英文法:助動詞に関する Q&A
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英文法:助動詞に関する Q&A

助動詞とは?_

助動詞は「auxiliary verb」と言い、その名の通り「動詞(V)を助ける役割」を持つ語です。その役割とは、「推定」「能力」「可能性」「推量」「許可」「依頼」などの意味を付け加えることにあり、「will」「would」「can」「may」「might」「must」「should」などがその一例です。また、助動詞を用いた英文には、以下のような一定のルールがあります。

1.助動詞は動詞とセットで使う
2.1つの動詞につき1つの助動詞までしか使えない
3.助動詞のあとは動詞の原形を置く
4.助動詞には三単現の S はつけない
5.助動詞の否定形は直後 not を置く
6.助動詞を用いた疑問文は助動詞を文頭へ置く

ここでは、これらの助動詞に関して受け付けた質問をQ&A形式で紹介しています。助動詞の勉強にお役立て下さい。

Q&A

たくさんある助動詞ですが、推量の強さの基準が分からないです。

推量を表す場合の尺度は概ね以下のように考えて下さい。
もちろん必ずと言うわけではありませんが、基準として覚えて他の知識を肉付けしていくといいでしょう。
英文も併せて確認してください。順番は以下の通りで英文を並べています。










must
will
should
may
might
can
may not
might not
should not
will not
cannot
~に違いない
~でしょう
~のはずだ
~かも
ひょっとすると~
ありえる
ないかも
ひょっとすると~ない
ないはずだ
ないでしょう
ありえない

He must be a doctor.
彼は医者に違いない

He will be in China by now.
彼は今ごろ中国にいるでしょう

He should be 40 years old or so.
彼は40歳かそこらのはずです

He may come to the party.
彼はパーティーに来るかもしれない

He might come here.
ひょっとすると、 彼はここに来るかもしれない

Anybody can make mistakes.
誰でも間違えることはありえる

She might not come.
彼女はひょっとすると来ないかもしれない

The rumor may not be true.
そのうわさは本当でないかもしれない

He should not be a criminal.
彼は犯人じゃないはずだ

Yuki won’t be at home now.
ユキは今家にいないでしょう

It cannot be true.
それは本当であるはずがない

助動詞 could の用法が多すぎていまいち分からないです。
簡単に教えて頂けますか?

could と言えば can の過去形で「~できた」と習う助動詞ですが、実際に「~できた」という意味で見ることは少なく、仮定法や canを控えめに使いたい時によく見ます。
それでは could の6つの使い方をまとめておきますので、例文と合わせてみて下さい。

仮定法 ※1過去への推量 ※4
控えめな提案 ※2過去の一貫の能力 ※5
可能性・推量 ※3慣用表現 ※6

If I were rich, I could buy the house.
私はお金持ちだったら、 その家を買えるのに ※1

You could take the train.
電車で行くのはどうですか? ※2

It could rain later tomorrow.
明日、雨が降るかもしれない ※3

She could have been fired.
彼女、クビになっていたかもしれない ※4

I could swim when I was young.
若い頃は泳ぐことができた ※5

Could you close the door?
ドアを閉めていただけませんか? ※6

Could I see a menu?
メニューを見てもよろしいですか? ※6

could の使い方を教えて貰っていると、人によって結構説明がまちまちです。
どういうニュアンスで覚えておけばいいでしょう?

could その使い方の多さから、「指導する側としてはいったんどこまで教えようか?」と悩ましい言葉です。
つまりまちまちと言うのは、それぞれ教えている範囲が広いか狭いか、さらにそこに今ではほとんど使われない用法なども入り込み、教えられる側としては混同してしまうということですね。

実際、could は丁寧なお願いをするときによく使うと覚えておくといいでしょう。その英文の形は、
– Could + you + 動詞の原型
で表現でき、
– Could you please open the window?
(窓を開けてもらえますか?)
– Could you please wait for a while?
(しばらくお待ちいただけますか?)
のように使えます。

ではよく質問に上がる「Can you ~?」との違いですが、それは「過去形は距離感を表す ⇒ 丁寧具合の違い」になります。具体的に英文を見ていきましょう。
[Can you wait a moment please?]
訳:少し待っててもらえない?
Can you はカジュアルな場面、友達や家族などの親しい間柄の人に「~してもらえる?」とお願いをするときによく使います。
[Could you wait a moment please?]
訳:もう少しお待ちいただけますか?
Could you はフォーマルな場面、目上の人などに「~していただけませんか?」とお願いするときによく使います。過去形は人と人の距離感、自分よりも目上の人との距離感を表してくれるので過去形を使うと丁寧な文章になります。

次に「was able to do」との違いについて紹介します。
基本的に「~できた?」と言いたい時は was able to do を使います。
[Were you able to go there?]
canの過去形である could には、「できた」という意味合いはありますが、疑問文で「~できた?」と聞く場合は be able to を使うのが一般的です。
[Could you go there?]
「〜できた?」と聞くときに can の過去形である couldを使って、疑問文を作ってしまいがちなのですが、先ほど解説した丁寧なお願いの意味合いで使うことの方が多いです。

Were you able to go there?
そこいけた?

