大学受験英語の対策を偏差値別に分けることにはいくつか理由があります。最も大きな理由は「自分に合った勉強をするため」です。当たり前のことかもしれませんが、英語がほとんどできない状態から難しい長文読解の参考書や作文を始めても、途中で挫折してしまうことが多いでしょう。そのため、それぞれの偏差値別に分けた大学受験英語の対策法は、”挫折しない”というためにも大切であり、また、効率的に学習を進めるためにも重要となります。では早速、偏差値別に分けた大学受験の英語対策を見ていきましょう。
大学受験英語対策【偏差値40以下】
基礎英単語一択の時期を乗り越えよう!
基本単語を覚える
偏差値が40に届いていない段階では、英語の基礎から取り組む必要があります。まずは、中学生で学ぶべきと言われている英単語1800語から暗記していきましょう。英単語の勉強法には、アプリや単語帳の利用、または、問題集を解きながら覚えるなど様々な方法がありますが、この時点では英単語帳で基本的な単語を覚えることに注力します。中学レベルの英単語を学ぶという趣旨の単語帳を一冊やりこみ、その単語帳に載っている単語は暗記できるように努めましょう。
基本文法を学ぶ
英単語と同様に、偏差値が40以下の段階では、中学生で学ぶべき基礎的な英文法から覚える必要があります。英文法も様々な勉強法がありますが、始めは中学生向け、または英語学習を始めたばかりの方に向けた参考書を使用することをおすすめします。簡単な文法書には解説や単語の意味も載っているものが多くあるので、それらを活用して一冊を完璧に覚えられるように何度も繰り返し読むことが重要です。
大学受験英語対策【偏差値40~50】
基礎英単語力に不安があるため伸び悩む時期を乗り越えよう!
英単語量を増やす
偏差値40~50の段階では、中学生で学ぶ英単語はある程度覚えられている可能性もありますが、その英単語力をより向上させる必要もあるでしょう。中学生向けの英単語帳でなく、ここからは大学受験で出る単語が収録されている単語帳を選びましょう。高校で学ぶべきだと言われている英単語は約2500語といわれています。大学受験のために使われている単語帳として人気のある「ターゲット」や「システム英単語」といった英単語帳を使用すれば良いと思いますが、自分が続けられそうな単語帳で勉強することをおススメします。入試によく出る順に収録されている単語帳がほとんどなので、まずは始めに出てくる英単語から覚えていき、7割程度を覚えられるように努めましょう。
中級文法まで学ぶ
この段階では、中級レベルの文法理解と基礎的な文法のマスターが求められるでしょう。「一億人の英文法」や「Evergreen」といった総合的な文法書を一冊利用することをおススメします。具体的には、比較的短い文章の読解をする中で、紹介した文法書などを利用してわからない文法を学んでいきます。文法書には、英語の組み立て方なども詳しく解説されている場合が多いので、何度も躓いたり、理解に時間がかかったりする文法については、解説をよく読んで自身でも例文を作ってみると良いでしょう。文法書を読んで丸暗記するのは非常に時間もかかるため、まずは、よく使うものや文章内で見かける文法からマスターしていきましょう。
大学受験英語対策【偏差値50~60】
英単語が定着、読解と英文法を固めて、リスニング対策にも着手!
学んだ英単語を脳に定着させる
偏差値50~60になると、英語力は総合的についてきていると言えるでしょう。しかし、単語力を上げることは継続して行う必要があります。単語の収録数がより多い単語帳を利用することもよいですが、まずは、先ほども紹介した「ターゲット」や「システム英単語」など、大学受験に特化した単語帳をマスターできるように何周も繰り返し行うことが大事です。また、単語力が上がるにつれて、英語の文章を読む中で分からない単語の数も減ってくるはずです。分からない単語と出逢った際には辞書を引くことを習慣づけておきましょう。
読解問題に取り組む
単語力と文法力の強化に注力してきましたが、この段階で読解問題にも取り組んでいきます。過去問などを利用するのもよいですが、まずは解説付きの長文読解本で長文を解くことに慣れていきましょう。その中で、文章を分解することによって、文の組み立てや曖昧な部分の理解を深めたり、単語力を鍛えたりしていきます。長文を解けば解くほど、試験での解くスピードや読解の正確性を上げられるので、数をこなすこととわからない部分を丁寧に理解するように努めましょう。
シャドーイング
シャドーイングとは、CDなどによって読み上げられる英語の音声に続いて音読する方法です。読み上げられる音声についていくように読むことで、英語の音に自然と慣れることができます。シャドーイングは、英語を喋るトレーニングになりますが、大学受験において「リスニング力を上げる」ためにも重要となります。音源CDが付属されている参考書を利用したり、Youtubeなどの動画配信サイトを利用したりしてシャドーイングの練習をしましょう。ただ、ネットを利用すると、他に集中がそがれてしまうという気持ちに勝てない人は、なるべくCDなどで行うことを推奨します。
大学受験英語対策【偏差値60以上】
演習問題をひたすら解いて、分からない箇所を個別につぶす!
長文読解
長文読解に時間を割くことは、大学受験英語を成功させるために最も大事な対策の1つです。 長文読解を練習するためのツールは多くありますが、この段階では「英語長文ハイパートレーニングレベル3 難関編」など、より難しい長文読解に取り組むと良いでしょう。 また、それ以上に、長文読解は数をこなすことも重要です。 多くの長文問題を解くことによって、英語の情報処理能力を養ったり、わからない単語を減らしたりすることができます。
共通テスト(センター試験)過去問をひたすら解く
共通テストになってから、センター試験の過去問はあまり役に立たないという声もあります。しかし、センター試験の過去問を解くことは、共通テストや大学入試2次試験にも有効だと考えられます。それは、2つの試験で出題される問題に含まれる語彙や文法は同じレベルだといわれているからです。実際、テストの形式は変わりましたが、共通テストの英語長文問題に向けて、センター試験過去問の英語問題を解くことは少なからず役に立つでしょう。また、リスニング問題においても同様で、試験形式で問題を解くことはリスニング力を上げるだけでなく、試験特有の環境で問題を解くことに慣れる効果があります。センター試験の過去問を使い、試験中に出てくる分からない部分を理解できるようにしていきましょう。そして、試験が近づいている場合には、数は少ないですが、共通テストの過去問や予想問題集をひたすら解き、試験の形式に慣れる準備も怠らないようにしてください。
最後に
適切な方法で適切な受験対策を行って志望校を目指しましょう!
今回は、大学受験英語対策を偏差値別に分けて紹介しました。冒頭でも説明しましたように、自分のレベルに適した方法で学習を進めることは非常に重要です。こちらで紹介した方法を参考に英語学習を進めていただき、自身の理解度やテスト結果などによって学習のレベルも上げていきましょう。
- 英検1級取得のbird先生による執筆
- TOEIC®︎ Listening & Reading 公開テスト 990点、実用英語技能検定 1級、IELTS Overall Score 7.5 と英語に関して非常に造詣の深いbird先生による執筆記事です。現役の英会話講師でもあり、「TOEIC、IELTS、英会話」を専門に指導をされています。そのほかにも、海外旅行・旅(35ヶ国)、学部留学、海外インターンなどの経験もおありです。
英語の勉強は、英語力以外にも役立つ!!
日本にいても、英語を学ぶことで「情報収集力が上がる」「選択肢が増える」「居場所が増える」「自信がつく」「脳を鍛えられる」などのメリットがあります。人は現状維持を好む傾向があるので、英語学習を始めるまでが一番大変かもしれません。
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