仮定法過去って何?
「もし~だったら」を英語で表現できるのが仮定法!
仮定法過去は、現在の事実と反対のことを表現する文法で「もし~だったら…」と訳します。仮定法過去には2種類があり、次のフレーズを覚えて下さい。
その特徴は、両方とも動詞の過去形を使いますが、現在のことを表現するという点です。
仮定法過去の2パターン_
・I wish ~
・If+S+V(過去形)〜, S+助動詞の過去形+V(原形)~.
I wish ~ の用法
「I wish の用法は時制に合わせて覚えましょう」
この「I wish ~」は「可能性が低い」もしくは「不可能な願望」を表現しています。また時制によって大きく分けて3つの書き方がありますので以下のポイントを覚えて下さい。
I wish を用いた3つの時制_
[現在の話]I wish S V(過去形)~.
[未来の話]I wish S could / would V(原形)~.
[過去の話]I wish S had V(過去分詞)~. ※仮定法過去完了
I wish S V(過去形)〜.[現在の話]
「I wish S V(過去形)〜.」は「現在」の話をしており、訳は「(現在)SはVしたらなぁ」となります。
以下に2つの英文を紹介しますが、1点補足があります。
「I wish I were a bird.」の「were」についてです。本来であれば「was」が使われるところではありますが、基本的にこの場合の wish に続く be動詞はすべて were になります。
ただし、最近では「 I / he / she / it 」が来る場合、was を使う人も増えています。
この辺りは試験では学校で習った内容に準じておきましょう。口語としては、どちらでも正解です。
I wish I were a bird.
(現在)もし私が鳥だったらなぁ。
I wish I spoke English.
(現在)英語が話せたらなぁ。
I wish S could / would V(原形)~.[未来の話]
「I wish S could / would V(原形)~.」は、未来の話をするときに使われます。
訳は「SがVできたらいいのにね」「SがVしたらいいのにね」となり、助動詞には「could / would」のどちらかがよく使われます。
I wish he would stop smoking.
(将来)彼はタバコを止めてくれるといいのにね。
I wish I could speak English.
(将来)英語が話せたらいいのにね。
I wish S had V(過去分詞)~. [過去の話]
「I wish S had V(過去分詞)~.」は、過去の話をするときに使われます。
訳は「SがVだったらなぁ」となります。
こちらは仮定法過去完了ですが、一緒に説明した方が良いのでこちらで説明します。
I wish I had studied harder.
(過去に)もっと一生懸命勉強しておけばよかったな。
I wishes I had asked the questions then.
(過去に)その時、質問をしてたらよかったなぁ。
if の用法
「仮定法のifを使いこなすと英語がぐんと伸びる!」
「wish」を使った仮定法とは別の仮定法過去です。「wish」はとても簡単ですが、学生の多くがこの「if 」構文で英語の苦手意識が強くなってしまうので、しっかりマスターしてください。
If S1+V1(過去形)〜, S2+助動詞の過去形+V2(原形)~.
「wish」は「可能性が低い」もしくは「不可能な願望」だけを表現しますが、「If+S1+V1(過去形)〜, S2+助動詞の過去形+V2(原形)~.」では、実際に何をしたいのかまでを表現します。
If I had enough time, I would do more things.
もっと時間があれば、いろんなことができるのに。
If I had had enough money, I would have bought this bag.
もっとお金があればこのバッグを買えたんだけどな。
この形でよく使う助動詞は4つで、この4パターンさえ覚えれば、if を使った仮定法過去では得点が上がるでしょう。
助動詞 | 訳 |
---|---|
would | 〜だろうなぁ |
could | 〜できるのになぁ |
should | 〜するのになぁ |
might | 〜だろうなぁ、〜してもよいのに |
If I had a car, I could drive with you.
もし車があったら、君とドライブできるのになぁ
If I had one million yen, I should take a long holiday.
もし100万円持っていたら、長期休暇を取るのになぁ
If you had time, you might call on me.
時間があるのなら、私のところにきてもいいのに。
If+S1 could V1(原形)~,S2+助動詞の過去形+V2(原形)~.
これは助動詞の過去形が2つ使われる形です。時々 Could を Would に置き換えができるか質問を受けますが、答えはできません。Would はもともと推量を表現する助動詞で、If 自体が推量を表しているので、Would をあえて置く必要が無いからです。
If I could run fast, I would be a sprinter.
もし私が速く走れたら、スプリンターになるのになぁ。
If I could go back in time, I would give back to my parents.
過去に戻れるのであれば、親孝行するのになぁ
発展編:未来を表す仮定法
仮定法過去と混同するとややこしくなるので、ここでは多くは紹介しませんが、以下二つの英文法に関しては未来を表す仮定法になります。
未来を表す仮定法_
If S were to V(原形),~
If S should V(原形),~
If S1 were to V1(原形), S2+助動詞の過去形+V2(原形)〜.
「If S were to V(原形),~」は、未来の仮定の話をするための仮定法です。
要は、現実にあり得るかどうかは関係なく、もしこうだとしたらという話です。
具体的には、以下の例文を確認してください。
If an actress were to ask you out, what would you do?
もし女優にデートに誘われたら、どうする?
If you were to win the lottery, what would you do?
もし、あなたが宝くじにあたるようなことがあったら、あなたはどうしますか?
If S should V(原形), S2+助動詞の過去形+V2(原形)〜.
「If S should V(原形),~」は、「万一Sが~ならば」という訳になり、現実に起こる可能性が0ではないけど、極めて低い未来の可能性を表現しています。
If you should fail, you would try again.
万一あなたが失敗しても、あなたは再び挑戦するだろう。
If our daughter should need our help, she would call us.
万が一、私達の娘が私達の助けを必要とするようなことがあれば、彼女は私達に電話をくれるでしょう。
仮定法過去 ⇔ 直説法
「書き換え問題の対策に」
高校入試のレベルが上がれば上がるほど出題される確率が高い問題です。
仮定法過去を直接法に書き換える問題では、以下2点に注意しましょう。
仮定法過去 ⇔ 直説法の注意点_
・肯定は否定に、否定は肯定に変える
・直接法では、現在形を用いる
I wish ~ → I am sorry that … not ~
この「I am sorry that」は「~ですみません・ごめんなさい」ではなく、 「残念ながら~」や「~を残念に思う」 という意味になります。
注意点としては、直接法では時制をそのまま反映して、that 以下は現在形で書きましょう。
I wish you could speak English as well as you.
あなたと同じくらい上手に英語が話せたらいいのになあ
→ I’m sorry that I can’t speak English as well as you.
あなたと同じくらい上手に英語を話せなくて残念です。
If ~, … → Because ~ not ~, …
仮定法過去のifの文は、次のように直接法で表すことができます。
If I had one more car, I could lend it to you.
もし車をもう1つ持っていたら、あなたに貸せるのになぁ。
→ Because I don’t have one more car, I can’t lend one to you.
もう一つ車を持っていないので、あなたに貸せない。
仮定法に関するよくある質問&解答
「仮定法」の単元で不明点があればこちらから
PM English School では、Lineやメールなどで英語への回答を全て無料で行っています。以下にQ&A集と質問方法をリンクしていますので、仮定法に関してわからないところがあるかたはQ&A集を参考にしてください。また、不明点があったり、質問をしたい方はご連絡ください。