英語の敬語について考えよう

英語の敬語について考えよう

英語に敬語はあるのか?_

よく英語を語る時に敬語は無いという論調をよく聞きますが、日本語のように目上の人を敬う気持ちを込めて話をするとは確かにありません。ただし、丁寧な言い方とか畏まった言い方というのはあり、相手を敬うというよりも、自分をどう見せたいのかによって表現を変えていくというのが英語式です。つまり、賢く見られたいとか仕事とかで丁寧な人に見られたいなど、相手にどう思われたいかによって英語表現をコントロールします。
具体的な変化は日常会話で使う表現とは別の表現になるのが一般的です。

丁寧語以外を上司に使っても怒られない?

「一般的な上司部下の関係では丁寧語を用いなくてOK」

例えば資本金何千億のような大企業の社長さんに、平社員が丁寧語を使わずに話しかけると「ん?」となるかもしれませんが、一般的に普段接するレベルの上司とは、よくファーストネームで呼び合ったりするので、特に日常表現で話しても怒られることはあまりありません。

丁寧語以外を上司に使っても怒られない?

英語はどうしたら丁寧語にできる?

「直接的な言い方を避けて丁寧に言いまわそう」

英語を丁寧語にするにはとてもいい方法があり、ポイントは「直接的な言い方を避ける」、つまり遠回しに言うことによってニュアンスで伝えるということになります。
例えば、お店に行って水が欲しいというシチュエーションでは次のように言うと直接すぎるため、なんかこの人子供っぽいなって思われてしまいます。

I want water.
水が欲しい

英語はどうしたら丁寧語にできる?

しかし次のように遠回しの表現をすることによって相手に丁寧さが伝わります。

Could I have water?
水を頂けますか?(私は水をもらうことは可能ですか?)

また、ちょっと難しいのがネガティブが内容を丁寧に言う場合で、「嫌い → 好みが違う」のように意味はイコールの関係になるけど、表現自体を変えてオブラートに言う必要があります。

I don’t like your shirt.
私はあなたのシャツ嫌いだな

I think we may have different taste in fashion.
私たちはファッションの好みが違うかもしれないね

丁寧語で言い返したい時

「枕詞が丁寧語での返答のポイント」

例えばある話題で話をしているとしましょう。
その時に相手の主張を否定するような場面で、丁寧な言葉を使って返答をしたい場合はどう表現すると良いのかをご紹介します。
まずはダメな例を見ていきましょう。

I think you’re not correct.
あなたは間違ってると考えています。

丁寧語で言い返したい時

think がある事により、若干オブラートに包んでいると日本人は考えがちですが、ネイティブにとってはかなりストレートにダメだしされているなって捉えられてしまいます。think はあくまでも「単純に思っている、考えている」という意味ですので、you’re not correct のニュアンスが弱まることはありません。
そのため、「自分の今から言う事は1意見だと捉えて下さい」のような枕詞を添えると、あなたの事を全否定したいわけではないですよというのが伝わり、丁寧語として捉えてもらえます。

I could be wrong, but A might be better than B.
私が間違ってるかもしれないですが、Aの方がBよりもいいかもしれない

このように言うと、絶対自分が100%正しいと思って言ってるわけじゃなくて、ちゃんとお互いの意見があるんだよと言うことを理解した上で言ってくれてるんだなとなり、お互いの意見を尊重する海外では話が進みやすくなります。

丁寧語でお願いする時

「言われたら断りにくい I was wandering if ~」

何かしてほしい時に I want you to do. と言ってしまう方を時々目にしますが、この表現は場合によっては率直すぎて命令のように聞こえてしまうこともあります。
お願いを丁寧に言いたい場合、I was wandering if ~(~してくれないかなぁって思ってる)というフレーズで言い始めて見ましょう。

丁寧語でお願いする時

I was wandering if you could give me a massage?
マッサージしてくれないかなぁ~

主語を人間以外にする

「主語を変えて少し焦点をずらす」

ここまでは遠回しな表現によって丁寧な言葉にする方法を学んできましたが、もう一つ方法があります。
それが「主語を人間以外に変える」で、話している相手を主語にしないということです。

You must improve your speech to speak a little louder.
あなたはもう少し大きな声でスピーチできるように改良しなければならない

丁寧語でお願いする時

この表現は直接的過ぎかつ must を使って強制のようなイメージがありますので、よっぽどのことがないと使われません。
特に主語に You があるため「あなたは!」となってしまいます。
しかし、以下のように主語を You 以外にしてみると印相が変わります。

Your speech could be improved to speak a little louder.
あなたのスピーチはもう少し大きい声で話せるように改善したらよくなると思うよ

つまり、あなたに指摘しているんじゃなくて、少し焦点をずらすことにより優しく聞こえるというわけです。
ですので、相手の事を何か言う時に常に You にしている方は、主語を変える話術を身につけてみて下さい。

元高校英語教師のYumi先生
語学の勉強が大好きな元高校英語教師のYumi先生による執筆です。英検やTOEICだけでなく、DELEスペイン語検定C1など様々な語学試験を取得されています。現在は育児と仕事を両立するために、地元の個別指導塾の英語の先生をやられています。
元高校英語教師のYumi先生

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