英文法:不定詞に関する Q&A
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英文法:不定詞に関する Q&A

不定詞とは?_

不定詞は、「to + 動詞の原形(※ 原形不定詞という例外はあります)」で表され、学校では「to不定詞」として習います。不定詞は大きく分けて3つの用法に分かれており、それぞれ「名詞的用法」「形容詞的用法」「副詞的用法」となります。役割としては、「主語」を始め、「目的語」「修飾語」など、英文の中でさまざまな役割を担います。
ここでは、不定詞に関して寄せられた質問と回答を掲載していますので、不定詞の勉強中に分からない点などがあれば参考にしてください。

Q&A

英語では繰り返しの表現をするのは良くないと学校で習いましたが、「彼は彼女とデートをしたこともないし、彼は彼女とデートをするつもりもない」のように、繰り返し表現をする場合はどうすればいいですか?

この日本語をそのまま英語にすると以下のようになります。

He’s never dated her, and he doesn’t intend to date her.
彼は彼女とデートをしたこともないし、彼は彼女とデートをするつもりもない

この文章だけに焦点を当ててみるとそれほどくどいようには感じないかもしれないですが、同じような内容の話を同じようにくどく書いていくと、相手に伝えるだけですごく時間がかかってしまいます。
そもそも、英語という言語は経済性を重視している言語と言われており、代名詞、代動詞、省略形などを通じて、より効率的に相手に物事を伝えようというベクトルがあります。
そのため、次のようにいう事ができます。

He’s never dated her, and he doesn’t intend to.

最後の to は「to date her」の代わりをしていて、to不定詞の代わりをする「代不定詞」と呼ばれています。
ちなみに、上記の英文は以下のように言うほうがキレイです。

He has never dated her , nor does he intend to.

前の文に続き、もう一つの文を nor で始めて倒置します。訳は「そしてまた~ない」という意味になります。

代不定詞は to だけ残す形だと習いましたが、to すら残らない場合もあるよと塾で習いました。
何が何だかわかりません。

まず to だけを残す代不定詞の例を見ていきましょう。

Are you and Yuki getting married? – We hope to [get married].
あなたとユキは結婚するつもり? – そうだよ。

最初の話し手が言った内容に対して代不定詞を使った例です。次に、1文の中で重複を避けるために代不定詞を使っている例を紹介します。

I went out with her though my father told me not to [go out with her].
父はやめなさいと言ったが、私は彼女と出かけた。

次に完全に省略されている例を紹介します。

Can you start the engine? – Okay, I’ll try [to start it].
エンジンをかけれる? – 分かった。やってみる。

try は代不定詞を完全に省略できます。try to と言っても間違えではないですが、to 1つでくどく感じるのがネイティブです。

1行目の文法を教えて欲しいです。

in order to は不定詞の副詞的用法

この英文は第3文型 S+V+O(S≠O)です。

Perhaps :
∟ 文全体を修飾する副詞
someone suggested :
∟ 主語S+動詞Vで、目的語Oになるthat以下を suggest している

上記が文の全体像の説明です。

ここから下は、接続詞 that 以下の説明をします。
なぜ接続詞なのかは後述します。

in order to support his growing family better :
∟ to 不定詞の副詞的用法のカタマリで、he should go to London. の 動詞 go を修飾しています。

in order to は学校で「~するために」という熟語として習いますが、本来はto不定詞の副詞的用法になります。
副詞は、名詞以外の品詞を修飾するというルールがあり、今回の英文では動詞 go を修飾しています。
つまり、この英文の余分な贅肉を落とした形にすると次のような文章になり、SVOというのが分かりやすくなります。

Perhaps someone suggested that he should go to London.
おそらく、増える家族を養うために、ロンドンに行った方がいいという意見が出たのだろう。

このthatがなぜ接続詞なのかですが、that以下が主語動詞の揃っている完全文になっているためです。
また、better の訳が含まれていないように思いますが、「(よりいい状態で)増える家族を養うために」のように、さらにいい状態を目指してロンドンに移り住むことが明白なため、増える家族を養うために内包していると考えて下さい。

最後に、この英文を最もシンプルに理解しようと思うと、次のような英文と同じ文構造が基本にあると考えればいいですね。

I know that she is rich.
私は、彼女がお金持ちだということを知っている。

I think that she is rich.
私は、彼女がお金持ちだと思います。

in order to support his growing family better という大きな修飾語が邪魔じゃないですけど、邪魔しているというわけです

画像内の英文はどういう英文法なのですか?

to不定詞の問題

文頭の「To+動詞(V)」の形をとるto不定詞には2つの用法があります。

1.to不定詞の名詞的用法→主語
意味:(目的)~するために
語順: [To V ~]+V….

[基礎例文]
To play tennis is fun.
テニスをすることは、楽しいです。

2.to不定詞の副詞的用法→後ろの分全体を修飾
意味:(条件)~するならば / (目的)~するために
語順: [To V ~] S V….

