間接疑問文とは、通常の文中に疑問文が置かれて、間接的な疑問形式になる文法のことを言います。間接疑問は相手に何か直接尋ねるのではなく、間接的な疑問を相手に投げかける表現です。例えば、以下の例文を見てみましょう。
間接疑問文の基礎英文をみていきましょう。
I don’t know what this is.
私はこれが何なのかわかりません。
通常の疑問文では、語順が What is this? となりますが、上記英文を見てわかる通り I don’t know what is this. とは言わずに what this is と、肯定文になっています。訳は「これはなんですか?」と直接的に聞くニュアンスではなく「これが何なのかわかりません」と間接的に疑問があることを伝えるニュアンスです。
I want to know what you bought.
私はあなたが何を買ったか知りたい?
Do you know where Yuki lives?
あなたはユキがどこに住んでいるか知っていますか?
間接疑問文の作り方
「間接疑問文の語順をまずは暗記しましょう」
間接疑問を作る語順は「疑問詞+主語+述語」です。間接疑問文を作る際には以下のルールに気をつけましょう。
間接疑問文を作る際のルール
間接疑問文を作る場合には3つのルールがあります。以下英文から、直接疑問文と間接疑問文の違いを見てみましょう。
間接疑問文の3ルール_
・疑問文の語順を肯定文の語順に直してから使う(主語と動詞の倒置が起きない)
・文末に?は付けない(※全体が疑問文の場合は付ける)
・疑問詞が付いていない疑問文を作る場合は、文の間にifやwhetherを入れる
Where is the nurse’s office?
保健室はどこですか?(直接疑問文)
I’m not sure where the nurse’s office is.
保健室がどこにあるのかわかりません。(間接疑問文)
直接疑問文と間接疑問文の比較例です。be動詞を使った直接疑問文では、be動詞と主語の倒置が起きます。
間接疑問文の場合「主語と動詞の倒置が起きない」という特徴があり、文中で「疑問詞+S+V」の構造になっている点に注意が必要です。
Why do you want this job?
どうしてこの仕事に就きたいのでしょうか?(直接疑問文)
Please tell me why you want this job.
この仕事に就きたい理由について教えてください。(間接疑問文)
また、間接疑問文には、who や where 疑問詞を使ったものと、接続詞の whether や if(〜するかどうか)を使ったものの2種類があります(説明や使い分けについては後述します)。間接疑問文は、以下4つの位置で使われます。それぞれパターンがあるのでここで覚えてしまってください。
間接疑問文が置かれる4つの位置_
・主語
・補語
・動詞の目的語
・前置詞の目的語
主語が間接疑問
以下英文を見て確認しましょう。間接疑問が主語として使われる例を紹介します。
この英文では Where we travel(私たちがどこに旅行するか)が主語として扱われています。
Where we travel depends on her opinion.
私たちがどこに旅行するかは彼女の意見による。
次の英文では Whether she can come to the party(彼女がパーティーに来れるかどうか)が主語として扱われています。
Whether she can come to the party is not certain.
彼女がパーティーに来れるかどうかはっきりしていない。
補語が間接疑問
以下の英文では間接疑問が文の補語として使われています。
この例文では who is responsible for this failure(この失敗に誰が責任を持つのか) が補語として扱われており、「主語=補語」が成り立つSVCの第2文型です。
The question is who is responsible for this failure.
その質問は、この失敗に誰が責任を持つのかだ。
次の英文では who is going to tell him the truth(誰が彼に真実を伝えるか)が補語として扱われています。
The problem is who is going to tell him the truth.
その問題は誰が彼に真実を伝えるかだ。
動詞の目的語が間接疑問
以下英文を見て確認しましょう。間接疑問は以下のように、動詞の目的語としても使えます。
ここでは「何を~」という目的語の部分を where he is from(どこ出身か)と表しています。
Ask him where he is from.
彼にどこ出身か尋ねてみて。
次の英文では「何を~」という目的語の部分を what happened to him(彼に何が起きたか)と表しています。
I want to know what happened to him.
私は彼に何が起きたのかを知りたい。
次の英文では「何を~」という目的語の部分を if that’s a good idea(いいアイデアかどうか)と表しています。
I don’t know if [whether] that’s a good idea.
私はそれがいい考えなのかどうかは分かりません。
動詞の目的語が間接疑問
間接疑問は、前置詞(about など)の目的語としても使えます。
以下英文では、間接疑問の what will happen next が前置詞 about の目的語になっています。
We don’t talk about what will happen next.
私たちは何が次に起こるか話していない。
以下英文では、間接疑問の how many hours you spend scrolling social media が前置詞 about の目的語になっています。
Think about how many hours you spend scrolling social media.
SNSをスクロールすることにどれくらいの時間を使っているかを考えてみましょう。
以下英文では、間接疑問の what we should do next が前置詞 about の目的語になっています。
We talked about what we should do next.
