実践に向けた英語の勉強法

実践に向けた英語の勉強法

学習計画を立てる前に_

特にスピーキング⼒を強化に関する、実践⼒の強化法を紹介します。スピーキングも独学が基本となります。しかしながら、頭の中で英⽂を組み⽴てる練習ですので、最初は難しく感じるかもしれませんが、1か月程度継続していると、実感として英語力が身についているのが感じられます。ぜひ継続した勉強をしていきましょう。

英語を話すための、頭の中で英⽂を作る練習⽅法を紹介します。流暢に話せるようになるためには、インプット(読む・聞く)のトレーニングとは全く違うトレーニングが必要です。そして、なるべく⽇本語を介⼊させないトレーニングが必要です。

脳内英作⽂⼒強化

シミュレーション

英会話学習では、様々なシチュエーションを想定してロールプレイングで英語を勉強すると効果的に英語力が身に付きます。また、この方法は多くの英会話スクールで採用されている学習法でもあります。

方法

英語で話す必要がある場合、もしくはその場合を想定し、⾔いたいことを頭の中で英⽂にしてみるプレシミュレーションをしてみましょう。また、実際に英語で話す機会があった場合、うまく⾔えなかったことを再度頭の中で英⽂にしてみる復習的なシミュレーションも有効です。

効果

頭の中で作⽂することが難しい場合は一度書き出してみましょう。そして、単語・⽂法・発⾳であいまいなところがある場合は辞書等で調べて完璧にしておくことが重要です。曖昧なままにしておくと曖昧なまま記憶されてしまいます。

注意点

⾃分で使える⾔い回しや表現⽅法を頭の中に蓄積でき、スピーキングの流暢さを向上できます。シミュレーションするには、単語・⽂法・発⾳を深く理解する必要があるため、⾃分の弱点に気付くことができ英語⼒の底上げにも繋がります。

リプロダクション

リプロダクションとは、通訳士を育成する専門の訓練法で「聞いた(インプット)英語を、再現(アウトプット)」するトレーニング方法です。

方法

英⽂の⾳源を⼀⽂ずつ再⽣し、英⽂を⾒ないで、意味を理解することに集中しながら聞いたあと、理解した意味を基に同じ意味になるように頭の中で英作⽂しながら声に出す。結果的に⾳源の英⽂と全く同じになっても構いません。

効果

聞いた英⽂を⼀⽂で表現することが難しい場合は2〜3⽂に分けてもいいでしょう。また、頭の中で作⽂することが難しい場合は書き出してみる工夫をしてもいいです。英文をみて⾃分が再現した英⽂と⽐較し分析することが重要です。

注意点

聞いた英語のセンテンスを再度頭の中で組み⽴てるため、インプットされた⽂法の知識をアウトプットできるようにします。また、頭の中で英作⽂することにより、⾃然と⾃分の使えるフレーズを脳に蓄積することができます。

ディクトグロス

ディクトグロスとは文章復元法です。
まとまった英文を学習者にリスニングさせて、その英文を復元させる学習法です。英語だけでなく様々な語学指導の場面で用いられている、語学指導法です。

方法

英⽂の⾳源を⼀⽂ずつ再⽣し、スクリプトを⾒ないで、意味を理解することに集中しながら聞き、聞き取れた単語を書き取ります。そして、理解した意味と書き取った単語を基に、書き取れなかったところを想像しながら英⽂を復元しましょう。

効果

英⽂を復元する際は⽂法を意識することが大切です。スクリプトをみて⾃分が再現した英⽂と⽐較し分析しましょう。その際、聞き取れなかった理由と⽂法的な間違いを徹底的に検証すると英語力が伸びます。

注意点

聞き取れなかったところを想像しながら⽂章を組み⽴てることにより、単語や⽂法の知識を⾃分でも使えるようにします。書きながら⽂章を組み⽴てることにより、⾃分の使えるフレーズを脳にしっかりと定着させることが可能となります。

