英単語を覚えるレベルは様々あります。試験用、検定用、論文制作用、日常会話ができるようになるためになどまさにそれですね。
ここでは、初級~超級までを区切って英単語の学習ボリュームを紹介しますので参考にしてください。
初心者~中級者編
初級から中級になるまでは、⽇本語の訳を⼀つずつ覚えることに集中して下さい。「⽬」で読み、「⽿」で聞き、「⼝」で発⾳する。さらには「⼿」で書いて5感をフル活用させることが重要です。
発⾳記号で発⾳とアクセントの位置を確認しながら、⾳源を真似て発⾳しながら覚えることも重要です。
また、例文を活用し、前後の単語を意識しながら覚え、⾳声変化・リズム・イントネーションを意識しながら、⾳源をまねて例文の発⾳もしましょう。
最後に、時間があれば単語と例⽂は、スペルを意識しながら書いて覚えて下さい。
中級になってからは、上記に加え「派⽣語・関連語」を覚えることによって語彙量増加を行っていきましょう。
初級
最重要 2000語のおさらい
初級 → 中級
重要 4000語の確認
中級
6000語 レベルの開拓
上級者~超級者編
上級では、⽇本語の訳がたくさんある単語は、全てに共通するコアの意味を考えましょう。
そして、多読・多聴を取り⼊れ、重要頻出単語は、⾃分でも使える様に、英作⽂してみると尚良いです。
超級では、語源を意識し、英英辞典を活⽤しましょう。
リーディングやリスニングで知らない単語が出てきたら、意味を想像しながら多読と多聴を維持し、知らない単語への想像力と正確性を求めていくといいでしょう。
上級
6000 語 の 定着
超級
6000 語 以上への挑戦・定着
英単語学習の注意点
「効果的な英単語の暗記法を試して下さい」
英単語の暗記はどうしても時間がかかってしまい、単調な勉強だと思っている方が多いですが、その方法が本当に適切なのか考えてみましょう。
英単語の暗記は様々な方法が提唱されていますが、近年ではある程度その効果的な方法が確立されています。ここではそんな英単語の暗記を行うに際しての注意点をご紹介します。
最重要語2000語は⾊々な意味を深く学習するこ
中学では1600程度の英単語を暗記するように指導されています。
それらの単語は今後⼀番よく出会う最重要単語であり、⾊々な意味を持つのであなどらないで深く学習することが大切です。
発⾳記号とアクセントの位置を確認しながら覚えること
英語は⽇本語よりも発⾳数が多いです。さらに、アクセントを間違ってしまうと理解してもらえないという特徴があります。
⽇本⼈が英語を聞き取れない、そして⽇本⼈の英語が通じない最大の理由がこれです。
⽇本語の⺟⾳は5つですが、英語は24。⼦⾳は、⽇本語16に対して英語は24あると⾔われています。
英単語は聴いて覚えること
英単語は⽬で覚えるより、⽿で覚えた⽅が効率的と言われています。
さらに、聴けば発⾳とアクセントの位置も同時に覚えられるので一石二鳥です。
最近では音を理解できない言葉は話すことができないと言わるようになり、まさに単語の音の重要性にさらに目が向けられています。
⼈間は進化の過程で、⽬よりも⽿をよく活⽤してきたので、⽿の記憶は⽬の記憶よりも強く⼼に残るとも⾔われています。
英単語は発⾳して覚えること
「唇・⾆・喉・顎・肺」の5つの動きと、発⾳記号・アクセントの位置を意識して、なるべく⾳源とそっくりに発⾳できるように繰り返し練習して下さい。
声を出して発⾳することは、⾃分の声を「聴く」ことにもなるので記憶にも定着しやすくなります。
英単語は例⽂で覚えること
単語の意味だけではなく、⽂中でのコロケーションも同時に覚えられるので、例⽂を聞き、⾳読し、書き写しながら覚えることは⾮常に効率的です。
脳は、ものごとをお互いに関連づければ覚えやすくなるという性質を持っており、近年の語学研究ではコロケーションの重要性が増しています。
派⽣語・関連語・語形変化を意識すること
例えば「importance, important」等の派⽣語、「like, love, prefer」等の関連語、「do-did-done」等の語形変化を同時に覚えて下さい。
数多くの暗記をした点が、次々と神経回路の中でつながれば、記憶⼒がどんどん強くなっていきます。これは関連づけにより、アメーバのように記憶の手が脳内で伸びていくために起こります。
英単語は語源を意識すること
語源を意識すると英単語は覚えやすくなります。
加えて、知らない単語の意味も想像しやすくなるので、効率的かつ応⽤がきく英単語の覚え⽅です。
語源は単語と単語を関連づけることになり、単語と単語がつながれば、語彙⼒がどんどん増強されていきます。
英単語は中核のニュアンスを意識すること
例えば、「have」には⾊々な訳がありますが「自分の所有している範囲内にある状態」という共通するニュアンスを持っていれば、それらの訳を全部覚える必要はなくなります。
