現在進行形のネイティブのイメージ
「現在進行形は時間の制限がある」
まず比較として現在形から説明します。
現在形のイメージは時間の感覚がなくて、今と未来が繋がって広がっていってるようなイメージになり「習慣」や「一般的な事実」を表したりします。
詳しくは<こちら>をご覧ください。
一方で、現在進行形は時間の制限があります。
どういう事かと言うと、何かの動作には全て始まりと終わりがあり、その間の一瞬を切り取ったものが進行形になります。
だからこそ「今~している最中だ」という表現が出来ます。
I’m watching Toy Story3.
私はトイストーリー3を見ています。
この英文は、トイストーリー3をちょうど今見ているというライブ感のある表現です。
I’m walking to ABC Company.
私はABC社まで歩いています。
この英文はABC社まで今ちょうど歩いているというライブ感のある表現です。
状態動詞にも使える?
「無理やり始まりと終わりを作ってその間の一瞬を切り取る」
例えば Live(住む)Recemble(似ている)Like(好き)Know(知ってる)のように、明確な始まりも終わりもなさそうなただ今の状況を述べている状態動詞に対して、学校では現在進行形にしないと習いましたが、ネイティブは現在進行形を使うのです。
ネイティブの感覚としては、状態動詞でも無理やり始まりと終わりを作ってその間の一瞬を切り取って表現してしまうのです。
Jiro is living with his parents to save up money.
ジロウはお金を貯めるため両親と一緒に暮らして言うる
この英文は is living ではなく live でも意味は通じますが、この場合は親と一緒に住み始めた瞬間を始めとして、終わりをお金が貯まった状態で出ていくってところに無理やり置き、その間の一瞬を切り取って表現しています。
つまり話し手がどのような感覚で話していて、どこを強調したいかによって現在進行形で表現するのか、現在形で表現するのかが変わってきます。
この場合は無理やり始まりと終わりを置くことで、一時的な事だよと言いたいことが文の中に含まれているのです。
別の動詞で例を挙げます。Recemble(似ている)を現在形にすると「だんだん似てきてる」という意味になります。
Jiro is resembling Makoto more and more.
ジロウはマコトにだんだん似てきている。
この英文の場合ですと、始まりはマコトに似ていない時期で、終わりはマコトに似ているという状態で、そこに今向かっているという表現になります。
つまり「状態動詞=進行形にできない」ではなく、上記のようなことが本質にありつつ英語学習者にとってはなかなか使いづらい細かい表現が入っていると覚えて下さい。
始まりと終わりのないような動詞でも現在進行形は使えるの?
「状態動詞と同じように考えよう」
ここまでは動作動詞の現在進行形と、状態動詞の現在進行形を説明してきましたが、動作動詞の中には stop(止まる)や arrive(着く)die(死ぬ)のように始まりと終わりのないような動詞がありますが、この場合も無理やり始まりと終わりを作ってその間の一瞬を切り取って表現できます。
例えば、arriving を例にとると、始めは到着してない状態から到着した状態を終わりにとり、到着した状態に向かって行っているという表現になります。
そのため訳は「着こうとしている」になります。
I’m arriving at Shin-Osaka station.
新大阪に着こうとしている
dying も同じように考えることができ、始まりは死とは関係のない状態から終わりを死に設定し「死にかけている」という訳で使います。
My plants are dying.
私の植物が死にかけている
Yuki is starting to like Jiro.
ユキはジロウの事を好きになりかけている
現在進行形は未来形にもなる
「確実性のある未来に対して使われる」
上記内容を踏まえて、現在進行形は未来形としても使えます。
I’m going to the beach tomorrow.
明日ビーチに行きます。
この場合は始まりは今を表し、終わりは明日のビーチに行く時に設定しており、この間の限られた一瞬を切り取った表現となります。
つまりこの瞬間と言うのは、明日への準備をしていたり、気持ち的な決心がついているので、物理的にはまだビーチに行くという行為にまでは至っていないけど、気持ち的には行ってたり、予定はすでに始まっているみたいなニュアンスになります。
そのため、日本語訳にすると「未来の予定」を表すことになり、絶対にこれはやるとか起こるという未来に対して使われ、will, be going to よりも確実性のある未来に対して使われます。
I’m meeting Yuki tonight.
今夜ユキに会いにいきます
この英文は行く気満々の確定した未来を表し、ネイティブは現在進行形の確定した未来の表現を実際によく使っています。
I’m seeing my friend.
友達に会うよ
I’m making dinner tonight.
今夜夕食を作ります
超上級者向けの現在進行形
「ギャップから皮肉を表現する方法」
ネガティブな習慣を表す時にも現在進行形を使えます。
Jiro is always playing the same song.
ジロウはいつも同じ曲ばっかり流してる
これはギャップを作り出すことで、わざと皮肉な表現にしています。
この使い方の時には基本的に「いつも」という表現を入れます。
つまり、ある動作の中から一瞬を取り出し、その行為をわざわざいっつもやってるよねという矛盾を起こしてそれを皮肉へとつなげているのです。
You’re always sleeping.
お前いっつも寝てるな
- 幼児~小学生を対象とする英語塾教師Kufufu先生による執筆
- 某超大手金融機関に5年務め、英語教育に転身された英語塾教師Kufufu先生による執筆です。英語の発音や和製英語、英語のオノマトペについて深い知識があり、卒業論文では「日本人の英語発音」について8000語ほどの英語で論文を執筆されました。
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