まず英検・TOEIC・TOEFLでは級やスコアに応じて、ヨーロッパ言語共通参照枠と言われるCEFR(Common European Framework of Reference for Languages)の国際的な言語力指標でレベルの比較がされます。
文部科学省では、CEFRの基準でケンブリッジ英語検定・実用英語技能検定・GTEC・IELTS・TEAP・TOEFL・TOEICのスコア換算を行っています。
CEFRは下から言語の基礎レベルとしてA1・A2、中級程度としてB1・B2、上級以上の熟達したレベルとしてC1・C2という6つのランクで分類をしています。
TOEICでも主催者の一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会によりスコアごとのCEFRの基準が明記されています。
それらに基づくと、英検・TOEIC Listening & Reading Test・TOEFL iBTのスコアで以下のようにレベルの比較をすることができます。
CEFR | 英検 | TOEIC (L&R) | TOEFL iBT |
---|---|---|---|
C2 | |||
C1 | 1級 | 945点~ | 95~120点 |
B2 | 準1級~1級 | 785点~ | 72~94点 |
B1 | 2級~準1級 | 550点~ | 42~71点 |
A2 | 準2級から2級 | 245点~ | |
A1 | 3級~準2級 | 120点~ |
各スコアでのレベル
各スコアはどの英語レベルに到達している必要があるのかを知ろう!
試験の内容や対象となるスコア幅はありますが、概ね前述の換算表に基づいて自分の現段階のレベル、他の試験を受けるときの目安となるレベルを知ることができます。
CEFR:B1
CEFRの基準によると、B1以上のランクは「自立した言語使用者」と定義され、一定のレベルに達していると言えます。
日常生活で使用する範囲においてはおおむね意思疎通が可能なレベルと言えます。
以下は、CEFR:B1と「英検・TOEIC・TOEFL」との比較表です。
英検
2級以上
TOEIC
550点~785点未満
TOEFL
42~71点
ここでは英語の基礎的な力がつき、身近な範囲の話題に関して表現することができるようになります。
各資格の基準となる点数のレベルから考慮すると、就職で企業から評価される基準位の英語力であるとされます。
例えば日本の企業で仕事をする上で使用する英語の最低レベルと見ることができますが、海外に出て活躍するレベルには達していないと見込まれます。
まず英語はあまり得意でないと思っていたり、資格に対して初学者からスタートする場合は、各資格このレベルのスコアを取得を目指していくと良いでしょう。
CEFR:B2
B2のレベルに上がると、より流暢に意思疎通を図れ、広範な話題でコミュニケーションが取れるレベルと言われます。
以下は、CEFR:B2と「英検・TOEIC・TOEFL」との比較表です。
英検
準1級以上
TOEIC
TOEIC 785点以上
TOEFL
72点~94点
英語力においては、中上級レベルと言われています。
中級よりも一歩ランクの上がり、このレベルから英語で仕事をする上でもアドバンテージがあるという領域になります。
TOEICでは800点以上のレベルへ入ると企業の昇進でも大いに評価されることが多く、TOEFLでは80点以上のレベルで現地の上位大学の語学基準をクリアできるケースが増えていきます。
CEFR:C1
このレベルに達すると、英語でほぼ不自由なくコミュニケーションを取ることができる上級レベルと定義がされます。
以下は、CEFR:C1と「英検・TOEIC・TOEFL」との比較表です。
英検
英検1級 確実に合格
TOEIC
TOEIC 945点以上
TOEFL
95点~
海外で社会生活を営む上でも支障ないと見なされます。日系企業だけではなく外資系企業での活躍も問題なく、TOEFLでは海外の有名大学・上位校への出願も視野に入れることができます。
各試験の出題形式
英検・TOEIC・TOEFLの出題形式を把握しましょう!
