[時制の一致]英文法

時制の一致を徹底解剖!!

時制の一致は、従属節の動詞の時制を、主節の動詞の時制に一致させることです。もう少し分かりやすく書くと、主節が過去だと他の部分も過去の表現になるという英語独自のルールです。英語には、時制が一致しない例外もたくさんありますが、時制の一致が大原則となり、ここをしっかり覚えておかないと、「関係代名詞」「間接疑問文」「so that ~ not の文」などで必ず躓いてしまいます。
ここでは、そんな英文法を勉強する上で重要なファクターとなる「時制の一致」を解説します。

時制とは、動詞・助動詞によって表される動作・状態がいつ起こっているのかという時間的な関係を表現す形です。
これは、動詞・助動詞の形の変化で表し、3つの基本時制[過去 ⇒ 現在 ⇒ 未来]で成り立っています。
また、基本時制に加え、進行形や完了形などの特徴的な時間の関係を表す表現もあり、主節の動詞の時制の影響を受けて、従属節の動詞の時制も変化します。この事が「時制の一致」と呼ばれています。

英語の大原則_

文中の主節が過去形の場合に、従位節が時制の一致を受ける

I know ~ のように主節の時制が現在形の場合は時制の一致は起こりません。
主節の時制が現在形の場合は、従属節は本来表現したい時制にそって適切な時制を選べばいいです。
では、例を挙げながらいくつか説明してみましょう。

He knows that my father is a doctor.
彼は、私の父が医者だということを知っている。

これは、主節が「He knows」で、従属節が「my father is a doctor」です。
ちなみに、主節と従属節の両方で現在形の形をとっていますが、この場合は、たまたま現在形の動詞が揃っているだけで、時制の一致と呼ばれるものではありません。時制の一致とはあくまでも「主節と従属節が過去形」に引っ張られて変わることです。
では、「彼は、私の父が医者だということを知っていた。」と、過去のある時点で知っていたことを表現したい場合を見ていきましょう。

He knew that my father was a doctor.
彼は、私の父が医者だということを知っていた。

主節が「He knows ⇒ He knew」になることにより、時制の一致をうけて、従属節の中の動詞も「my father is a doctor ⇒ my father was a doctor」になります。
このように主節が過去なら、従属節も過去になるというのが原則です。
以下のように、主節が現在形で従属節が過去形の場合は、時制の一致を考える必要はありません。

He know that my father was a doctor.
彼は、私の父が医者だったと知っている。

名詞節の時制の一致

that節などの名詞節では、主節の動詞が過去形になれば、通常は従属節の動詞に時制の一致が起こります。時制の変化は次のようになります。

主節の動詞の時制 → 従属節の動詞の時制_

・現在→過去
・現在完了→過去完了
・過去→過去/過去完了
・過去完了→過去完了

従属節が「現在 ⇒ 過去」

主節、従属節ともに現在形で、主節が過去形になると時制の一致より従属節も過去形になります。

I think that Yuki is tired.
(ユキは疲れていると思う。)

⇒ I thought that Yuki was tired.
 (ユキは疲れていると思った。)

従属節が「現在進行形 ⇒ 過去進行形」

もともと主節が現在形で従属節が現在進行形の場合、主節が過去形になると時制の一致より従属節は過去進行形になります。

I speak to a boy who is taking a walk.
(私は散歩している男の子に話しかます。)

⇒ I spoke to a boy who was taking a walk.
 (私は散歩している男の子に話しかけた。)

従属節が「現在完了形 ⇒ 過去完了形」

主節が現在形で、従属節は現在完了進行形の場合、主節が過去形になると時制の一致より従属節は過去完了進行形になります。

He tells me that he has been living in Osaka for three years.
(彼は大阪に3年間住んでいると私に話す。)

⇒ He told me that he had been living in Osaka for three years.
 (彼は大阪に3年間住んでいると私に話した。)

従属節が「過去進行形 ⇒ 過去完了進行形」

主節が現在形で、従属節がすでに過去形の場合、主節が過去形になると、従属節は過去完了形になります。しかし、従属節の時制をずらさなくても、意味として成り立つ場合は、主節のみ過去形することもあります。

I think she lived in Tokyo.
(彼女は東京に住んでいたと思っています。)

