Wish と Hope には2つの違いがあります。
Wish は絶対に起こらない事を対象にし、話し手が絶対起こらないだろうとか起こりえないということに対して使われます。
Hope は起こりそうなことのように、可能性がちょっとはある事に対して使われます。
これらがネイティブのイメージで、ここまで聞くと簡単だなって思う方が多いのですが、どちらも使い方が微妙にややこしいのです。
Wish の使い方
「絶対に起こらないことを表現するため仮定法を用いる」
Wish の場合後ろに続く動詞は仮定法になります。
ここでは仮定法を詳しくは説明しませんが、簡単に言うと妄想のことで、絶対に起こらない事を「〇〇だったらいいのになぁ」って思う時に使う時制のことです。
そのため、絶対に起こりえないことを対象にする Wish と相性がいいのです。
I wish I were Jiro’s girlfriend.
私がジロウの彼女だったらなぁ
この英文は今この瞬間「ジロウの彼女だったらな」と表現しており、実際は彼女ではないことを表しています。
あくまでも今この瞬間のことを表しており、未来になれたらなというニュアンスではないのでその点に気をつけましょう。
尚後ろの時制が過去形でさらに、本来は was のところが were になっているのは仮定法のポイントです。
詳しくは<こちら>をご覧ください。
I wish Jiro liked me.
ジロウが私の事好きだったらいいのにな
また、過去に願ったみたいなこと、つまり願ったタイミングが過去を表現することもできます。
この場合は I wish ではなく I wished になります。
Jiro wished he’d never met Yuki.
ジロウはユキに出会わなければ良かったと願った
ポイントは wished が過去形になっているので、後ろの文はさらに後ろの時制である過去完了にします。
この Wish は別のすごく便利なシチュエーションでも使えて、断り文句にも使えます。
例えば友達に遊びに誘われて断りたい時とかによく使われます。
Let’s hang out this weekend.
今週末遊びに行こうよ
Oh, I wish I could but I can’t.
おぉ、一緒に行けたらいいんだけど行けないんだよ
もう少し丁寧に言いたい場合は以下のように言うといいでしょう。
I wish I could but I have to help my dad wash his car.
行けたらいいんだけど、お父さんの洗車の手伝いしないといけないんだよ
I wish I could で「行けたらなぁ」という意味で Wish を使っている時点で起こりえないことが前提にきているので断り文句になるのです。
そのため、相手を誘ってる時に相手か Wish と言葉を聞いた時点でネイティブは何となく察するような話の流れとなり、それぐらい一般的に使われています。
Hope の使い方
「従属節の現在・未来を理解しましょう」
Hope の後に続くのは基本的には現在形になり、起こりうる可能性を表現します。
さらに、未来形を使う場合もあり、仮定法は用いません。
昔は未来形が主流だったのですが、時代の流れにより言葉が変わって、現代では現在形をつかうのが主流となり現在形が万能だと覚えておくといいでしょう。
I hope Jiro’s happy.
ジロウには幸せでいて欲しいな
上述した通り、Hope は現在の事でも未来のことでも現在形で使えます。さらに、未来形を用いた場合はもちろん未来のことを表現したい時だけに使えます。
ただ、未来形を入れると実は若干のニュアンスの変化があり、Hope と一緒に Will を使うと丁寧なニュアンスになり、丁寧だからこそお願いのニュアンスも含むようになります。
さらに未来のことに関して、願ったり望んでいる時にしか使えません。
I hope you come to the party.
来週のパーティー来てくれたらいいな
I hope you’ll come to the party.
来週のパーティーできたら来てほしいな
これは否定形でも同じで Will を Will not にして表現できます。
I hope you don’t fall asleep in class.
授業中に居眠りしないでね
I hope you won’t fall asleep in class.
授業中にできたら居眠りしないでほしいな
Wish の仮定法以外の使い方
「ビジネスシーンのみで用いる」
Wish は仮定法とセットで覚えている方が多いですが、実はビジネスシーンにおいて仮定法と切り離して使う事ができます。
この場合 Wish は Want と同じ意味になり、「~がしたい」って意味に変わるのですが、すごく丁寧な響きに変わります。
I wish to talk to your boss.
あなたの上司と話させて頂きたい
このように Want と入れ替えるだけで使えます。
- 幼児~小学生を対象とする英語塾教師Kufufu先生による執筆
- 某超大手金融機関に5年務め、英語教育に転身された英語塾教師Kufufu先生による執筆です。英語の発音や和製英語、英語のオノマトペについて深い知識があり、卒業論文では「日本人の英語発音」について8000語ほどの英語で論文を執筆されました。
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