【大学受験生】共通テストについて理解しよう

【大学受験生】共通テストについて理解しよう

大学入学共通テストについて理解を深めましょう!!

共通テストは、文部科学省の教育改革により2021年度以降、従来のセンター試験に代わり大学入学試験として実施されるようになりました。この教育改革は度重なる議論の上ようやく踏み切ったところもあり、学校・保護者・そして受験から、方向性の転換に戸惑う声も少なくありません。そこで、受験生に向けて共通テストの概要を解説していきます。

初めて大学入学共通テストが実施されたのは、2021年1月16日・17日実施の回からです。
センター試験と比べてその主旨や試験内容が大きく異なっています。

共通テストとは?

共通テスト導入にあたって

共通テストは旧センター試験に代わる大学入試のための試験で、毎年1月に全国で実施されます。試験内容は全国共通のものです。
共通テストはセンター試験同様、国公立大学を志願するにあたり志願先を決める第一関門となるテストです。
国公立大学は多くの場合、共通テストの点数と各大学独自の2次試験で合否の結果が出ます。共通テストで点数の対象となる科目や配点は大学によって異なります。
また、私立大学で独自の入学試験とは別に、特定の共通試験で受けた科目の点数を提出し合否が決まる共通テスト利用方式もあります。受験生の多くにとって、避けては通れない関門となります。
前述の通り、2021年度のものより、センター試験の名称から変わり、教育改革でより現代社会に即した内容でテストをするために内容も変更が加えられています。

センター試験との違いと特徴

共通テストはセンター試験と同様に全てマークシート形式です。
現代社会の発展、社会問題の複雑化、技術の発展などの面から、生徒により知識だけではなく自ら考える力を身につけ大学入試にも活用するといった主旨で試験の内容は変わっています。
マークシート形式ではあるものの、思考力・判断力などを問う問題が増え、知識だけではなく考える力を駆使して正答に辿り着くような問題が増えています。
さらに形式として図や資料の読み取り、具体的な場面への想像力などを問う問題も出題されています。

共通テストの構成

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共通テストは、複数の科目の中から、志望校の受験に必要な科目を選択して試験を受けることとなります。

共通テストの構成

配点(2023年度共通テストを参照)

共通テストの試験科目と配点は以下の通りとなります。

教科 科目 配点 試験時間 選択方法
国語 「国語」 200点 80分  
地理歴史 「世界史A」
「世界史B」
「日本史A」
「日本史B」
「地理A」
「地理B」
1科目
100点

2科目
200点
1科目選択60分

2科目選択130分

(うち解答時間120分)
10科目から最大2科目を選択解答する
(同一名称を含む科目の組合せは不可)

受験科目数は出願時に申請
「現代社会」
「倫理」
「政治・経済」
「倫理,政治・経済」
数学 「数学Ⅰ」
「数学Ⅰ・数学A」
100点 70分 2科目から1科目を選択解答する
「数学Ⅱ」
「数学Ⅱ・数学B」

「簿記・会計」
「情報関係基礎」
100点 60分 4科目から1科目を選択解答する
理科 「物理基礎」
「化学基礎」
「生物基礎」
「地学基礎」
1科目
100点
2科目選択
60分
8科目から下記のいずれかの選択方法により科目を選択解答する

A:理科①から2科目
B:理科②から1科目
C:理科①から2科目及び理科②から1科目
(同一名称を含む科目の組合せも可)
D:理科②から2科目
※選択方法は出願時に申請
「物理」
「化学」
「生物」
「地学」
2科目
100点
1科目選択
60分

2科目選択
130分

(うち解答時間120分)
外国語 英語
(リーディング、リスニング)
各100点

計200点
英語
リーディング80分
リスニング60分

その他
80分
5科目から1科目を選択解答する
「ドイツ語」
「フランス語」
「中国語」
「韓国語」
200点

・「国語」は「国語総合」の内容を出題範囲とし、近代以降の文章(100点)、古典(古文50点、漢文50点)を出題
・「地理歴史および公民」「理科②」の2科目選択者の試験は、解答順に第1解答科目・第2解答科目に区分し、各60分で実施する。試験時間130分には第1・第2解答科目間の答案回収等の時間10分を含む
・「英語リスニング」の解答時間は30分、試験時間60分には機器の動作確認等の30分を含む

国公立受験者の場合は5科目、私立大学は3教科の受験を課すというケースが多くなっています。
理科や社会系科目は選択式となっていますが、国公立受験では文理問わずに英語と国語は全て共通の問題・数学もほぼ特定の分野を受験する必要があると思ってください。

英語の配点

それでは、共通テストでほぼ必須となる英語の科目を見ていきましょう。
外国語科目としていくつかの言語を選択ができますが、ほぼ全ての受験生が英語での受験となるでしょう。
共通テストの問題では、計200点満点・140分の試験時間となります。
リーディングが100点満点の試験時間80分、リスニングが試験時間60分の100点満点です。
ところがセンター試験では、リーディングが200点満点、リスニングが50点満点の配点でした。
比率で言うと、リーディング:リスニング=4:1ということです。
共通テストでは、リーディングとリスニングの配点が100点ずつと、同じになりました。
また、問題の内容も変更があり、センター試験でリーディングの序盤に出題されていた単語の発音やアクセントを問う問題と純粋な文法問題の出題がなくなりました。
リーディングは大問1から、英語の読解問題から始まっています。

