、語彙対策でリーディングはスコアが伸びやすいパートと言えます。
25問は単語や熟語の問題ですが、英検準1級用の単語帳で頻出単語をおさえることで、7〜8割以上を狙うことができます。
4択で空所補充の形ですが、勉強をしても必ずといって良いほど選択肢に意味が分からない単語が1つくらいは入っています。
しかし英検準1級で頻出の単語を押さえていれば、4択で意味の分かる単語で絞り込み正解ができたり消去法で解く方法で問題ありません。
長文読解は初めて読むと複雑に感じますが、解き方にもコツがあり、英検準1級レベルの長文の回数をこなし語彙を増やすと結果が出てきます。
TOEICよりも英検は見直しの時間が作れ、スピード以上に精読が求められます。
1つの大問ごとに何問かの空所補充問題や内容の正誤問題があります。
文章が長く複雑なため、本文のどこに答えが書いているか探すだけでも時間がかかります。
まず問題文を読み、何が問われているかを見て本文を読みましょう。
さらに、殆どの場合本文の1段落ごとにその内容に対しての問題が出題されます。
まず1つ設問を見る→本文を1段落読み進める→さきほど見た1つの設問を解く。
こういったテクニックを知るだけでもリーディングの解きやすさが大きく違ってくるはずです。
リスニングは回によっては非常に専門的な学術用語が出題され難しいときもありますが、幸いにもTOEICのような会話形式の問題も一定数出題されます。
長めの会話やアナウンスでも、内容を捉えながら読む練習をしていきましょう。
また、英検準1級レベルの学術用語の語彙を学習するときに音で聞きながら例文と一緒に覚えることでも、リスニング対策になります。
英語でのアウトプット力をつけよう ※ライティング・面接は易しめ
ライティングや面接は採点する人によって点数が変わってしまうと思われるかもしれませんが、実は高得点がつきにくいのは確かです。
しかしポイントを押さえれば標準の7割以上、合格点以上の得点が狙いやすいと言えます。
ライティングはトピックに対し、賛成・反対・〜すべきという意見をまず核としてそこから理由を展開していきます。
ネイティブが書くような流暢な英語の表現を使えることが求められるのではなく、あくまでもアカデミックな内容でしっかり意見を述べることです。
文法は高校の基礎ができていれば困ることはありませんが、英作文で失点のリスクがあるから簡単な表現しか使わないといったことでは評価されません。
文法で言うと、仮定法や分子構文、関係代名詞などを取り入れると単調な文ばかりではなくなります。
また、意見を展開するにあたって接続詞も頻繁に使うことになります。
接続詞は中学で習うような 「and」「but」だけではなく「thus」(したがって)や「besides」や「moreover」(さらに)など上級の表現を取り入れるようにすることで、英文の印象が違っていきます。
二次試験のスピーキングも合格率は約85%と易しめで、一次試験をパスすれば山場は超えることができます。
しかし、面接できちんとした英語での受け答え・コミュニケーションが取れなければ不合格ともなり得ます。
ナレーションは2分間の時間がありますが、話す量が少な過ぎても減点されます。
また、質問への回答も、結論だけやはいいいえのみ、述べて理由や説明を述べようとしなければ英語でコミュニケーションを取ろうとしているとは評価されにくいでしょう。
まずは英語で話す機会を増やすこと、英語で思ったことが口に出てくるように場数を踏む必要があります。英語で話す機会を増やせば、二次試験合格はぐっと近くなります。
英検準1級取得に向けた勉強の心がけ
1回の受験でだめだと思わず何度も計画的に受験する心構えを!