リフレーズ

リフレーズは、リスニングした英語を別の表現に言い換えることです。
英語を上手に話せる人はこの能力が高い傾向にあります。我々日本人も相手に何かを伝える時、ある言葉ではなかなか通じないとなると、別の表現で相手に伝えようとします。
話し手としては同じ意味を別の角度から表現しているため、様々な英語の表現力を磨くことができます。

方法

英⽂の⾳源を⼀⽂ずつ再⽣し、スクリプトを⾒ないで、意味を意識しながら聞き、同じ意味になるように別の英⽂に⾔い換えます。頭の中で作⽂することが難しい場合は書き出してみましょう。

効果

理解した意味を別の英⽂で表現することが難しい場合は、2〜3⽂に分けて表現してみましょう。リフレーズした⽂に⽂法的に間違いがないかを⾃分で分析することも重要です。

注意点

⾊々な⾔い回しや表現⽅法を頭の中に蓄積できるようになります。また、英語を英語のまま理解し、その英⽂を他の英⽂に⾔い換えることで英語脳を強化できます。

サマライズ

サマライズは、サマライジングとも呼ばれ、リスニングした英文を要約する勉強法です。サマライズには「表現のスキル強化・語彙量UP」「英語の理解力・長文読解やリスニング力UP」「英語脳への慣れ」などの学習メリットがあり、英会話で役立つ能力を鍛えることができます。

方法

⻑めの英⽂の⾳源を最後まで通して再⽣し、スクリプトを⾒ないで、意味に意識を集中しながら聞いたあと、⾃分のことばで要約しましょう。頭の中で作⽂することが難しい場合は書き出してもいいです。

効果

要約するセンテンスの数を3つ程度に限定すると要約しやすいです。⾃分で作った英⽂は、⽂法等を必ず⾃分で分析することが重要です。最後にスクリプトを⾒て内容を確認し、再度⾃分のことばで要約し直してみましょう。

注意点

英語を英語のまま理解し、全体の概略を把握する能⼒が向上します。そして、聞いた⻑めの英⽂を英語のまま要約して声に出すことで、頭に浮かんだ⾔いたいことを⽇本語を介⼊させることなく英語にする能⼒を向上させることが可能です。

表現⽅法単純化

「英語の単純化は英語脳を養う」

英語を流暢に話せるようになるためには、英語での表現⽅法を単純化することが必須です。
そのトレーニング⽅法を紹介します。
表現⽅法単純化のトレーニングは、上記ので紹介した「シミュレーション」「リフレーズ」「サマライズ」の3つの⽅法を使いますが、特に「表現を単純化すること」に意識を集中して行います。
つまり、なるべく簡単な単語と単純な⽂法によって、短い⽂章で表現することに集中して⾏ってください。ここでは、表現⽅法単純化のトレーニングが⼀番やりやすい「リフレーズ」を使った⽅法を紹介しますので、「シミュレーション」と「サマライズ」の場合も同様な意識を持って⾏ってください。

表現⽅法単純化

リフレーズ

英語で話しているときに詰まってしまうことがよくあります。その場合は、その表現に固執せず、頭を切り替えて、別の表現や⾔い回しで⾔えないかを考えるようにしましょう︕

方法

英⽂の⾳源を⼀⽂ずつ再⽣し、スクリプトを⾒ないで、意味を意識しながら聞き、おおよそ同じ主旨になるように、簡単な単語と⽂法を使って⾔い換えます。頭の中で作⽂することが難しい場合は書き出してみるのも有効です。

効果

⻑い⼀⽂を⾔い換える場合は、2〜3⽂に分けて表現しましょう。中学英語で⾔い換えることを⽬指すと良いです。多少ニュアンスや意味が異なってもよく、最後に、⾃分で作った⽂が⽂法的に間違いがないかを⾃分で分析して下さい。

注意点

表現を単純化して英⽂を作れるようになると、話している途中で単語が出てこずに詰まってしまうということが少なくなります。そして、徐々に英語で考えたことをそのまま英語で話せるようになっていきます。

定型表現習得

「インプットとアウトプットはバランスよく」

よく使⽤される定型表現や⾔い回しを覚えて使えるようにすることは、即効性のあるスピーキング⼒向上⽅法です。
それらを効率的に習得するためのトレーニング・フローを紹介します。
しかし注意が必要で、定型表現をいくら覚えても英語は習得できません。
あくまで補⾜の学習であることを忘れないでください。
教材は、⾃分が使えそうな表現が多く含まれたものを使⽤するのがポイントです。

