英文法:名詞[Noun]に関する Q&A
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英文法:名詞[Noun]に関する Q&A

名詞[Noun]とは?_

英語の名詞[noun]とは「人・モノ・コト」を表す品詞の事を言い、「people(人々)」「pen(ペン)」「tennis(テニス)」などがそれにあたり、人の名前なども名詞です。また、名詞は文の要素としては「主語、目的語、補語」として使用され、大きく分けて可算名詞と不可算名詞の2つに分かれます。名詞の勉強で重要なのが名詞そのものの単語の暗記と可算名詞と不可算名詞の区別となります。
ここでは、そんな名詞を勉強していく中でよくある質問をまとめました。名詞の勉強の際にお役立てください。

Q&A

英作文を行う中で一番気を付けたらいい点を教えて下さい。要は減点対象となりやすい間違えとかです。

英作文の添削をするときに圧倒的に多い間違えが、「可算名詞を無冠詞」で書くことです。英語における「名詞」の基本は、英文法上「可算名詞:数えられる名詞」と「不可算名詞:数えられない名詞」に分けられます。
まず、不可算名詞のルールについて以下4点を覚えて下さい。

1.不定冠詞「a, an」をつけない
2.複数形にならない
3.数詞「one, two, ~」をつけない
4.many, few は使わず、量を表す much, little を使う

次に、可算名詞、不可算名詞の取り扱いに関して、以下の5点は覚えて下さい。

1.定冠詞 the は可算名詞、不可算名詞の両方に使える
2.a lot of は可算名詞、不可算名詞の両方に使える
3.work(可算:仕事 / 不可算:作品)のように同じ語でも、可算名詞や不可算名詞で使えることがある
4.breakfast → a late breakfast のように、形容詞の説明により不可算名詞が具体化すると「a, an」がつけられる語がある
5.不可算名詞の代名詞に one は使えない

これらを感覚で覚えている生徒が非常に多く、感覚で答えるがためにケアレスミスが多くなってしまうのです。重要なのは、可算名詞や不可算名詞の区別は、文法的なルールとして決まっているので、このルールを徹底的に守ることが重要です。例えば、上記で説明した breakfast は不可算名詞です。数えられるよね?という方も中にはいますが、実際に数えられるかは関係ありませんし、ある単語が可算名詞だとしても、その類義語が不可算名詞だということにもなりません。ひとつひとつ丁寧に覚えていき、その例外を演習問題などで把握していくのが大切です。
とは言え、可算名詞、不可算名詞の区別はどう勉強したらいいのか分からない方も多くいるので、以下3点に注目して勉強していくといいでしょう。

1.不可算名詞を暗記する
2.文法書から、不可算名詞の大まかなルールを理解する
3.上記に当てはまらない単語はその都度暗記する

①に関して、日本語から考えると可算名詞のように見えるけど、実際は不可算名詞という名詞は要注意で優先して覚えるようにしてください。例えば以下のような名詞はその代表例です。

evidence(証拠) advice(助言) fun(楽しみ)
behavior(行動) baggage(荷物) news(ニュース)
homework(宿題) weather(天気)paper(紙)
progress(進歩) work(仕事) furniture(家具)
equipment(機器) furniture(家具)

②に関して、ほとんどの文法書には不可算名詞について次のような特徴を挙げています。以下のようなルールを知っているだけで、可算名詞か不可算名詞か迷った時の手掛かりとなりますので、必ず覚えるようにしてください。

液体状のモノ「milk, water」 粉状のモノ「sugar, salt」 気体「air, oxygen」
物質名「glass, cloth」 抽象概念「love, courage」 固有名詞「Japan, Tokyo」

③に関して、都度覚えるしかないような不可算名詞です。よく間違える不可算名詞を以下で紹介します。

software(ソフトウェア) corn(とうもろこし)
poetry(詩歌) jewelry(宝石類) scenery(景色)

ここまでが、可算名詞と不可算名詞のそれぞれの特徴です。ここまで覚えたら上記の間違えが少なくなるかと言うとそうではありません。実は、最後に隠されたよく間違えてしまう箇所があるのです。それは、冠詞と可算名詞の単数形の間に形容詞がある時に、冠詞を忘れてしまうということです。
例えば、pen を例に挙げると、単数形で表現するには以下のパターンがあります。

1.冠詞をつける:a pen, the pen
2.所有格をつける:my pen, Tom’s pen
3.指示形容詞をつける:this pen, that pen
4.その他、次のような語をつける:any pen, some pen, each pen, every pen, either pen

つまり、上記以外に使える形はなく、冠詞と pen の間に形容詞が入ったとしても冠詞は忘れてはいけません。この点は非常に多いケアレスミスとなりますので、間違えないようにしましょう。

× I was employee of ABC Corp.
○ I was an employee of ABC Corp.
私はABC社の社員でした

可算名詞は必ず可算名詞としか使わないのでしょうか?
たまに、可算名詞でも a, an が使われていないケースを見ます。

可算名詞でも a, an のような不定冠詞のつかないシチュエーションがあります。あくまでもどんなシチュエーションを表現したいのかで変わるところに気を付けて下さい。例えば、

I have an egg every morning.
毎朝、卵をひとつ食べます

an egg で「ひとつの卵」とイメージできます。では、次の英文はどうでしょうか?