[条件の基礎例文]
To read this article, she might lose her temper.
この記事を読んだら、彼女はブチギレるかも

[目的の基礎例文]
To read a book, I went to the library.
本を読むために、図書館に行きました。

ご質問の英文がなんで「条件」として使われるかと言うと、might に由来します。通常、仮定法で用いる助動詞の過去形場合、条件として使われます。

be to 不定詞がよくわかりません。

be to 不定詞は、
∟ To see is to believe.
(見ることは信ずることである=百聞は一見にしかず)
のように直訳に近い形で用いられる他に「義務・予定・運命・可能・意図 願望」の5種類の表現も可能です。
この5種類の頭文字を繋げると「ギョウカイ(業界)」になり「ビート(be to)たけしは業界人」と覚える方法もあります。
注意点は、「義務・予定・意図 願望」においては、それらを生じさせるのが第三者の場合に限ってbe to 不定詞が使われることに注意して下さい。

①「義務」~すべきだ / ~しなければならない
be to 不定詞が使えるのは、義務を課しているのが第三者(話し手でも聞き手でもない)の場合です。
以下英文では、第三者=会社が考えられます。
尚、話者の意志で義務を表す場合は、should や must を用いるのが一般的です。

You are to participate in the conference.
あなたは会議に参加すべきだ。

②「予定」~することになっている / ~する予定だ
be to構文で最も目にする機会が多いのが「予定」です。
ポイントは、確実な予定に使われ、文中に未来の日付や時期に関する表現があれば、予定が使われていると真っ先に疑ってください。
以下英文では、話し手や「首相」以外の外務省などが予定を決定しています。仮に、この決定を首相自身が決めている場合は、The Prime Minister is going to visit ~ のように表現します。

The Prime Minister is to visit Germany next month.
首相は来月、ドイツを訪問する予定です

③「意図・願望」~したい
意図の意味では、ほとんどの場合、以下英文のように条件節を用います。
その他にもパターンがあり、主節に should や had better などが使われ「~しなければならない」という意味ですと、be to構文の意図だと疑って間違えないでしょう。
この英文では、主体=チーム全体と捉え「チームにとって望ましいこと」が意図や願望の内容となります。

If we are to win the competition, we must start training now.
試合に勝ちたいと思うおなら、今から練習を始めなくてはならない

④「運命」~する運命だ
この用法では、過去形の否定文で用いられることが多く、以下英文のように never を使って「決して~することのない運命だった」という表現になります。

Taku and Yuki were never to meet again.
タクとユキは二度と会えない運命だった

⑤「可能」~できる
正しくは、「可能:~できる」という意味で使われず、「不可能:~できない」という意味で使われます。
文の形は、「否定形+受動態」になると覚えて下さい。

Yuki was nowhere to be found.
ユキはどこにも見つからなかった

be to 不定詞の用法はいくつあるんですか?

be to 不定詞の用法は5つあります。以下表を参考にしてください。

意味特徴英文
予定~する予定未来を表す語句と共に
使われやすい
We are to visit Tokyo tomorrow.
(私たちは明日、東京を訪れる予定です)
意図~するつもりif節の中で使われやすいIf you are to study abroad, you must study hard.
(もし留学するつもりならば、一生懸命勉強する必要がある)
可能~できる受動態かつ否定文で
使われやすい。
No stars were to be seen in the sky.
(空には星が一つも見えなかった)
運命~する運命だ過去形で使われやすいShe was never to return home.
(彼女は二度と家に戻れない運命だった)
義務~しなければ強い命令を表すYou are to attend the meeting.
(あなたはその会議に出席しなければいけない)

to+動名詞で書かれている場合がありますが、to不定詞との違いを教えて下さい。

to不定詞の to は、2つの論調に分かれています。
元々は動詞を名詞のように使えるようにした記号に近い前置詞としての扱いでした。
近年ではto不定詞の to は前置詞の to から独立させて扱う動きもありますが、前置詞の to というのがまだまだ趨勢ではあります
一方で、to+動名詞で使われる to は純粋な前置詞です。
前置詞は後ろに必ず名詞を置く性質があります。
動名詞は本来「すでに事実となっていること」などを表し、to+動名詞になると前置詞 to のコアイメージである「(到達点を含む)向かっている」という意味に沿って「これから+~する」という未来の動作または進行形の動作を表します。
具体的には次のような使われ方です。

be accustomed to doingdoingすることに
慣れている
be used to doingdoingすることに
慣れている
devote oneself to doingdoingすることに
専念する
look forward to doingdoingすることを
楽しみにしている
object to doingdoingすることに
反対である
resort to doing(他に良策なく)
仕方なくdoingする
what do you say to doingdoingしない? / doingについてどう思う?
(勧誘・意見を求める表現)
when it comes to doingdoingに関して言えば
doingのこととなると
with a view to doingdoingする目的で

