「同じくらい」の文の基礎
「原級は元の文から考える癖をつけよう」
まずは「同じくらい」の表現の基礎から始めていきます。
今までの比較や最上級は、他と比べてどちらが優れているや勝っているを表してきましたが、as ~ as では2つのモノを比べて同じくらいや差が無いという事を表します。
比較級
比べてどちらが勝っているか(差がある)
最上級
比べて一番はどれか(差がある)
as ~ as(原級)
比べて同じくらい(差が無い)
では早速「彼は私と同じくらい背が高い」という文を考えていきましょう。
ここでのポイントは比較級や最上級の解説ページで何度も言って来たことと同じで「まずは元の文から考える」です。
ここでの元の文は以下のようになります。
He is tall
彼は背が高い
この文に「私と同じくらい」を付けると以下のようになります。
比べているものを as で挟みます。
He is as tall as me
彼は私と同じくらい背が高い
学校では比べているものを as で挟むと習ったかもしれません。
この覚え方は正確ではないと言われたりします。
確かに文法的には正しい教え方ではないのは確かなのですが、この単元の入りとしては非常に分かりやすいです。
ですのでこのページでもひとまずは as で挟むとして説明していきます。
補足_
ただこの理解のまま勉強を進めていくと、いずれ壁にあたるということも確かですので、このページで解説しているぐらいの基礎をいったんマスターしたら、徐々により正確な理解へと進んでください。
具体的には最初の as と後ろの as がどう違うかを理解することが大切で、実は前の as と後ろの as はかなり性質の異なるものなのです。
ですので、片方の as しか登場しないこともあるぐらいです。
詳しくは文法専門の参考書などをご覧ください。
では続いて「彼女はその女優と同じくらい美しい」を英作文してみましょう。
同様に元の文から作っていきます。
She is beautiful
彼女は美しい
この文に「その女優と同じくらい」という表現を付け足します。
尚、今回は「美しさ」を比べていますので、beautiful を as で挟みます。
She is as beautiful as the actress
彼女はその女優と同じくらい美しい
比較級や最上級の文の違い
前々回から解説している比較級や最上級では taller や the tallest のように単語が変化してきましたが、「同じくらい」と言いたい場合には as で挟むだけで tall は変化しません。
[~より](比較級)
He is taller than me
彼は私より背が高い
[一番~](最上級)
He is the tallest in the class
彼はこのクラスで一番背が高い
[~と同じくらい]
He is as tall as me
彼は私と同じくらい背が高い
また、beautiful のように長い単語の場合には次のように more, most を付ける事になります。
[~より](比較級)
She is more beautiful than Yuki
彼女はユキ私より美しい
[一番~](最上級)
She is the most beautiful in the class
彼女はクラスの中で一番美しい
[~と同じくらい]
She is as beautiful as the actress
彼女はその女優と同じくらい美しい
これら tall や beautiful のように何かを付けたり、変形したりしない元の形のまま、つまり原形のままなので「比較級」「最上級」についで「原級」という呼ばれ方もします。
では次に「彼は私と同じくらい上手にサッカーをする」について考えていきましょう。
今までと同じように元の文を完成させます。
He plays soccer well
彼は上手にサッカーをする
この文に「私と同じくらい」という表現を付け足します。
尚、今回は「上手に」を比べていますので、well を as で挟みます。
He plays soccer as well as me
彼は私と同じくらい上手にサッカーをする
間違えの多いパターン
次の文は間違えが非常に多いパターンです。
「彼は私と同じくらいたくさんの本を持っている」をパッと見て英作文をすると He has books as much as me としてしまう方も多いでしょうがこれは間違えです。
ですのでまた元の文から考えていきましょう。
He has many books
彼はたくさんの本を持っている
この文に「私と同じくらい」という表現を付け足します。
尚、今回は「本の量」を比べていますので、many を as で挟むと考えがちですが、many books の一塊を as で囲います。
He has as many books as me
彼は私と同じくらいたくさんの本を持っている
補足_
通常「たくさんの」と言いたい場合は、many よりも a lot of を使ったほうがいいですが、比較の文では many や much を使います。as, too, so などの後では many を使うことが多いという性質があります(実は a lot というのは名詞なので、副詞 as の後に来るのはおかしいという理解でいいと思います)。
比較の文では many や much を使う、と思っておくといいです。
発展表現① できるだけ~
「できるだけ~」と表現したい場合には as ~ as possible という形を用います。
これは比較的簡単で文の最後に as ~ as possible をくっつけるだけです。
では「できるだけすぐあなたに電話します」という文を作ってみましょう。
また元の文から考えていきます。
I will call you soon
あなたにすぐ電話します。
そして最後に「できるだけ」を付け足すのですが、「すぐ」にかかっていますので、soon を as で挟みます。
I will call you as soon as possible
できるだけすぐあなたに電話します
では次に「彼はできるだけ注意深くその書類を読んだ」を英作文してみましょう。
同じように元の文から考えます。
He reads the document carefully
彼はその書類を注意深く読んだ
そして最後に「できるだけ」を付け足すのですが、「注意深く」にかかっていますので、carefully を as で挟みます。
He reads the document as carefully as possible
彼はその書類をできるだけ注意深く読んだ
発展表現② Aほど~でない
では最後にもう一つ発展表現を紹介していきます。
「not as ~ as A」で「Aほど~でない」という文が作れます。
「ジロウは彼ほど金持ちではない」を英作文してみましょう。
同じように元の文から考えます。
Jiro is not rich
ジロウは金持ちではない
これに「彼ほど~でない」を付け足します。
Jiro is not as rich as him
ジロウは彼ほど金持ちではない
次にこの文の書き換えも考えて見ましょう。
「ジロウは彼ほど金持ちではない」ということは、「彼はジロウより金持ちだ」と同じ意味ですね。
He is richer than Jiro
彼はジロウより金持ちだ
中学でもこのように習ったはずですね。
- 英検1級取得のbird先生による執筆
- TOEIC®︎ Listening & Reading 公開テスト 990点、実用英語技能検定 1級、IELTS Overall Score 7.5 と英語に関して非常に造詣の深いbird先生による執筆記事です。現役の英会話講師でもあり、「TOEIC、IELTS、英会話」を専門に指導をされています。そのほかにも、海外旅行・旅(35ヶ国)、学部留学、海外インターンなどの経験もおありです。
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