You have an egg on your chin.
あごに卵(1つ丸々)がついているよ

卵に鶏の卵が付いているイメージになってしまい、すごく変なイメージです。しかし、不定冠詞(a, an)をとると、

You have egg on your chin.
あごに卵がついているよ

この英文だと、食べこぼしかどうかわからないですが、そのような卵がついているイメージです。つまり、不定冠詞を付けないことによって名詞が明確な、もしくは本来の形を持たないことを表現しています。(※ すべての名詞に適応はできませんので要注意)
では、次の例文も見比べてみましょう。

Would you get me a ketchup while you are up?
立ったついでに、ケチャップを取ってきてくれる?

You don’t like tomatoes and love ketchup.
トマトは苦手なのに、ケチャップは大好きなんだね

上の文章はケチャップ1本というのを明確にイメージでき、下の文章は分類としてのケチャップとなります。
このように、伝える際のシチュエーションをどう表現するかは、a, an の有る無しで大きく変わってくることもあるのです。

鶏も鶏肉も chicken と言い表せれると思いますが、何か使い分け方とかありますか?

鶏は可算名詞で、チキンは不可算名詞となります。
ですので、
– a chicken / chickens → 鶏
– chicken → チキン
となります。これは羊と羊肉でも同じことが言えて、
– a lamb / lambs → 羊
– lamb → 羊肉
となります。

以下の画像を参考にしながら、可算名詞と不可算名詞は場合によっては日本人の考え方と異なる場合があってややこしいですが、基本的には「均一性があって切っても性質が変わらないもの」は不可算名詞になります。
例えば、一塊の鶏肉を二つに切っても二塊の鶏肉になるけど、一羽のニワトリを二つに切っちゃうと二羽のニワトリにはなりません。

可算名詞
切ると別物になってしまう
イメージイメージ不加算名詞
切っても性質が変わらない
an applean appleappleapple
a fisha-fishfishfish
a chickena-chickenchickenchicken
a cowa-cowbeefbeef
a piga-pigporkpork

I have chickens.
私は鶏を飼っています

I had chicken.
私はチキンを食べました

He has a knowledge of English. を「彼は英語の知識をひとつ持っています」と書いたら不正解でした。何がダメなの?

まず、knowledge は「抽象名詞」と言い、不可算名詞になります。
抽象名詞とは、knowledge(知識), information(情報), love(愛情), influenza(インフルエンザ),chemistry(化学)など、具体的な形を持たない概念や考え方を表す名詞です。

では、ご質問の英文の knowledge に a が付いているじゃないかと思われるかもしれませんが、この場合は「一つ」という意味ではなく、「ある程度の」というニュアンスで a を付けています。

He has a knowledge of English.
彼は英語の知識をある程度もっています。
(= 彼は英語の心得があります)

このように訳すのが正しい形です。但し、このようなケースで全て「ある程度の」と訳せるわけではないので注意してください。別の例を以下で紹介します。

He did me a kindness.
彼はいろいろと親切にしてくれた。

これらのように抽象名詞は不可算名詞だと言われますが、冠詞を伴い細かい表現ができるようになります。

1) Chicken tacos sound great.
2) Chicken tacos sounds great.
上の例文で、Chicken tacos は単数なので(2) が正しいと思ったのですが、(1)が正しいらしいです。なぜですか?

タコスは、
∟ 単数形 : taco
∟ 複数形 : tacos
になります。 つまり、

Chicken tacos sound great.
チキンタコスは美味しそうですね。

が正しい形になります。 単数形の場合は、以下のようになります。

That shrimp Taco sounds great.
その海老タコス美味しそうですね

タコスに関連して、世界でもっとも有名なタコスのフランチャイズチェーンに「Taco Bell」という会社があります。 これは、グレン・ベルと言う人が作った「Taco(タコス)」のお店。つまり「Taco Bell」という名前なのです。 確か最近日本でもチェーン展開しているので、HPを見てみるといいですよ♪

名詞の頭文字が大文字の場合がありますが、なにかルールがあるのでしょうか?

固有名詞は必ず頭文字を大文字で表すと覚えましょう。
具体的には人名、地名、オリンピックなど固有のイベントも同様です。
そのほか、社長や副社長などの肩書や月、曜日などでも頭文字に大文字を用い、I(私)は文中のどこに出てきても大文字で書きます。

肩書や呼称Chairman(会長)
President(大統領・社長)
Vice President(副大統領・部長)
曜日Monday(月曜日)
Tuesday(火曜日)
Wednesday(水曜日)
団体名Federal Reserve Board(FRB)
Department of Transport(環境省)
地名New York City(ニューヨーク市)
Kansas City(カンザス市)
歴史上の出来事World War II(第二次世界大戦)
天体Mars(火星)
Saturn(土星)
※太陽と月は対応外

よく可算名詞と不可算名詞で迷います。何か良い覚え方はありませんか?