私たちは次に何をすべきかについて話し合った。
間接疑問文を作る際のルール
なぜ、通常の直接疑問文ではなく、間接疑問文という英文法が存在し、これを用いる必要があるの?と疑問に思った生徒も多いと思います。この理由は、「間接」疑問文といった名前の通り、知りたいこと(聞きたいことを)間接的に尋ねたい場面があるからです。
例えば学校の友達に「この問題、どうやって解くの?」と言うより、「この問題の解き方、よく分からないんだけど…」とか、「問題の解き方、分かりますか?」と直接的に聞かないことも多いですよね。
また、「彼女には彼氏がいますか?」と他者のプライベートなことについて直接探るのは、ちょっと抵抗がありますよね。そのため、配慮を込めた言い回しで「彼女には彼氏がいるかどうか知っていますか?」と間接疑問文で質問をすれば、丁寧な会話ができるでしょう。
Does she have a boyfriend?
彼女には彼氏がいますか?(直接疑問文)
Do you know whether she has a boyfriend?
彼女には彼氏がいるかどうか知っていますか?
(プライベートの話について婉曲的な聞き方をする間接疑問文)
このように聞きづらいことや、あまり話したことのない相手へのコミュニケーションでも、間接疑問文を使えば話しやすくなります。
疑問詞以外の間接疑問文は、if か whether を使う
「間接疑問文の応用版をここで抑えましょう」
これまで、when や who などの疑問詞を使った間接疑問文を中心にご紹介しましたが、他にも「〜であるかどうか」について質問できるパターンもあります。その場合、疑問詞とは別に if または whether を使います。
[if を使った間接疑問文]
I don’t know if he will come to work tomorrow.
彼が明日出社するかどうか分かりません。
[whether を使った間接疑問文]
I asked her whether she can swim.
彼女に泳げるかどうか聞きました。
上記の例文のように、「if / whether+主語+述語」の並びで「〜であるかどうか」という意味を表します。以下では、そのif節と whether節をどのように使い分けるのか説明します。
if節と whether節の使い分け
細かい話ですが if と whether はどちらでも使って良いわけでなく、主に whether節を使うことの方が多いです。動詞の目的語として使う場合は if節と whether節の両方が使えますが、主語・補語・前置詞の目的語として使う場合には whether節のみを使います。
以下英文では、whether節が前置詞の目的語として使われています。
[whether を使った間接疑問文]
It depends on whether she is interested.
それは彼女が興味を持っているかどうかによる。(前置詞の目的語)
以下英文では、主語なので if she comes here is important. にすると間違いになります。
[whether を使った間接疑問文]
Whether she comes here is important.
彼女がここに来るかどうかが重要です。(主語)
以下英文では、補語なので The agenda is if the next leader should be him. にすると間違いです。
[whether を使った間接疑問文]
The agenda is whether the next leader should be him.
議題は、次のリーダーを彼にするべきかどうかです。(主語)
※「〜であるかどうか」という意味の間接疑問文では、とりあえず whether 使用することが無難です。
通常の間接疑問文でよく使われるフレーズ
通常の文章でよくあるフレーズを以下でまとめました。それぞれの文章の後に間接疑問文を合わせることで成り立ちます。
フレーズ | 訳 |
---|---|
I know~ | 〜が分かる |
I don’t know~ | 〜が分からない |
I want to know~ | 〜について知りたい |
I ask~ | 〜を聞く |
Please tell me~ | 〜について教えてください |
疑問文の間接疑問文でよく使われるフレーズ
疑問文を使って間接的に質問したい場合は、以下のフレーズが役に立ちます。
フレーズ | 訳 |
---|---|
Do you know~ | 〜を知っていますか? |
What do you think~ | 〜をどう思いますか? |
Can you tell me~ | 〜についてお教えいただけますでしょうか? |
Plase tell me~ | 〜について教えてください ※1 |
※1 最後の Please は、正確には命令文に該当しますが、丁寧な言い回しなので相手への依頼・質問といったニュアンスです。
間接疑問文の答え方
間接疑問文に対する答え方は、Yes, I do/am. もしくは No, I don’t/am not. となります。
以下英文のように、このように Yes/No で回答した後は、それに続いて間接的に尋ねられている内容についても回答すると親切です。
Do you know where he lives?
– Yes, I do. He lives in Osaka.
彼がどこに住んでいるか知っていますか?
– はい、彼は大阪に住んでいます。
if, whether は Yes / No で答える
if や whether を使った質問では、一般的に Yes / No で回答します。
会議が13:00までに終わる場合は、It / This meeting+will で答え、終わらない場合は、Yes / No の後に It won’t. を付け加えると親切です。
Do you know if this meeting will end by 13:00?
– Yes, I know.
この会議が13時までに終わるかどうか知っていますか?
– はい、知っています。
多くの日本人が英語を上達させるために学んでいること!!
多くの日本人が英語を上達させるために学んでいることは「TOEIC」「難しいボキャブラリー」「細かい英文法」です。ですが、実用的な英語の会話力を手っ取り早く身につけるために優先するべきことは「発音」「簡単な句動詞(calm downなど)」「イディオム(主に理解力)」「文化の知識獲得」「会話の経験習得」です。全く異なることのように思いすが、いくつかの部分で重複範囲があるため、両方をおろそかにすることはナンセンスです。