Could you go there?
そこに行っていただけますか?

should have の使い方を教えて下さい。

should have は、よく「後悔を伝える」時に使われます。文章の作り方は、

主語 + should have 過去分詞+目的語

となります。基礎例文としては、

I should have brought my umbrella.
傘を持ってくればよかった。

I should have brought my coat.
コートを持ってくればよかった。

should との違いは、「今するべき?それとも過去するべきだった?」という点がポイントです。

I should study English more.
もっと英語勉強しなくては!

should は「~した方が良い / すべきだ」という意味合いです。今、話しているこの時点で「自分はもっと英語を勉強するべきだ」と思っている状態です。

I should have studied English more.
もっと英語勉強しとけばよかった

should have は「~するべきだったのに」という意味合いです。過去にもっと英語を勉強しておくべきだったと後悔していることがわかります。
次に should not との違いをみていきましょう。ポイントは「忠告 or 非難」です。

You should not cheat on your partner.
浮気はしてはいけない。

should not は、「~すべきではない」という意味で、相手に対して「提案、アドバイス、忠告」をしている状態です。

You should not have cheated on your partner.
浮気なんてするべきじゃなかったのに

should have は「~するべきじゃなかったのに」という意味です。過去にしたことに対しての「後悔、非難」のニュアンスでよく使われます。

could have の使い方を教えて下さい。

could have は「過去にできたかも?実際はしなかったこと」に対して使われます。文章の作り方は、

主語 + could have 過去分詞 + 目的語

となります。基礎例文としては、

I could have finished this.
これ終わらせれたのに。

I could have finished my homework.
宿題できたのに。

could との違いは、「実際にできたか?できなかったか?」がポイントです。

She could attend the meeting yesterday.
彼女はミーティングに参加することができた

could は、「~できた(canの過去形)」という意味合いでも使うことができます。彼女は風邪を引いていたけど、昨日には治って、ミーティングに参加することができたようなシチュエーションです。

She could have attended the meeting.
彼女はミーティングに参加できたのに

could have は、「~できたのに」という意味で使います。前から風邪を引いていて、もし治っていたらミーティングに参加できたのに、実際に参加できていないようなシチュエーションで使える文章です。
次に、might have との違いを紹介します。ポイントは「実際はどうかわからない」です。

She could have passed the exam.
試験通ったかもしれないのに

今回の場合、もっと彼女が勉強をしていれば「試験に受かったかもしれないのに(試験には不合格だった)」ことがわかります。

She might have passed the exam.
試験通ったかもしれないよね

could have との違いは「結果」がわからないという点です。彼女はよく勉強していたし、受かったかもしれないのです。つまり、受かったか、落ちたか実際のところはわからないことが分かります。

may well の使い方について教えて下さい。

may well には大きく分けて2つの用法があり、may well の後ろは動詞の原型がくることに注意しましょう。基礎例文とあわせて確認してください。

may well
∟ 1. たぶん~だろう
 ※ mayよりも確信度が高い
∟ 2. ~するのも当然

It may well rain tomorrow.
どうやら明日雨らしいで

He may well get angry.
まあ、怒るのもわかるわ

会話でよく使う助動詞の使い方を教えて下さい。

[can]
やり方を知っていたり、することが可能であることを表現したい時に使います。

Yuki can sing very well.
ユキめっちゃ歌うまいよ
(ユキは歌を上手く歌うことができる)

[might]
~するかもしれないという可能性を表してくれます。

It may well rain tomorrow.
どうやら明日雨らしいで

[may]
might と同様、~するかもしれないという可能性を表してくれます。 また主語を I にして疑問文にすると、許可の意味合いでよく使います。

May I sit here?
ここに座ってもいいですか?

[must]
しなければいけないことを表現したいときに使います

You must see “Pirates of the Caribbean”.
パイレーツオブカリビアン絶対見て!
(パイレーツオブカリビアンを見なければならない)

[should]
すると良いであろうことを提案する時に使います。

You should drink some water.
水飲んだ方がいいよ

[used to]
過去によくしていたこと(今はもうしていない)を言いたいときによく使う表現です。

I used to drink a lot.
昔はよくお酒を飲んだなあ

助動詞 Must の使い方を教えて下さい。

Must は「迫って来る」イメージをもって勉強を進めていくといいでしょう。
他にも複数の意味がある must を理解するために、「迫って来る」イメージと一緒に「しなければいけない」と理解すると便利です。
義務・命令:しなければならない
確信:に違いない
強い勧誘:ぜひ〜して
禁止:(notがついて)してはいけない
のように意味が広がります。
ポイントとしては、学校では「しなければならない」と習う must ですが、must は強すぎる言い方になるため、「しなければならない」と日常会話で言いたい場合は、have to を使う場合が大半です。 ただ、規則・ 指示などの文書では目にします。