共通テスト英語の特徴

センター試験から、英語の試験内容は大きく変更が加えられています。
まず全問読解問題で、文法の知識を直接問うような問題も出題がなくなっています。
共通テストの英語問題で合計の英語の語数は5,000語を超え、センター試験よりも読まなければいけない英文の量が格段に増えたと言われています。
多くの英文を読み、正しい情報の読み取り、さらに図や表、広告から読み取るような問題も出題されています。
しかし、センター試験と比較して難しくなったかというと、必ずしもそうではありません。英文の量が増え読解力、速読力はより必要となりましたが、出てくる語彙のレベルや長文の内容のレベルが上がっているわけではありません。
リスニングはセンター試験と比較し配点が高くなるに伴い、問題数と流れる英文の量も大幅に増えています。
さらに、図や表と併用して考えさせるような問題も増えているため、リスニングは難化傾向にあると思ってよいでしょう。
また、従来は音声がアメリカ英語のみ流れていましたが、共通テストでは発音が普段聞き慣れないイギリス英語なども交えた問題も見受けられます。

共通テストで何が決まる?

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共通テストは、大学出願のための点数を左右する試験です。
大学によっては共通テストの点数でボーダーラインがあり、共通テストの出来が悪いと二次で相当挽回しないと厳しい、さらには出願をあきらめざるを得ないといった場合もあるでしょう。
国公立大学は、共通テストで英語の受験がほぼ必須となります。
ただし、受ける大学によって英語や各科目の配点比率は変わります。ある大学であれば英語の配点は点数通りの200点満点ですが、英語のリーディングを140点満点・リスニングを60点満点にわざわざ換算するケースがあります。どういうことかと言うと、共通テストは配点がリーディング・リスニングが各100点満点で同じ配点比率です。
一方、センター試験ではリーディング200点・リスニング50点で明らかにリスニングの比率が低くなっていました。
しかし、国公立大学の多くは上記のように英語のリーディングを140点満点・リスニングを60点満点に換算といった具合にリーディングの配点比率を高く換算し点数で出しているのです。
実質、多くの場合はリーディングの方が配点が高いという傾向は変わらないということになります。

共通テストで何が決まる?

勉強方法

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河合塾によると、2022年度共通テストの英語の平均点は、リーディング100点中61.80点、リスニングは100点中59.45点でした。具体的にどのような対策を立てていけば良いのでしょうか。

勉強方法

文法・英文解釈をベースに速読力をつけよう

共通テストの英語で国公立大学を目指すなら、8割以上を目標としたいところです。
さらに上位の難関大学レベルを目指すなら、9割以上の得点は欲しいと言われることもあります。
英語の問題は、文法問題自体は出題されなくなりました。
かといって文法を全く無視して良いかと言われると、そうではありません。
長文を読むためには文の構造を正確に把握する必要があり、文法の知識が活かされます。
中学、高校1年生のレベルから細かくおさらいする必要はないと思いますが、苦手分野を中中心に復習・要点と全体像の理解に努めましょう。
さらに、長文を正確に読むためには語彙力も重要です。
共通テストに必要な語彙数は、英検2級レベルと同等と言われます。
共通テストレベルまでの単語帳をまずは1冊やり切るようにしましょう。
さらに国公立大学の二次試験や、私立の難関大学を見据えるのであればワンランク上の単語帳を選ぶと、共通テストでお釣りが出るくらいの語彙力が身についていきます。
語彙力を身に着けた上で、長い英文を正確に読む必要があります。
まずは内容を正確に捉える精読、次に時間を意識して速く読む速読の練習をしましょう。

英語のリスニング学習

リスニング対策としては、勉強法に悩む人も多いのですが、ただ問題を読み間違った所だけ解説を読むのでは得点は伸びません。
個々の英文の聞こえなかったところを何回も聞き直す、この発音は聞き取りくい、というようにじっくりと復習をすることがポイントです。
間違えた箇所は、最初聞こえなかった部分がどのように実際聴こえるか、違う音に聞こえたのかそれともただ速くて英語自体を聞き取ることができなかったのか、丁寧に見直しをして何回も英文を聞きましょう。
さらに、耳で聞くだけではなく実際に口パクでも流れて来た英文を真似ること、シャドーイングが有効です。
集中して聞く英語の量を増やす、耳と口をフルに使って反復していくことがリスニング力アップの近道です。

まとめ

子供に早い段階から英語を教えた際のメリットをご紹介!

共通テストは従来と試験内容が変わっていますが、傾向を知れば対策が立てやすくなります。
総合的にはセンター試験と大きく難易度が変わっているわけではないので、目標を設定し共通テストの傾向に合わせた勉強を取り入れていきましょう。

Shizu-treat 先生による執筆
現在貿易業務に携わりつつ、英語関連の執筆業務を行っている「Shizu-treat 先生」です。アジアや欧米の国々向けの産業用機器や原材料の輸出をメインに取り扱っている会社で英語を使用した実務を行っています。英語の資格としては、TOEIC 870点・英検準1級・貿易実務検定を取得し、留学経験はないものの、独学で300点代からスコアアップされた経験を活かした仕事をしています。また、現在も英語の勉強は趣味と豪語されており、TOEIC900点以上と英検1級取得を目標に、英会話のレベルアップにも励んでいます。
英語の先生

英語でスムーズなコミュニケーションをとるには?!!

英会話の時に「自分が英語を上手く話せるか」ばかりに気を取られると、顔がこわばり、相手のことも緊張させてしまいます。なるべく「相手の話に耳を傾ける」「相槌(ジェスチャー)を打って共感する」「安心感を与える」ことに集中した方が良好なコミュニケーションが取れます。

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