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No と Not の違い
「No と Not のニュアンスの違いを知ろう」
「No more / Not more / No less / Not less」の違いを説明する上で重要な No と Not の違いから解説していきます。
簡単に言うと No は感情がこもっていて、Not は客観的に「それは違う」と言っているニュアンスになり、感情がこもっているがゆえに No の方が若干強い否定になります。
Jiro is no fool.
ジロウは馬鹿じゃない
この場合の No は感情がこもっており fool 自体を完全に否定しています。
そのため fool の要素など全くなく、fool の逆の意味である「頭がいい」という意味まで入ってくるぐらいのニュアンスになります。
Jiro is not fool.
ジロウは馬鹿ではない
この英文は、そのまま「馬鹿ではない」という事を客観的に表現しています。つまり、馬鹿ではないけど頭がいいとか、愚かだとかそういう他のニュアンスは一切入っていません。あくまでも「馬鹿ではない」という事だけを客観的に表現していると考えて下さい。
No more than と No less than の違い
「No と more than, less than の関係性を知ろう」
More than は「~以上」という意味で、Less than は「~以下」という意味になります。
He has no more than three hundred yen.
彼は300円しかない
なぜこの訳になるのかと言うと、more ということは「300円より多い」ということになり、no の完全否定で「300円より多いなんてありえない!むしろ300円しかないんだよ」という意味になります。
He has no less than three hundred yen.
彼は300円もある
No less than の場合も同じように考えて、less ということは「300円より少ない」ということになり、no の完全否定で「300円より少ないなんてありえない!むしろ300円もあるんだよ」という意味になり、「~もある」という意味になります。
Not more than と Not less than の違い
「Not と more than, less than の関係性を知ろう」
Not more than は日本語で言うと「多くても~」という意味になります。
He has not more than three hundred yen.
彼は多くても300円持っている
この場合は客観的に more than を not で否定しているので「300円以上はない → 多くても300円は持っている」というニュアンスになります。
Not less than は日本語で言うと「少なくとも~」という意味になります。
He has not less than three hundred yen.
彼は少なくても300円持っている
この場合は客観的に less than を not で否定しているので「300円以下はない → 少なくても300円以上は持っている」というニュアンスになります。
ここまでをまとめると、No というのは全体をひっくり返す、ですので More than(~以上)という表現があったとします。ここに No が入ると「~以上」というその仕組み自体を変えるイメージになり、「~以上」自体を否定して「むしろ少ない」ということになります。
さらに Not というのは基準に則って否定しているイメージで、要は Not more than(~以上はないです → 多くても~)みたいな、More than の範囲に則って否定しているイメージになります。
No more A than B / No less A than B の理解
「クジラ構文をすんなり理解するために」
No more A than B / No less A than B はとく学校でクジラ構文として習います。
A whale is no more a fish than a horse is.
馬が魚でないのと同様に、クジラも魚ではない。
ネイティブに聞いたところ、日常会話で使う事もあるけど、使うとしても何かを強調したい時に使う事が多いということでした。
ですので、まずは自分からあえて使う必要はあまりないのですが、聞いてた時に理解できるようにしておきましょう。
No more A than B
まず No more A than B から解説します。
「No more A than B」は「Bでないのと同様にAではない」という意味で、Bに入るのは周知の事実が来ます。
ですので、例えば「Bというのは誰が見ても聞いても賢い生き物だ / 熱いものだ / 冷たいものだ」という固定概念がある前提で言われます。
つまりクジラ構文の例でいうと、「クジラが魚ではない」という事を強調するための比較材料がBの a horse is になるということです。
Jiro is no more a genius than a chicken is.
ニワトリが天才でないのと同じように、ジロウは天才ではない
No less A than B
次に No more A than B から解説します。
「No less A than B」は「Bであるのと同様にAである」という意味で、Bにはやはり周知の事実が来ます。
Jiro is no less a genius than Albert Einstein is.
アインシュタインが天才であるのと同様に、ジロウは天才だ
なぜこのような表現の時に less が使われるかと言うと、この英文には genius という尺度があり、その上部にアインシュタインがいるというのが前提で、less と言えば「下」になりますが、no によって「下ではなく上もしくは同レベル」というニュアンスになります。
- Shizu-treat 先生による執筆
- 現在貿易業務に携わりつつ、英語関連の執筆業務を行っている「Shizu-treat 先生」です。アジアや欧米の国々向けの産業用機器や原材料の輸出をメインに取り扱っている会社で英語を使用した実務を行っています。英語の資格としては、TOEIC 870点・英検準1級・貿易実務検定を取得し、留学経験はないものの、独学で300点代からスコアアップされた経験を活かした仕事をしています。また、現在も英語の勉強は趣味と豪語されており、TOEIC900点以上と英検1級取得を目標に、英会話のレベルアップにも励んでいます。
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