一つの覚え方として有効なのは、対象の名詞をばらばらにして元のモノのままかどうかで判断できます。

可算名詞の場合:元のモノではなくなる
例えば、ノートパソコンをばらばらにすると、ノートパソコンではなくなり、それぞれ部品になってしまいます。

不可算名詞の場合:元のモノのまま
大きな氷をばらばらにしても、氷は氷のままです。

可算名詞と不可算名詞の違いを見分ける考え方を教えて下さい。

可算名詞と不可算名詞の区別は、いろんな考え方がありますが、次の3つを頭に入れると理解しやすくなります。
1. 「輪郭がクッキリしているものは加算、ぼんやりしているものは不可算」
2. 「それ以上崩してもそれと呼べるのは加算、それと呼べなくなるのは不可算」
3. 「形として捉えるものは加算、材質 性質として捉えるものは不可算」

例えば、 pizza, bread, pastaなどは不可算名詞です。
ちぎっても切っても、 ピザ・パン・パスタのままですよね。
パン粉からできた材質 性質として捉えているとも言えます。

一方、sandwich, hamburger は可算名詞です。
「パンに何かが挟まっているモノ」と輪郭がクッキリしているからです。
形として捉えているとも言えます。

ちなみに、カレーは curry、 カレーライスは curry and rice と言います。
両方とも不可算名詞です。
curry は形がはっきりしていないので不可算名詞になります。
water とかの液体もそうですよね。
rice は日本語でも「お米○粒食べた」と言わないように、一々数えません。
そのため curry and riceも不可算名詞ということです。

以上、可算不可算は理解が難しく、頭では納得できないことが多いと思います。
ただし「ネイティブは根本的にこんな気持ちで使っている」ということがわかると、だんだん感覚的に理 解できるようになってきます。
また、ネイティブ自身も慣例的に使っており、深く考えずに 「だってそうだから」という感じで使っているものも結構あるようです。
コアとなる考え方だけしっかり押さえておいて、後はその都度自分で理由付けして納得していくのが良いと思います。

副詞のように働く名詞があると聞いたのですが、名詞は名詞なのではないですか?

名詞の副詞的用法のことを指しているのだと思います。
難しく言っていますが、みなさんが通常よく使っているので身近な英語の表現です。
例えば、four weeks(4週間)のように明らかに名詞なのに次のような英文では副詞的な働きをしています。

She came here last Monday.
彼女は先週の月曜日にここに来ました

I stayed four weeks.
4週間滞在しました

※ 上記英文は I stayed for four weeks. カジュアルにした口語表現です。”for four week “はフォーマルで文法的に正しい表現になります。ただしその差は無視できるほど小さいと言えます。

このように「時間・距離・数量・様態」を表す一部の名詞は副詞のような働いをします。
その他に in the river(川で)のように、前置詞がつくことによって作られる語句は、文中で形容詞または副詞の働きをします。

Don’t swim in the river.
その川で泳ぐな

「私と友達」って言いたい場合は me and my friend でいいですか?

「私と友達」が目的語の場合は、自分以外を前に持ってきて「my friend and me」にして下さい。

The teacher wants my friend and me to give the new student a tour of the school.
先生が、私と友人で新入生に校内を案内してほしいと言うのです。

また、「私と友達」が主語の場合も、自分以外を前に持ってきますが、「My friend and I」になります。

My friend and I want to give the new student a tour of the school.
友人と二人で、新入生に学校を案内してあげたい。

病名の英単語の頭文字は大文字であってる?

一般的には小文字が正解です。
・cancer (癌)
・diabetes (糖尿病)
・heart disease (心臓病)

ですが、アルツハイマーやエボラのように、発見者の名前や地域名がつく場合は、固有名詞となりますので頭文字は大文字にします。
・Alzheimer’s disease(アルツハイマー / 医者の名前)
・Ebola (エボラ / エボラ川)

「a. an」を付け忘れるとネイティブはどう感じるの?

I bought book. のように a book にし忘れた場合ですが、ネイティブは不自然だなとは思いますが、意味は通じます。
一般的に a は「1個」という意味でその数を表します。
でも Book って複数形にしていないから、多分1個かな?って想像してくれるでしょう。
ただ、初歩的なミスなのでビジネスやフォーマルな場面では信頼を損ないかねないので気を付けた方がいいです。
また、以下のように聞き返される場合もあるので、スマートに会話をしたいのならやはり間違えないほうがいいでしょう。

I want cookie.
クッキー下さい

Just one cookie? How many?
一個だけ? いくつ?

FDA のように固有名詞の頭文字に接続詞が入っていない名称もあれば、SCOTUS のように前置詞が入っているような名詞もありますが、これは何かルールがあるのですか?

特にルールはないです。
アメリカ政府指定の頭文字でも、前置詞や接続詞、冠詞を含んでいるものもあれば、含んでいないものもあります。
呼びやすさや他の言葉と混同されにくいゴロを選んでいるのだと思われます。

略称正式名称意味
FDAFood and Drug Administration食品医薬品局
FOIAFreedom of Information Act情報公開法
DOIDepartment of the Interior内務省
SCOTUSSupreme Court of the U.S.アメリカ合衆国最高裁判所

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