May と Can は何が違うの?

May と Can は何が違うの?

May と Can の使い分けをマスターしよう_

このページではよく質問としていただく May と Can の違いについて解説していきます。まずはそれぞれが持つネイティブイメージを解説した後に、それぞれが実際にどのように使われているのかを3つに分けて解説していきます。

May に対してネイティブが持っているイメージは「上下関係」です。これを基にして主に2つの使われ方があります。
1つ目は「許可」になり、「上下関係」と何の関係があるのかというと、例えば私が「許可」をお願いする立場だったら私が下で、上の人が上司みたいな層に向かって「許可」をお願いしているようなニュアンスになります。
2つ目は「推量」になり、日本語訳としては「~するかもしれない」になるのですが、例えば上の人がすべてを知る神様のような存在で、これってもう神様しか知らないよ、誰にも分からないよと投げかけているニュアンスです。

 May に対するネイティブイメージ

It may rain.
雨が降るだろう

この例文のニュアンスをもっと細かく見ていくと、雨が降るか降らないかは神のみぞ知るみたいなニュアンスになります。つまり「もう神様しか知らないですよね?」と投げかけている感じになります。そこから、雨が降るかどうかわからない、50:50のように解釈されています。

Can に対するネイティブイメージ

「可能性を表す Can」

Can に対してネイティブが持っているイメージは「可能性」で、もう少し細かく説明すると「根拠」や「事実」などに基づく「可能性」となります。これを基にして主に3つの使われ方があります。
1つ目は単純に「可能性」となり、日本語訳としては「~する可能性がある」となります。
これは、何かの根拠や事実が基となり「起こる可能性がある」という事です。

Can に対するネイティブイメージ

It can happen.
起こる可能性があるよ

2つ目は「能力」になり、日本語訳としては「~できる」になるのですが、これも簡単に言うと可能性で、何か根拠があって何かできる可能性があるという使い方になります。

I can speak English.
私は英語を話すことができる

この例文を説明すると、元々英語を勉強していたのか、英語圏で育ったかは分からないですが、英語に触れてきたという根拠から可能性へとつながり、さらに自信をもって能力があると言えるのです。
3つ目は「許可」で、Can I ~? などのフレーズで使われます。日本語訳としては「~してもいいですか?」って意味になります。

Can I use this pen?
このペン使ってもいいですか?

これは使うという可能性を相手に聞いている形で、要は「使うことできますか?」というニュアンスになります。
ここまでは、May と Can のネイティブイメージを解説してきましたが、以下ではこれらを比較しながら解説していきます。

May I ~? と Can I ~? の違い

「上下関係と可能性の違いを理解しよう」

この違いを理解するのは少し難しいのですが、まずは例文を見ていきましょう。

May I ~? と Can I ~? の違い

May I touch your hair?
あなたの髪を触らせて頂いてもよろしいですか?

こちらの英文は、「上下関係」を押さえつつ説明していきます。私があなたに聞いているので、私の立場が下になり「触らせて頂いてもよろしいですか?」となります。

Can I touch your hair?
髪触ってもいいですか?

こちらの英文では対等もしくは若干私の方が上になります。なんでこのような関係になるのかと言うと、そもそも「上下関係」などなくただの可能性を聞いているのでこのようになります。

May, Can の片方しか使えない時

「なぜ片方は違和感のある英文になるか理解しよう」

どういう時かと言うとまずは以下の英文をご覧ください。
どちらかが違和感のある英文です。

May, Can の片方しか使えない時

It may snow tomorrow.
明日雪が降るだろう / 明日雪が降るかもしれない

It can snow tomorrow.
明日雪が降るだろう / 明日雪が降る可能性がある

これらは同じように聞こえるかもしれませんが、実は Can のほうに違和感を感じます。
まず May を使った英文ですが、もう本人も分からず神様しか知らない、つまり「分からない → 50:50」というイメージになるので、そのままの意味になり違和感を感じません。
一方で Can を使った英文に関して、Can は「根拠のある可能性」を表しているので、何か根拠があって明日雪が降るだろうと考えているニュアンスになり、人によっては「なんで?」となります。
このような天気とか予想しづらい、またはイチかバチかのような時には May を使った方が自然な英語表現になります。

May, Can 両方使えるが意味が変わる時

「正しいニュアンスを知ろう」

意味が変わってしまうと伝えたい事も伝わらなかったりするので注意してください。
以下英文は私の豪邸に来た時のフレーズです。

May, Can 両方使えるが意味が変わる時

You may get lost in my house.
私の家に着たら迷子になっちゃうかも

May は神のみぞ知るというネイティブイメージでしたので、「まぁわかんないけど家は大きいし迷子になるかもしれないよ」というニュアンスです。

You can get lost in my house.
私の家に着たら迷子になっちゃうかも

Can は根拠による可能性というネイティブイメージでしたので、過去に呼んだ友達が迷子になったという根拠がある。もしくは必ず迷子になるぐらいバカでかい豪邸というニュアンスになります。

英検1級取得のbird先生による執筆
TOEIC®︎ Listening & Reading 公開テスト 990点、実用英語技能検定 1級、IELTS Overall Score 7.5 と英語に関して非常に造詣の深いbird先生による執筆記事です。現役の英会話講師でもあり、「TOEIC、IELTS、英会話」を専門に指導をされています。そのほかにも、海外旅行・旅(35ヶ国)、学部留学、海外インターンなどの経験もおありです。
英検1級取得のbird先生による執筆

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