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単語の中には多くのヒントが隠されている
「接頭辞・接尾辞・語幹」を知ることの重要さ
皆さんは「接頭辞(prefix)」「接尾辞(suffix)」「語幹(word stem)」というのを聞いたことはありますか?英語学習を進めていくと必ずどこかで目にしているはずです。接頭辞、接尾辞、語幹は、単語の一部をなしていることが多く、以下2つの点に関して英単語の理解を深めることができます。
● 接頭辞、語幹、接尾辞を含む語はその意味を推測しやすい
● 新しい単語の基本的な意味を覚えやすくなる
つまり、接頭辞、接尾辞、語幹を知っていると、その単語の理解が進みやすくなるので、暗記もしやすくなります。
接頭辞 [prefix]
接頭辞とは、単語の先頭に置いて、それぞれの接頭辞が持つ意味を単語に付け加えることができます。ここでは一部紹介をしますが、別ページにて一覧としてまとめていますので、合わせて確認してください。
pre-
時間や順序、地位、場所などに対して「~の前の」を表す接頭辞です。具体的な英単語としては次のようなものがあります。
premature : 早すぎた、早産の
prewar : 戦前の
precede : 先立つ、先行する
prediction : 予言、予報、予知
preview : 試演、試写、プレビュー
次に例文を紹介します。仮に初見で以下の英文の意味を理解できるかどうか、次に接頭辞を理解していたら、どの辺まで推測できるかどうかを考えながらご覧ください。
The country’s prewar population.
戦前の国の人口。
Journalists have begun making predictions about the winner of the coming election.
ジャーナリストたちは、次の選挙の当選者について予測を立て始めている。
re-
「再び」「後ろに」を表す接頭辞です。具体的な英単語としては次のようなものがあります。
replay : 再試合をする、再生する
rewrite : 書き直す、書き換える
regain : 取り戻す、回復する、奪還する、復帰する
restrict : 制限する,限定する
reject : 拒絶する、却下する、拒否する
次に例文を紹介します。仮に初見で以下の英文の意味を理解できるかどうか、次に接頭辞を理解していたら、どの辺まで推測できるかどうかを考えながらご覧ください。
I regained my balance.
私はバランスを取り戻した。
My stomach still rejects anything solid.
私の胃はまだ固形物は何も受けつけない。
trans-
「横切って」「~を変えて」を表す接頭辞です。具体的な英単語としては次のようなものがあります。
transform : 変える、変形させる、変換する
transatlantic : 大西洋の向こう岸の
transplant : 移植する、移住させる
transparent : 透明な、透き通る
transcend : (経験や理解力の範囲を)越える、超越する
次に例文を紹介します。仮に初見で以下の英文の意味を理解できるかどうか、次に接頭辞を理解していたら、どの辺まで推測できるかどうかを考えながらご覧ください。
A transatlantic cable.
大西洋横断ケーブル。
The transplanted heart was rejected.
移植された心臓は拒絶反応にあった。
接尾辞 [suffix]
接尾辞とは、単語の最後に置いて、それぞれの接尾辞が持つ意味を単語に付け加えることができたり、品詞の判別にヒントを与えてくれます。ここでは一部紹介をしますが、別ページにて一覧としてまとめていますので、合わせて確認してください。
-able
「-able」は、形容詞になることができ、「~できる」「~が可能な」という意味を表す接尾辞です。例文も併せて確認してください。
enjoyable : 楽しい、愉快な
washable : 洗える
Cotton bath mats tend to be machine washable but may need to be hung to dry to prevent shrinkage.
コットンのバスマットは洗濯機で洗えますが、縮みを防ぐために干す必要がある場合があります。
-ify
「-ify」は、動詞になることができ、「~にする」「~化する」という意味を表す接尾辞です。例文も併せて確認してください。
intensify : 強める、強烈にする
simplify : 簡単にする
We could hear the wind howling outside as the storm intensified.
外では、嵐が激しくなるにつれ、風の音が聞こえてきた。
これらのように接頭語や接尾辞などは、ある程度の法則・定義にのっとり各単語の意味を推測しやすくしています。つまり単語の内になるヒントを読み解くことにより初見の英単語でも推測が可能となるのです。
単語の前後から推測する
「文脈から分からない単語を推測してみよう」
英文が単語1語から成り立つのは稀で、ほとんどのケースで複数の単語が並んでできています。また、並び順には法則があり、様々な「文脈」から形成されています。
単語の前後でセットで用いられている語や句との関わりは、前後の単語を推測するのに大きく役立ちます。ここではその点について紹介します。
前後の文脈から単語の意味を推測してみよう
早速例文ですが、satisfactory という単語が分からないとしましょう。以下の文でこの単語の意味を推測してみます。
Yuki did satisfactory work. Ms. Suzuki told her how pleased he was and gave her a pay raise.
ユキは~な仕事をし、鈴木さんは、すごく喜んで、昇給させた。
上記の訳にある「~」を推測していくわけですが、鈴木さんはユキがした「~な仕事」に喜んでいるわけですね。つまり「satisfactory ≒ pleased(喜ばせる)」になります。
ここから「ユキは(満足させるような・喜ばせるような)な仕事をし、鈴木さんは、すごく喜んで、昇給させた。」と導き出すことができます。
ではもう一例みていきましょう。今回は jubilantly という単語が分からないという前提で読み進めて下さい。
The boys were singing jubilantly in church. They were smiling and their voices were full of joy.
教会で少年たちが~歌っていた。彼たちは笑顔で、その声は喜びに満ち溢れていました。
上記の訳にある「~」を推測していくわけですが、 後半部分で「their voices were full of joy(声は喜びに満ち溢れていた)」という部分があり、歌っていることと相関関係が強そうです。
つまり、どんなふうに歌っていたのかと推測すると「楽しそうに」「嬉しそうに」「幸せそうに」などプラスのイメージを導くことができ、全体の訳を導くことができます。
正しくは「jubilantly(歓喜の声で)」という副詞になります。
まとめ
「分からない単語を推測する力は英語力全体を押し上げる」
如何でしたでしょうか?言語を学ぶ人にとって英単語を暗記すると言うのは途方もない時間と苦労を要します。もちろんすべての単語を暗記できればそれに越したことはありませんが、ネイティブですら難しいことをしようと思っても徒労に終わる場合が多いのです。ここで解説したように分からない単語を推測する力を養って英語力全体の向上を行っていきましょう。
このように学習していくことにより、語彙力UPはもちろんのこと、より英語を好きになって行くはずです。
- 幼児~小学生を対象とする英語塾教師Kufufu先生による執筆
- 某超大手金融機関に5年務め、英語教育に転身された英語塾教師Kufufu先生による執筆です。英語の発音や和製英語、英語のオノマトペについて深い知識があり、卒業論文では「日本人の英語発音」について8000語ほどの英語で論文を執筆されました。
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