人・物 動詞とは?
「第4文型と書き換え後の第3文型」
英語が主語動詞で始まるというのは英語学習の基礎なのですが、動詞の後ろの部分をどういう言葉で繋いでいくかというと「文の形は動詞が決める」と覚えておいてください。
ですので、主語 動詞 の後ろにどんな形の語句を置くのかは「動詞と合わせて考える」というのが非常に重要です。
今回は Give に代表される「与える」という意味を持つ動詞、その動詞の多くが少し特殊な文の作り方をするという点に考えましょう。
give, tell, send, show, buy のような動詞は基本的に与えるという意味を持っています。
give | 与える |
tell | 情報を与える |
send | 送って与える |
show | 見せて情報を与える |
buy | 買って与える |
そして、与えるという意味を持っているということは、与える相手と与えるモノが必要で、こういった動詞の後ろには「与える相手 + 与えるモノ」の順に言葉を繋いで「人にモノを与える/見せる/送る」のような使い方をします。
では1文紹介します。
I gave him a book
私は彼に本をあげた
この文は「主語+動詞」で始まり、gave という人・モノ 動詞が使われています。
そのため「gave him a book」のように動詞の後ろは人モノの順になっています。
今紹介したこの文ですが、少し特殊な文の形であるという事に気が付いてください。
言い換え表現
普通は動詞の後ろに一つしか来ず、次のような形になります。
I play baseball
私は野球をする
仮に「公園で」という語句を追加したいとすると、必ず in という前置詞が必要になります。
つまりつなぎ役が必要になります。
I play baseball in the park
私は公園で野球をする
このように名詞と名詞の間には何らかのつなぎ役となる言葉が入るのが普通です。
でも名詞が連続するパターンと言うのがいくつかあり、その1つが今回のような「人・モノ 動詞」が出てくるようなパターンで、この型の事を第4文型と呼びます。
ということは I gave him a book の「him(与える人)」「a book(与えるモノ)」を逆に置くと以下のように前置詞の to が必要になります。
I gave a book to him
私は彼に本をあげた
なぜこういう言い換えができるのかやなぜするのかはもう少し後で解説します。
これらのように動詞の後ろは適当に単語を繋いでいけばいいというわけではなく、繋いでいく順番や間に挟まる言葉が決まっていますのでこうした知識を取り入れていくことが重要です。
ではもう1文見ていきましょう。
cook も「作ってあげる」という人・モノ 動詞として使えますので以下のように表現できます。
She cooked me curry
彼女は私にカレーを作ってくれた
これを置き換えると次のようになります。
She cooked curry for me
彼女は私にカレーを作ってくれた
最初の書き換えでは to him のように to を使い、今回は for を使いました。
ではどういう時に「モノ to 人」の形をとり、どういう時に「モノ for 人」の形になるのかを解説していきます。
簡単な覚え方としては、buy, get, make, cook, find の時は「モノ for 人」の形になり、頭文字をとって b g m c find、つまり「ビックマックを見つけ出せ」と覚えるといいでしょう。
そして、to の場合には、give, tell, show, lend, send, teach, read, write などが代表格です。
言い換え表現とのニュアンスの違い
では言い換え表現の作り方は分かったけど、そもそも何でこんな言い換え表現があるの?どちらも全く同じ意味なの?と思った方も多いことでしょう。
実は細かい点やニュアンスが異なります。
詳しく話すと長くなってしまいますので、ここでは重要な考え方を一つだけ紹介します。
相手に一番印象付けたい事はできるだけ後ろの方に持って来るという英語独特の考え方があり、これは旧情報と新情報と言います。
要は、相手にとってまだ知らない情報・新しい情報は、できるだけ分の後ろの方に置いて強調し、反対に相手が既に知っている旧情報は文の前に置いて情報を受け入れやすくするという傾向があります。
例えば「ABC1丁目という交差点が東京にあります」という文と、「東京にはABC1丁目という交差点があります」という文があれば、ほとんどの方は2番目の文の方が分かりやすいと判断します。
このように相手が知っている情報から話し始めると、相手も理解しやすい文になります。
I gave him a book
私は彼に本をあげた
細かいことを言うようですが、この文のシチュエーションとしては、彼に何かあげたのは聞き手も知ってるのです。
でもあげたものが何なのかまでは知らないので、a book を最後に置いています。
こういうシチュエーションがあくまでも例ですが考えられます。
I gave a book to him
私は彼に本をあげた
一方こちらの文は、聞き手も私が本ををあげたというのは知ってるけど、誰にの部分を知らないので to him を最後に置いて強調しているようなシチュエーションが当てはまります。
もちろん第2言語として英語を学ぶ私たちがここまでこだわる必要性はそこまでありませんし、ほとんど同じ意味としてネイティブも理解してくれますので、神経質になる必要はありません。
あくまでも知識の1つとして覚えておくといいでしょう。
- 英検1級取得のbird先生による執筆
- TOEIC®︎ Listening & Reading 公開テスト 990点、実用英語技能検定 1級、IELTS Overall Score 7.5 と英語に関して非常に造詣の深いbird先生による執筆記事です。現役の英会話講師でもあり、「TOEIC、IELTS、英会話」を専門に指導をされています。そのほかにも、海外旅行・旅(35ヶ国)、学部留学、海外インターンなどの経験もおありです。
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