英語力をUPするの総合学習

to不定詞の名詞的用法と動名詞を簡単に復習しながら共通点を考えていきましょう。
以前に＜このページ＞でto不定詞の名詞的用法について解説しました。
そこでは次のようなことをポイントとして押さえました。

一方、＜このページ＞で動名詞について解説しまし、以下のようなことをポイントとして押さえました。

こうやってto不定詞の名詞的用法と動名詞のポイントを並べると、多くの共通点があることが分かります。
両者ともに、名詞の働きをし、「～すること」と訳すと習いました。
では名詞の働きをするというのはどういう事だったかを少し思い出してみましょう。

I like cats
私はネコが好きだ
（cats は名詞）

I like to play tennis
私はテニスをすることが好きだ
（to play tennis はto不定詞の名詞的用法）

I like playing tennis
私はテニスをすることが好きだ
（playing tennis は動名詞として名詞の働き）

このように動詞に to や ing をつけることにより本来名詞しか来れない場所に名詞として動詞を働けるように形を変えさせて不定詞や動名詞を置くことができます。
そして今回のように動詞の後ろに「～すること」、つまり不定詞や動名詞を置きたい事って結構あるのです。

I want to play tennis
私はテニスをしたい
（私はテニスすることを望んでる）

I enjoyed playing tennis
私はテニスを楽しんだ
（私はテニスをすることを楽しんだ）

両方共「～すること」と訳すのだしどっちを使ってもいいの？という疑問が出てきます。
確かに like の後ろにはto不定詞でも動名詞でもどちらを置いても良いですし、意味もあまり変わりません。
しかし動詞によっては相性の良し悪しがあります。

一緒に使う動詞が違う
例えば以下英文をご覧ください。

I want to study English
私は英語を勉強したい

I hope to see you soon
またすぐお会いできることを願っています

I decided to study English
英語を勉強することに決めた

このように want, hope, decide はto不定詞と相性が良いのです。
一方、以下英文をご覧ください。

He enjoyed playing tennis
彼はテニスをすることを楽しんだ

He stopped driving
彼は運転するのをやめた

I finished doing my homework
私は宿題をし終えた

ここにあるような enjoy, stop, finish は ing との相性がいい動詞です。
これらを見ていくと法則が見えてくると思います。
以下のように to 不定詞と相性がいい動詞は全て「これからすること」のように未来に向かってというニュアンスが含まれることが多いのです。

want to ~	～したい
hope to ~	～することを願う
decide to ~	～することに決める

to という英単語には「go to Tokyo」のように「～に向かっていく」というニュアンスが含まれ、矢印のイメージを持っておくと良いでしょう。
不定詞として使われている場合でも同じイメージが保たれていて、「気持ちが向かっている」のです。
つまり不定詞はこれからすること、未来のことに気持ちが向いているという傾向があります。
一方、動名詞も見ていきましょう。

finish -ing	～し終える
stop -ing	～するのをやめる
enjoy -ing	～するのを楽しむ

これらの共通点は「すでにしている事」に対してで、動名詞は今行っている事や過去行っていたことに対してというニュアンスが含まれることが多いのです。
こうしたイメージの違いから相性の良い動詞というのが決まってきます。
ただし、ここで説明した内容はそういう傾向が強いというだけであって、あらゆる場合にこれが当てはまるかというと、これがあまり当てはまらない場合もありますので、その点だけは注意してください。
というわけで、不定詞と動名詞はかなりイメージが異なり、一緒に使う動詞も違ってくるという内容でした。

続いて、不定詞は未来のイメージ、動名詞は過去のイメージというポイントが強く反映されているパターンについてみていきます。
これから紹介する動詞は不定詞も動名詞もどちらとも一緒に使うことができるのですが、不定詞と動名詞のそれぞれのイメージに応じて意味が大きく変わります。
それは remember, try のような単語です。

I remember turning off the stove
私はコンロを消したことを覚えている

Remember to turn off the stove
コンロを消すことを覚えといてね

このように「remember -ing（～したことを覚えている）」「remember to ~（忘れずに～する）」と意味が変わり、動名詞とto不定詞を remember と一緒に使うとそれぞれ過去と未来というイメージがはっきり表れるパターンとなっています。

では try についても見ていきましょう。

He tried to open the door
彼はドアを開けようと試みた

この場合、彼はドアを開けようとして本当に開いたのでしょうか？
to により意思は未来を向いて開けようとトライしたんですが、実際に開いたのかどうかは分からないのです。
もし開かなかった場合は以下のようになります。

He tried to open the door but he couldn’t
彼はドアを開けようと試みたけど開かなかった

次に動名詞を使った場合も見ていきましょう。

He tried opening the door
彼はt試しにドアを開けてみた

最初の説明では、動名詞も不定詞も名詞の働きができるということでしたね。
という事は、名詞を置ける位置に動名詞や不定詞を置けるということです。
ただこの点においても1つだけ違いが出てきます。

I like Jiro
The boy is Jiro
Jiro is handsome
I play soccer with Jiro

これらの文には全て Jiro という名詞があり、名詞の位置に注目してください。
最後の文のように前置詞の後ろにも名詞を置けるのです。
つまり名詞化した動詞である動名詞や不定詞も前置詞の後ろに置けるのは文法的には正しいのですが、不定詞に関しては「with to 動詞」のように前置詞が2つ続くように聞こえて、違和感が出てしまうので不定詞を置くことはできないのです。
つまり前置詞の後ろに置けるのは動名詞だけとなります。

He is good at playing tennis
彼はテニスをすることが得意だ
（He is good at to play tennis → ×）