定型表現習得

基礎力

⾃分のレベルと⽬標に適合した⾳源付属の単語集と、豊富な問題が載った⾳源付属の⽂法書を選んでください。1冊では⽬標のレベルに届かない場合もあり、必要に応じて発⾳の教材も準備するといいです。

英語脳・実践力

英語脳構築⽤の⻑めの英⽂が掲載されている教材を準備します。⾃分がよく使⽤するであろう表現が多く含まれているものを選ぶといいでしょう。⾃分のレベルよりもやさしめの教材から始めてください。

STEP.1 リスニング

まずは英語を聴きます。英⽂(スクリプト)は事前に⾒ず、どの程度聞き取れるか確認しましょう。あまり聞き取れない場合は何度か聴いてみるといいです。

STEP.2 アイシャドーイング

スクリプトを⽬で追いながら⾳源を聴きます。リスニングで聞き取れなかったところと、意味が理解できなかったところに注意して何度か繰り返すと有効です。

STEP.3 ⾳読

⾳読をしながら英⽂の意味(内容)を確認します。
理解できないところは辞書や⽂法書で調べましょう。
意味が全部理解できたら再度数回⾳読し、⾃分でも使えそうな表現、使ってみたい⾔い回しなどをチェックして、専⽤のノートにまとめておきましょう。

STEP.4 リピーティング

スクリプトを⽬で追いながら⾳源を⼀⽂聴き、⼀旦⾳源を⽌めて⾳読します。
意味を意識しながら⾏い、内容が頭にスーッと⼊ってくるようになるまで繰り返しましょう。
チェックした表現や⾔い回しには特に注意して下さい。

STEP.5 オーバーラッピング

スクリプトを⽬で追いながら⾳源を聴き、同時に⾳源にぴったりと合わせて声を出してついていきます。
スピードに注意しながら意味に意識を集中して繰り返しやりましょう。うまくできない場合は声を出さない⼝パクを試してみると慣れてきます。

STEP.6 ルックアップ & セイ

スクリプトを⽬で追いながら⾳源を⼀⽂聴き、⼀旦⾳源を⽌めて、顔をあげて暗唱します。
意味を意識しながら繰り返し練習します。チェックした表現や⾔い回しは暗唱できるくらいまでにしておくのが理想です。

STEP.7 リピーティング

スクリプトを⾒ないで⾳源を聴き、暗唱(リピート)します。
意味に意識を集中して何度か繰り返して下さい。特に一度チェックした表現や⾔い回しにはより一層注意して下さい。

STEP.8 シャドーイング

仕上げはシャドーイングです。スクリプトを⾒ないで、⾳源の後を1〜2語遅れて、声を出しながら追っかけましょう。
意味を意識して繰り返し練習することがポイントです。
うまくできない場合や、意味が頭に⼊ってこない場合はオーバーラッピングや⾳読に戻って下さい。

まとめ

「英語で完結する中級者向けの英語学習法」

本ページで紹介したことについて注意してほしいことは、これらのトレーニングは、何を意識して⾏うかで効果が異なるということです。ここでは、定型表現や⾔い回しを覚えることに意識を集中したり、同じトレーニング・フローでも、意味(内容)に意識を集中すれば、英語を英語のまま英語の語順で理解する英語回路の構築・強化に効果があります。また、発⾳に意識を集中すれば、発⾳矯正とリスニング⼒向上の効果があります。ただ漫然とトレーニングを⾏うのではなく、トレーニングの⽬的を強く意識して⾏うことで、効果の現れ⽅が違ってきます。

現役国立大学生のsky先生による執筆
国公立大学の理学部生物科学科に在学中のSky先生による執筆記事です。現在は英語の家庭教師をしつつ、ライターとして海外文化の情報を配信されており、保有資格はTOEIC スコア 930点取得、 TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages) 英検準1級と現役大学生の中でも特に英語の造形に優れています。

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