接触節の解説に入る前に、「節」ってなんなの?というところからおさらいします。
「節」とは、複数の語が集って文の一部を構成し、その構成の中にSV(主語+動詞)の要素を持っているものを指します。例文を出します。
This is the book I bought yesterday.
これは私が昨日買った本です。
I bought yesterday は the book を修飾しています。この I bought yesterday は「複数の語が集って文の一部を構成し、その構成の中にSV(主語+動詞)の要素を持っている」つまり節となります。
接触節とは?
「接触接の一端の理解はここまででOK!」
ここで関係代名詞をしっかり勉強している方であれば、「これは関係代名詞の目的格を省略したものじゃないの?」気づくはずです。関係代名詞の目的格では、先行詞が人以外の場合、「which」「that」「省略」の3つの文章にできると習いました。それが以下です。
This is the book I bought yesterday. [省略]
これは私が昨日買った本です。
(= This is the book which I bought yesterday. [which])
(= This is the book that I bought yesterday. [that] )
では、関係代名詞の目的格の省略形の事を接触接と呼ぶの?と思うかもしれないですが、実際には上記3つの文構造・文章の起こりはそれぞれ少し異なりますが、ここでは同じだと考えて問題ありません。
接触説の初めの理解として_
接触接は、関係代名詞の目的格の省略形である。一般英会話の英語では「who, which, that」を使い分ける必要は無いく、迷うようであれば「that」にしておけば難なく通じる。
なぜならば、このような場合において、ネイティブは that を好んで多用し、カジュアルな英語だと認識しています。ですので、迷った場合は that を使えば問題ないです。
少々暴力的な説明ですが、実際の言語と言うのはこういう場合は非常に多いです。
では、以下に文法学的にはどうなのかを解説します。中学生レベルの英語ではそこまで把握する必要はありませんので、興味のある方だけ読むようにしてください。
接触節 の起こりは関係代名詞の目的格とは異なる
「接触接の正しい理解はここから」
結論から言うと、接触接の起こりは以下がポイントです。
接触説の起点_
英語を直感で理解できるレベルの中で極限までスリムにし、簡単にした言い方
例えば5歳くらいの子供が絵本の挿絵を指さして「パパ 一番好きな恐竜」と言ったとしましょう。
これを英語に当てはめると、5歳くらいの子が以下の①~③の文章のどれを言おうか迷うでしょうか?
① Daddy♪ The dinosaur I like most!
② Daddy♪ The dinosaur that I like most!
③ Daddy♪ The dinosaur which I like most!
パパ 一番好きな恐竜~
迷うはずもありませんよね。
そもそもこうやって文法的に物事を表現しているのではなく、子供は単純に以下のように並べているだけなのです。
Daddy♪ ⇒ The dinosaur ⇒ I like most!
パパぁ~(ある恐竜を指さして)きょぉりゅー♪いっちゃんすきー!
接触節 のまとめ
「接触接はスリムな英語で言語はすべからず同じ方向に進化している」
これが「接触接」の起こりで、「英語を直感で理解できるレベルの中で極限までスリムにし、簡単にした言い方」なのです。これが接触接の正しい理解で、本来は関係代名詞とは異なるものというのが英文法学の定説となっています。
日本語・英語・中国語など世界の言語はだんだんとスリム化する傾向にあり、その中でできたのが接触接だと考えましょう。
関係代名詞に関するQ&A
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接触接について_
関係代名詞の目的格は、that を用いるか省略することがほとんどで、会話ではそもそも関係詞を用いないことがほとんどです。仮に会話の中で関係代名詞の that は聞いたことあったかな?と考える人でも、which, whom なんか聞いたことないよっていう方が大半でしょう。
さらにこの場合、厳密に言えば関係詞を「省略する」という認識は間違っています。その理由は、ネイティブたちは、私たちが学校で習ったように「まず関係詞を使う→その関係詞を消す」など回りくどいことはしていません。つまり関係詞を用いず、 S Vを続けて名詞を説明しているだけというのが正しい認識です。
このように「S V」で名詞を直接修飾することを「接触節」と呼びます。