We were accustomed to working together.
私たちは一緒に仕事をすることに慣れていました。

I’m looking forward to the next holidays.
わたしは次の休日を楽しみにしています

Vets have had to resort to killing the animals.
獣医は動物を殺すという手段に出ざるを得なかった。

to不定詞の名詞的用法について教えて下さい。

to不定詞が名詞として用いる場合、一般的な名詞と同様に文の「主語・目的語・補語」となります。

主語となるto不定詞
目的語となるto不定詞
補語となるto不定詞

[主語となるto不定詞]
to不定詞は主語として用いることができ、以下が代表的な英文です。以下英文のような場合、To speak Englishは、仮主語の it をおいて表現するのが一般的です。

It is difficult to speak English.
(To speak English is difficult. )
英語を話すことは難しい。

[目的語となるto不定詞]
to不定詞を目的語として用いることができ、以下が代表的な英文です。

He wants to drink water.
水を飲むことを望んでいる

[補語となるto不定詞]
to不定詞は補語としても用いることができ、以下が代表的な英文です

My dream is to become a doctor.
私の夢は医者になることです。

to不定詞の副詞的用法について教えて下さい。

to不定詞の副詞的用法には、次の3つがあります。

目的を表すto不定詞:~するために
結果を表すto不定詞:する結果~
原因 理由を表すto不定詞:~なので、~するとは

[目的を表すto不定詞:~するために]
この中でも、よく使われるのは「目的:~するために」で、他の用法を表すために必要な特別な語句が無い限り、通常は目的を表すと覚えておきましょう。

I’m studying English to travel abroad.
私は海外旅行をするために英語を勉強しています。

また、この用法の場合、to不定詞の否定は、例外を除いて not to do のような一般的な形にしてはいけません。
この理由を次の英文より考察します。
∟ I studied hard not to fail this exam.
この英文を見ると「試験に失敗しないため一生懸命勉強する」のか「一生懸命勉強するのは試験に失敗するためではない」のかが曖昧になり、意味が取りづらくなってしまうからです。
そのため、明確に目的を表せる
∟ so as to do (堅い文章で使われる)
∟ in order to
を用いて否定します。

I studied hard in order not to fail this exam.
この試験で失敗しないように、一生懸命勉強しました。

この用法で not to do のまま使える例外を紹介します。
take care not to do や be careful not to のように「doしないように注意する」という意味使われる場合には not to do の形だけで使うことがあります。

Take care not to hurt yourself.
怪我しないように気をつけてね。

[結果を表すto不定詞:する結果~]
to不定詞の副詞的用法には「~する結果…」のように結果を表す用法もあります。
以下英文では「to doした結果、~だった」という過去形になっており、結果という意味で動詞を修飾しているのが分かります。

She studied hard to be a teacher.
彼女は一生懸命勉強して先生になりました。

では次の場合はどうでしょうか?
どってでもあまり変わらないため、特に注意すべきではない英文です。
このように、to不定詞の副詞的用法の目的と結果では両方の解釈ができる場合も多いです。
そのため、to do の部分が実質的に過去の話で合った場合は結果の用法で訳すといいでしょう。

We can use light to turn night into day.
夜を昼に変えるために、光を使うことができる(目的)
光を使うことで、夜を昼に変えることができる(結果)

Yuki went to America, never to come back.
ユキはアメリカに行ったまま二度と戻ってこなかった(結果)

I hurried to the station, only to miss the train.
急いで駅に向かったが、電車に間に合わなかった。
※ , only to 不定詞:~したが、結局は…しただけだった

[原因 理由を表すto不定詞:~なので、~するとは]
この用法は原因 理由をなんでも表現できるのではなく、happy(幸せ)surprised(驚いて)glad(喜んで)などの感情を表す形容詞と使い、感情の原因や理由を表します。

I am glad to see you.
あなたに会えて嬉しいです

完了不定詞ってなんですか?

まずは、to不定詞の時制についておさらいです。
to不定詞の時制は、述語動詞と一致します。たとえば次で紹介する英文のように、to be(to不定詞)の時制は、現在時制(seems)、過去時制(seemed)と同じです。

He seems to be ill.
彼は病気のようです[述語動詞が現在]

He seemed to be ill.
彼は病気のようだった[述語動詞が過去]

一方、完了不定詞「to have+過去分詞」を用いることによって、述語動詞よりも前の時制を表すことができます。

He seems to have been ill.
彼は病気をしていたようだ

He seemed to have been ill.
彼は病気をしていたようだった

to不定詞の
– to not be
– not to be
の not の位置はどちらが正しいでしょうか?

ご質問のような be動詞 に限らず、不定詞に否定 not を加えたい場合、to の前後のどっちにおいても問題ありません。
学校では not to be と習いますが実際の会話ではこの限りではないということです。
また、副詞の位置もよく質問に上がりますが、口語的には「to 副詞 原形動詞」のような語順で話す方もいますが、フォーマルな文書などでは「to 原形動詞 副詞」の語順にすることが好まれます。

My father told me not to be noisy.
My father told me to not be noisy.
父は私に騒いではいけませんと言った。

I asked him to quietly leave my house.
I asked him to leave quietly my house.
私は彼に、静かに家を出て行くように頼んだ。

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