You must be Yuki.
あなたがユキですね。

You must try this restaurant.
このレストランに行ってみて。

You must not go there.
そこに行ってはいけません。

助動詞 Should の使い方を教えて下さい。

Should は「指し示す」イメージをもって勉強を進めていくといいでしょう。
Should には「~したほうがいい」以外にもいくつかの意味があります。例えば、
推測:のはずだ
意外・驚き:〜なんて!
に使う事が出来ます。

You should study more.
あなたはもっと勉強したほうがいいよ。

He should be there very shortly.
彼はもうすぐそちらに着くはずです。

She should say such a thing.
彼女がそんなことを言うなんて

助動詞 can, must, may などの可能性とか推量というのがいまいち分からないです。

可能性・推量を表す助動詞を以下でまとめてみました。
必ずしもこうなるというものではありませんが、以下のように理解してそれぞれの用法を覚えていくと、自分が可能性や推量のどの位置を勉強しているのか役立ちます。

パーセント助動詞英文・意味
100%beIt is a bear.
(クマだ)
99%mustIt must be a bear.
(クマに違いない)
80%will
would
It would be a bear.
(クマだろう)
70%should
ought to
It should be a bear.
(クマのはずだ)
50%canIt can be a bear.
(クマということはあり得る)
30%may
might
It may be a bear.
(クマかもしれない)
20%couldIt could be a bear.
(ひょっとしてクマかもしれない)
0%notIt is not a bear.
(クマではない)

may 助動詞を使った英文で過去を表現したい場合は might を使うという認識は正しいですか?

過去形の助動詞は、時制の一致などを受けて過去のことを表す場合もありますが、現在のことを表すことの方が多いです。
たとえば、may と might では次のような文が考えられます。
以下 may と might の違いですが、may は動詞に「許可 / 可能性 / 推量」などの意味を加え、mightは「可能性が低い / 丁寧な」ニュアンスを持ちます。

It may snow in Osaka.
大阪は雪が降るかもしれない。

It might snow in Osaka.
大阪は雪が降るかもしれませんね。

学校で might を習うときに、may の過去形と習いますが、実用的に過去で使われるケースは稀です。
つまり、might は may の過去形というイメージが先行し、may と might を理解するのが難しくなってしまっているのです。
では、ご質問にあるように過去のことを表すには、「助動詞+have+過去分詞」という形を使います。
「have+過去分詞」は完了形の働きを持ち、現在から過去を振り返るニュアンスがありますので、過去を表すと考えて差し支えないです。

may have done~したかもしれない
might have doneひょっとして~したかもしれない
can’t have done~したはずがない
must have done~したにちがいない
should have done~すべきだったのに
ought to have done~すべきだったのに
need not have done~する必要はなかったのに

It may have snowed in Osaka.
大阪では雪が降っていたかもしれません。

It might have snowed in Osaka.
大阪は雪が降っていたかもしれませんね。

she couldn’t hear, she couldn’t have heard の違いを教えて下さい。

could の否定形である couldn’t の場合は「〜をできなかった」、つまりこの場合は she couldn’t hear(彼女は聞こえなかった)という意味になります。
couldn’t の現在完了形ですと、「〜をできたはずがない」つまりこの場合、she couldn’t have heard(彼女は聞こえたはずがない)という意味になります。

「couldn’t+have+P.P.」は、過去の事に対して話し手の判断や推量を表すので、
✕ : ~はずがなかった
〇 :(過去に)~したはずがない
という過去への強い否定の推量を表す訳になります。

You called out that you loved her, but she couldn’t hear you.
愛していると呼びかけても、彼女には聞こえなかった。

You called out that you loved her, but she couldn’t have heard you.
愛していると呼びかけても、彼女に聞こえたはずがない。

will, be going to で、どっちを使うかいつも迷います。
簡単な覚え方の指標みたいなのはありますか?

will, be going to で、どちら使うか迷ったら「その予定はいつ決めた?」という点に着目してみましょう。
・will : 今決まったことを言う時に使う
(その場でする気になった)
・be going to : 既に決まっていた予定や計画をいう時に使う
(以前からするつもりでいた)

OK, I will answer it.
いいよ、僕が出るから。

I will help you.
手伝うよ(目の前で困っている人を見た瞬間の表現)

I’m going to help you.
手伝うよ(以前から引っ越し手伝いが決まっていた場合の表現)

I’m going to see him next week.
来週、彼に会いに行く。(以前から決まっていた)

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