各資格でスコア換算し、CEFRの基準でレベル分けをしましたが、必ずしも上記のレベル分けと一致するわけではありません。
なぜなら、英検とTOEICとTOEFLでは出題形式が異なり、出題範囲にも差があるためです。
英検の出題形式
まず英検は日本発祥で実用的な英語のコミュニケーションを測ることを趣旨として実施されています。
英検では、英語の読む・聞く・書く・話す技能の4技能がテストされています。
文部科学省が後援し、受験での活用例が最も多く英語教員の資格として推奨されていることから、日本で最も公的な英語の資格という印象を持たれることが多いです。
出題分野は日常生活・学術分野・ビジネスなど幅広く、長文も社会生活に即した語彙力や読解力が求められます。
級ごとに、例えば3級であれば中学卒業レベル・2級であれば高校卒業レベル・準1級であれば大学中級レベルなど学年ごとにレベルの目安が定義されています。
日本の英語教育のステップに即した級や問題の設定で、順にステップアップすることが向いている資格と言えます。
最高峰のレベルの1級を持っていれば日本でプロとして英語を使用するレベルで評価されるくらい、国内で特に強い英語の資格です。
TOEICの出題形式
TOEICはいくつか試験の種類がありますが、一般的にスコアが比較されたり評価されるのは、TOEIC Listening & Reading Testです。
ここでは、英語を読む・聞く能力のみがテストされます。
さらに、リーディングではEメールの文や広告からの出題であったり、出題範囲はビジネスと日常生活に特化されています。
時事的な内容や、社会的な問題、環境問題・歴史などの学術分野は出題されません。
英検よりは短い時間で文章を読むことも求められるため、より実用面を重視している傾向があります。
話す・書く能力はテストされないため、英語で発信することに自信がなくてもインプットのみ鍛えれば高得点を取得することが可能です。
企業では抜群に評価される傾向にあるため、TOEICで高得点を取得していても英語をあまり話せないといった例も珍しくありません。
TOEFLの出題形式
TOEFLは海外の大学や大学院へ留学する際のコミュニケーションとして活用されることが多いため、アカデミックな分野や学校生活に関連した出題の形式であることが特徴です。
さらに、読む・聞く・書く・話す4つの技能がテストされます。海外発祥のテストであるため、より海外の実用的な英語に近い内容で、求められるアウトプットのレベルも高くなっています。
英検以上に長い分量の英文で社会問題に対して意見を書くことが求められたり、文章を読んだり聞いた上で要約・さらにそれを伝える応用力も見られます。
日本では英検とTOEFLに比べ知名度は下がりますが、一番海外で通用する資格と見なされます。
英検・TOEIC・TOEFLの難易度比較
それぞれの試験の比較と特徴を知りましょう!
3つの試験が出題形式や求められる力に違いが見られることを紹介しましたが、おのずと難易度の差があることが分かると思います。
語彙数の比較
どの試験でもどのくらいの英単語を知っていて使いこなすことができるか、語彙力が重要なポイントかつレベルの指標と見なされることもあります。
英検では高校卒業レベルの2級で必要とされる語彙数は約5,000語です。
準1級では約7,500語、1級レベルは最低10,000語と言われています。
TOEICでは中級レベルを取得するためには3,000語程度の上積みでも足りると言われることがあります。
TOEICでは初級レベルの単語も頻出されているためです。
しかし900点以上の高得点を目指すためには10,000語以上の語彙力レベルが目安とも言われ、おおよそ英検1級の語彙数に相当します。
TOEFLは一定以上のスコアを目指すためにはTOEFL用の語彙対策も必要となり、8,000語以上は総合的に必要だと言われます。
上級レベルのTOEFL iBT 100点以上を目指すためには、英検1級以上に相当する10,000語以上が目安とされます。
単語の難易度から言うとTOEICが最も低いとされますが、どの英語の資格でも上級のランクに達するためには長文読解やリスニングなどでも内容を理解し正答率をより上げるために、共通して高い語彙力が必要とされます。
どの試験が難しい?
総合的な力では、TOEFLがその求められる能力から、難易度が高いと推定されます。
最もスコアを取りやすいとされるのが、テストされる技能や出題範囲が限定される、TOEICだと言えます。
英検・TOEIC・TOEFLの各試験のスコア換算表があっても、単に難易度が正確に比較できるわけではありません。
例えば同じランクに属している英検準1級レベルとTOEIC550点以上に該当する700点でも、両者は試験の出題内容が異なり、TOEIC700点を持っている人が英検準1級に合格ができるとは限りません。
英検1級を持っていても、TOEFLでは思うように高得点が取れない人もいるのです。各試験の傾向に合わせた対策が必要となります。
英検・TOEIC・TOEFL 対策はYouTubeで!
PM English School が行っている取り組みです。
PM English School では、英検5級~1級、TOEIC、TOEFLの対策として様々な動画をYouTubeで配信しています。例えば、英単語の暗記用動画や、リスニング動画、シャドーイングにも使える動画、チェックテスト用動画などです。
以下リンク先にそれぞれありますので、ぜひ活用して試験を乗越えて下さい。
まとめ
自分の目標にあった試験を選択して受験を!
英検・TOEIC・TOEFLの試験は、メリットや活用できる範囲も異なってきます。目的別で言うと、特に受験や就職対策、英語の力試しをしたいのであれば英検・就職や転職、昇進に必要であればTOEIC・海外の機関で活躍をしたい、留学をしたいのであればTOEFLのスコア取得を目指すのが良いと言えます。
この目的や自分の現状の英語力、英語のどのような力を伸ばしていきたいかによって目指す試験を選んでいくと良いでしょう。
- る~ちゃんはUSAGI先生による執筆
- 現在23歳で完全在宅ワークで英語のライティング・翻訳のお仕事をされている方です。経歴は、2015~2017年に、某外国語2年制専門学校の通訳翻訳コースに通い、約10か月の試験勉強でTOEIC450から900まで達成されています。またイギリスへの留学し、某大手ホテルチェーンで約2年ほど勤めて、一転してオーストラリアへのワーホリに行くが結局コロナで即帰国を余儀なくされた海外大好きっ子です。
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