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イメージしてみよう
「必要なことから学ぶのが一番大切」
仮に私たちが、山奥の部族と生活し始めたとしましょう。習慣はもちろん言葉は何もわからないです。生きていくために、彼らの言葉を勉強しなければならないとしたら、まず「あいさつ」から覚えて、とにかく交流できるようにするでしょう。その次は「水が+飲みたい」「サルが+いる」「ご飯を+たべたい」のように「名詞」を主体とする生きていくのに必要な「名詞+動詞」のセットをなんとか覚えようとするはずです。
「食べる」より先に「食べ物(が欲しい)」という単語を学び、「食べ物」に分類される木の実や果物、野菜に肉のように細分化して覚えていきます。
また、同じように「飲む」より先に「飲み物(が欲しい)」を考え、「水」「果汁」などを覚えていきます。
つまり「名詞」から連想してそれに紐づく「動詞」を覚えようとします。
名詞から広げていく英語勉強法
「名詞→動詞の順で勉強するけどあくまでもセットで覚えるのが最重要」
名詞を優先して覚える(あくまでも名詞+動詞をセットで覚えることを念頭に置いてください。)理由の一つは、名詞はそれだけで具体的に判別がつき、すぐに理解ができます。例えば、体の一部を指さして痛がっている表情を浮かべれば、その土地のことばで「喉が+痛い」「喉が+乾いた」と理解してくれますし、分からないような表情を浮かべれば、ここは「喉」、ここは「お腹」とその言葉を教えて貰えるはずです。
やはり、名詞を主体として、そのシチュエーションに沿った、名詞を補足する語として動詞などを学べます。
実際の学習過程と名詞から広げていく英語学習の違い
「新たな学習視点に触れてみよう」
上記のことが正しいのなら、英語を勉強する際にも、まず名詞を中心に学習範囲を広げていくのがいいのではないでしょうか?
ちなみに日本の多くの学生たちは、このような方法で勉強はしていません。学習過程は正反対で、動詞と英文法や文型を学び、形容詞や副詞、前置詞、その他の単語を当てはめていきます。
名詞を中心に複雑な言葉を作ってみよう
「名詞から連想する言葉を覚えると効果的!」
今までは、次のように英語を勉強してきた方が多いです。
まず、「write(書く」)」と暗記して、以下のような例文を学びます。
write with a pen
ペンで書く
write on a piece of paper
一枚の紙の上に書く
write a letter to my friend
友達に手紙を書く
そして英文法を学んで、次のような表現ができるようになります。
He writes English better than he speaks it.
彼は英語を話すより書くほうが上手だ[比較]
Write your name here.
ここに名前を書いてください[命令文]
どちらにせよ動詞から表現を広げていきます。
ですが、この順序とは別に、名詞の pen という単語から名詞句ひいては、フレーズに文を学んでいくこともできます。pen は名詞なので、冠詞や数詞を加えなければいけません。もちろん、some のように複数を示唆する語が付けば、pens のように複数形に変えます。
a pen, the pen, some pens etc…
この他にもいろいろありますが、「赤いペン」「壊れたペン」などの語を付けることもできます。
a red pen, the expensive pen, some broken pens etc…
そして、赤ペンと言えば「まる付けをする」ですし、高価なペンと言えば「買う」を日常的に連想しますね。そこでこれらを動詞をつけて英語にすると以下のようになります。
grade with red pen
赤ペンでまる付けをする
※まる付けをする=採点をする → grade(採点する)
buy one expensive pen
高価なペンを1本買う
このように、いつもしている勉強の順番である動詞から覚える英語とは、また変わった主眼で英語を勉強することができます。それは新鮮であるのと同時に、明確にイメージできる名詞に、明確にイメージできる動詞を正しい形で覚えていくことができるのです。
引用系という形で覚えよう
「train を使った様々な事故の動詞表現」
そもそも「引用系(citation form)」とはなんなのでしょうか? 引用形は、 ある英単語の本来持っている文法情報の事を指し、その単語を実際の文章内で使えるような形のことです。ここまでだと未だに何のことかわかりずらいですね。ですので、具体的に「英語の引用形」を次で紹介します。
apple 可算名詞 → an apple
bread 不可算名詞 → some bread
give → to give something to someone
quickly → to run quickly
happy → a happy man
angry → an angry person
もちろん右が引用系です。引用形は「日本語を使わない」「SやVなどの記号を使わない」「英語の自然な語順で」「新しい英文を作るための十分な情報かつ最低限の文法情報を含む形」です。
つまり、an apple, some bread などは自然な語順かつ、文法情報として an, some が付いているので、英単語を覚えていくと自然な英語を学ぶことにもつながります。
このように引用形は言葉がもつ自然な形を私たちに提供してくれ、勉強時間の効率化をもたらしてくれます。
まとめ
「名詞から連想できる多くの動詞を一緒に覚えてみましょう」
如何でしたでしょうか?名詞と動詞の暗記において、どちらが先とかではなく、名詞を主として、派生させながら動詞とセットで覚えていくと、より記憶が強固なものになります。さらに引用系という自然な形の英語学習を取り入れることにより、動詞の使用ミス、冠詞の付け忘れ、語順の間違えなども少なくなります。決して現行の学習過程を否定するものではありませんし、様々な勉強方法がある中での一つの提案としてお考え下さい。
- TOEICスコア960 hello先生による執筆
- 現在、専業主婦をしており、以前はアメリカ留学から、そのままアメリカの銀行にて英文事務や翻訳、通訳のお仕事をしていたhello先生。また、大学生2回生ですでにTOEICスコア960を取得した生粋の英語好きな方です。子育てにお忙しいとのことでなかなか執筆頻度は低いです。
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