まず英検準1級は難しい試験です。
1回では受からないという場合も多く、半年程度、場合によっては一年以上時間をかけて合格を目指すものと思ってください。
難しい語彙でつまづきすぐに覚えられず焦ってしまうかもしれませんが、単語学習は毎日やって後から成果が出てくるものと思いましょう。
英検準1級は社会人でも取れる?毎日の継続が大事
英検準1級は結論から言うと、忙しい社会人でも1日1時間以上の勉強で合格可能です。
単語学習は通勤や休憩時間中に一日単語帳何ページ、何個確認するといった具合にペースを決めていくと良いでしょう。同じ範囲の単語を1週間も繰り返し学習をすれば、記憶に残りやすくなります。
もし現状の英語力に自信がなければ高校英語を簡単に復習しておくことがおすすめです。
英検は直接文法の問題が出るような試験ではないため、要点をまとめた文法書を簡単に復習すれば問題ありません。
英検準1級合格まで到達するには、毎日触れる英文の量を増やすことがポイントです。
文構造が複雑な英文を読む練習をすると効果的なため、ニュースのような記事で時事英語をおさえることができるZ会の「速読速聴・英単語」シリーズはおすすめです。
英検対策用の本で言うと、「文で覚える単熟語」シリーズがおすすめで、こちらは英検準1級レベルの単語と長文を一気に学習ができる優れものです。一日数ページで少しずつ読み進めていくと飛躍的にリーディングの伸びが期待できます。
語彙力を鍛えよう
英検準1級になると、必要な語彙力は7,500から9,000語近くにのぼると言われ、2級よりも格段に増えています。
語彙力にあまり自信がなければ、高校卒業レベルの英検2級で出題される単語や長文のレベルをほぼ網羅でき、英検準1級でもよく出題される単語が掲載されている「DUO3.0」一冊をまずこなすのがおすすめです。
英検準1級レベルに対応した単語帳1冊は、試験勉強期間中必携だと思ってください。
単語帳のアプリ版などを活用して、音で耳から覚えていく方法も覚えやすく、おすすめができます。
スピーキング対策はどうする?
スピーキングは、話すことに全く慣れていないと本番で言いたい英語が出てこないといった事態が想定されます。ライティングと合わせて、英語で表現する練習を積んでいくことが必要です。
まずは英語の基礎を復習してから、直前期にオンライン英会話などで話す機会を多く作るのが理想です。
もしくは、1人で過去問などを見ながら本番のナレーションの練習で2分間話す練習をするのも有効です。日頃日本語でもニュースをチェックし問題意識を持っておきましょう。
面接で質問に対していくつかの英文で自分の意見を言う練習も必要となります。
オンライン英会話でも一人での練習、家族や友達に聞いてもらう方法でも、何回も反復して上達させることが大事です。
英検準1級 まとめ
英検準1級の合格はハードルが高いためまずは語彙力とリーディング強化を!
英検準1級は大学生や社会人にとってTOEICよりも少しハードルは上がる試験と言えますが、4技能の学習を通じて総合的な英語力を培える点で優れた試験と言えます。
合格するためには、語彙力とリーディングをまず強化することがポイントとなります。
キャリア形成に役立つ英検!!
自発的に資格取得に向けて学習をすることは素晴らしいことです。しかし資格取得を最終目標に設定しているあまり、貴方のキャリア形成に不必要な活動になってませんか。本来の目的を忘れてしまってないでしょう。資格取得の為に学習をしている方の中にはご自身のキャリア形成に全く関係の無い資格を習得しようと躍起になっている方がいます。手段と目的を勘違いしている典型的な例です。本来キャリアアップの為の資格にも関わらず資格習得が目的に変わってしまっている。海外事業部に配属されることを目的に少しでも自分の付加価値を高めるため、漢字検定の学習をしている。このような矛盾が起こっている人が多いそうです。確かに、付加価値を付ける為に資格取得に躍起になるのは間違っていません。ですが、資格取得を目指す前に本当に貴方のキャリア形成に必要な資格なのかじっくり考えてみましょう。取得しようと思っている資格を取得した暁にはどうやって仕事に活かすのかいま一度考えてみることを推奨しています。海外事業部に配属されることを希望しているのであれば、付加価値を上げる為に漢字検定では無く、英語検定にすべきです。学習の対象を明確にすることで遠回りせずに目標に向かえるはずです。