このように、1つの単語で複数の意味や訳がある場合、言い換えると広く使える単語は、すべてに共通する中核的なニュアンスを意識すべきなのです。
やさしい英⽂の多読と多聴で語彙増強すること
多読や多聴は単語を深く広く覚えるのに役立ちます。
さらに、⽂中での使われ⽅や、⽂法項⽬も同時に覚えられ、それらの知識を無意識的に理解する能⼒も向上します。
⽇本⼈は、読むことや聞くことなどのインプットが圧倒的に⾜りないというのが共通する認識です。
多読と多聴で使うべき教材は、知らない単語や⽂法、構⽂が本全体の3%程度含まれたやさしい英⽂がよいと指摘されています。
知らない英単語は意味を想像しながら読むこと
多読や多聴をする際、知らない単語があってもその都度辞書を引かずに、前後関係や語源などから意味を想像しながら読み、ネイティブの持つ感覚に近づくように心がけて下さい。
意味を想像しながら単語を覚えることは、⼈間として⾃然な語彙増強の⽅法です。
それは、ネイティブが持つ、中核的なニュアンスの獲得につながります。
英英辞典を活⽤すること
英英辞典を使うことは、英語を英語のまま理解することにつながります。
また、訳語が沢⼭ある英単語の中核的なニュアンスをつかむことにもつながり、英語を英語のまま理解するには⽇本語の介⼊を極⼒排除しなければなりません。
それには、英単語の意味を⽇本語に訳して理解することから脱却する必要があります。
英単語は⾃分で使って覚えること
覚えようとしている単語を使って英作⽂するなど、⾃分で実際に使ってみることでしっかりと記憶し、使えるようにしましょう。脳は情報を何度も⼊れ込むよりも、その情報を何度も使ってみることで、⻑期間安定して情報を保持することができるとされています。
英単語トレーニング法
「英単語の暗記は適切な方法を取り入れましょう」
英単語を覚えるだけではなく、使えるようにするためのトレーニングです。
使⽤する単語集は、⾳源があり、例⽂と発⾳記号、多くの派⽣語・関連語が掲載されているものがお勧めです。
聞き取り
単語集を⾒ないで、集中して⾳源を聴いてみましょう。⾒出し語と例⽂を聴いて、どれくらい理解できるか確かめ、聞き取れない場合は2〜3回聴いてみてください。
アイシャドーイング
単語集の⾒出し語と例⽂を⽬で追いながら⾳源を聴いてみる。意味はもちろん、発⾳(アクセントの位置含む)を意識しながら繰り返し聴いてみましょう。
⾳読
⾒出し語を、意味・発⾳・アクセントの位置を意識しながら⼤きな声で⾳読します。
次に、例⽂を⾳読しながら意味と⽂の構造(⽂法)を確認し、わからないところは辞書等で確認して下さい。
その後、例⽂を意味と発⾳を意識しながらスムーズに⾳読できるまで繰り返し練習しましょう。
オーバーラッピング
例⽂を⽬で追いながら、⾳源にぴったり重ねるように発⾳してついていきます。
声を出せないところでは、⼝パクでも効果があります。スピードについていけるようになるまで繰り返し練習し、スピードについていけるようになったら、細かい発⾳や意味も意識しながら繰り返し練習しましょう。
ルックアップ & セイ
例⽂を1⽂黙読した後、顔を上げて暗唱する訓練法です。
慣れてきたら、意味と発⾳を意識して何度も練習し、発⾳があいまいな場合は、⾳源を聴きながら黙読してみましょう。
リピーティング
単語集を⾒ないで、⾒出し語と例⽂の⾳源を聴き、⼀旦⾳源を⽌めリピートします。
必ず意味を意識して⾏うことが重要で、意味を意識してできるようになったら、今度は発⾳を意識して、⾳源とそっくりにリピートできるようになるまで繰り返して下さい。
シャドーイング
単語集を⾒ないで、⾳源を再⽣し、1〜2語程度遅れて影のように声を出して追っかけてスピーキングを行ってください。
⾒出し語も例⽂も、必ず意味を意識しながら⾏うことが大切です。
意味を意識しながらスピードについていけるようになったら、今度は発⾳を意識しながら何度も繰り返しましょう。
書き写し
例⽂を1⽂黙読した後、その1⽂を⼀気に書き写します。途中でチラチラと英⽂を⾒ないように。どうしても覚えられない場合は、黙読ではなく⾳読すると覚えやすいです。
- 現役国立大学生のsky先生による執筆
- 国公立大学の理学部生物科学科に在学中のSky先生による執筆記事です。現在は英語の家庭教師をしつつ、ライターとして海外文化の情報を配信されており、保有資格はTOEIC スコア 930点取得、 TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages) 英検準1級と現役大学生の中でも特に英語の造形に優れています。
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