⇒ He thought me that he had lived in Osaka.
 (彼女は東京に住んでいたと思っていました。)

⇒ He thought me that he lived in Osaka.
 (彼女は東京に住んでいたと思っていました。)

従属節が「過去進行形 ⇒ 過去完了進行形」

主節が現在形で、従属節が過去進行形の場合、主節が過去形になると、従属節は過去完了進行形になります。しかし、従属節の時制をずらさなくても、意味として成り立つ場合は、主節のみ過去形することもあります。

He says she was working hard.
(彼女は頑張っていたと彼は言う。)

⇒ He said she had been working hard.
 (彼女は頑張っていたと彼は言った。)

⇒ He said she was working hard.
 (彼女は頑張っていたと彼は言った。)

従属節が「過去完了形 ⇒ 過去完了形」

主節が現在形で、従属節が過去完了形の場合、主節が過去形になると、従属節はそれ以上過去にいけないため過去完了形のままになります。

I think she had lived in Nagoya.
(彼女は名古屋に住んでいたことがあると思う。)

⇒ I thought she had lived in Nagoya.
 (彼女は名古屋に住んでいたことがあると思った。)

従属節が「過去完了進行形 ⇒ 過去完了進行形」

主節が現在形で、従属節が過去完了進行形の場合、主節が過去形になると、従属節はそれ以上過去にいけないため過去完了進行形のままになります。

I think she had been studying English.
(彼女が英語を勉強し続けていたと思っています。)

⇒ I thought she had been studying English.
 (彼女が英語を勉強し続けていたと思っていました。)

助動詞の時制の一致

従位節に助動詞が使われている場合は、時制の一致により助動詞が過去形になります。

従位節に助動詞がある場合_

・will+動詞の原形 → would+動詞の原形
・can+動詞の原形 → could+動詞の原形
・may+動詞の原形 → might+動詞の原形

従属節に助動詞が使われている場合の時制の一致

従属節に助動詞が使われている場合の時制の一致は上記の説明の通りですが、「must, should, ought to」は、過去形がないため時制の一致の適応は受けますが、形は変わりません。

I thought that he would be late.
私は彼が遅れるだろうと思った。

I didn’t think you could swim faster than Yuki.
あなたがユキより速く泳げるとは思わなかった。

I thought there was a chance he might fail.
私は、彼が失敗する可能性があるかもしれないと思っていた。

時制の一致が起きない場合

時制の一致は英文法の中で大原則ですが、例外として以下のパターンの場合には時制の一致が起きません。

時制の一致が起きないポイント_

・不変の真理
・現在も変らない事実や習慣
・歴史的事実
・ことわざ
・仮定法 ※ 例外有り

不変の真理

「太陽は東から昇る」や「地球は海の方が面積が広い」のように変わりようのないことに関しては時制の一致をうけません。

I knew the sun rises in the east.
太陽は東から昇ると私は知っていた。

現在も変らない事実や習慣

話している時点で、変っていない事実や習慣として行われていることは時制の一致を適用されません。まずは2つの英文を見比べて下さい。上が時制の一致を受けていて、下は時制の一致を受けていません。

[時制の一致を受けている]
I thought that she was a student.
彼女は学生だと思っていた。(今は学生ではない)

[時制の一致を受けていない]
I thought that she is a student.
彼女が学生であると知っていた。(現在も学生)

このように、時制の一致が適用されずに現在形で書かれている場合、それは現在も変わらないということを表現していますので気を付けましょう。

歴史的事実

歴史上の事実は常に過去形で表現するという原則があります。

We learned that the World War 2 ended in 1945.
私たちは第二次世界大戦が1945年に終結したことを学びました。

ことわざ

ことわざは一言一句変えずに使うのが原則です。

My mother often said time is money.
私の母はよく、時は金なりと言っていた。

仮定法

従位節に仮定法が使われている場合には、時制の一致は適応されません。
仮定法の時制は、もともと特別だったのを思い出してください。仮定法では「現在を表す⇒過去」「過去を表すとき⇒過去完了」を使います。仮に時制の一致をさせてしまうと、全て過去完了形にしてしまい、どの時制を表現しているのかが不明になってしまうためです。

He said that if he were wealthier, he would assist them with funds.
もっと裕福だったら彼らに資金を援助するのだがと彼は言った

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