発音を体系的に学ぶ方法とトレーニング法

発音を体系的に学ぶ方法とトレーニング法

英語の発音を学ぶために_

発⾳は、唇や⾆、喉、顎などを動かす運動やスポーツと考えても差し支えないです。そのためスポーツと同じように、無意識にでも反応できたり力を発揮できるように反復練習が肝となります。
無意識に発⾳できるようになれば、正しい内容の理解に脳のリソースを割くことができるようになります。ここに到達するまでは、血のにじむような努力で、繰り返し練習する必要があります。時間もストレスも最初はどうしてもかかってしまいますが、それを乗り越えるためにこれまで英単語や英文法などを勉強してきているはずですので、最後まで英語学習は続けて下さい。

英単語や英文法、英語脳が身についてきたら日本人が特に苦手とする英語の発音について勉強していくことになります。
ここでは、その英語の発音学習に関して勉強していきます。
まずは、発音学習において学ぶべき大枠の「発音記号」「リエゾン」「リズム」「イントネーション」を紹介していきます。

英単語リスニング

発⾳記号

⽇本語の⺟⾳は5つですが、英語は24あります。⼦⾳は⽇本語が16に対して英語は24もあります。結果的に、英語には⽇本語にはない発⾳が多く、通じないし、聞き取れないという現象が起こります。
そのため、英語のリズムに注意を払い、英単語のアクセント、つまりアクセント符号に注意して下さい。

⾳声変化(リエゾン)

⾳声変化はリエゾン(liaison)とも呼ばれ、2つの単語がつながって発⾳され、⾳が変化することを言います。
音の大原則である「発⾳できない⾳は聞き取れない」というのがあるため、⾃分でもリエゾンを意識して発⾳できるように練習して下さい。

強弱(リズム)

英語を発音するリズムは、発話の強弱とスピードの差によって生まれます。英語はの発音において、このリズムが重要な要素の一つだとされています。
リズムを掴めるようになれば、リスニング⼒やスピーキング力が向上し、ネイティブにとっても聞き取りやすい英語を話すことができるようになります。

イントネーション

イントネーションは抑揚のことで、話す際の声の⾼低の変化になります。声の上げ下げを意識して練習して下さい。 また英語はこのイントネーションにより、様々なことを表現できるので、間違ったイントネーションを使わないように注意しましょう。

発⾳記号について

「まずは日本人が特に苦手とする部分をクリアしましょう」

発⾳記号を知っていると、実際に英語の⾳を聞いたり⼝元を⾒なくても、正しい発⾳や喉、⾆、唇の動かし⽅が分かります。発⾳のできない⾳は聞くことができないため、⽇本語にはない英語の⾳を理解し発音できれば、リスニング⼒は向上するのです。
日本人が特に苦手とする⺟⾳と⼦⾳は、全発⾳記号48個のうち、⺟⾳が10、子音が12となっています。

発⾳記号について

日本人が特に苦手な母音の発音記号

日本人が特に苦手な子音の発音記号

英語ではリズムが重要ですが、リズムは英単語のアクセントが基礎となります。
英単語は、アクセントを間違って発⾳してしまうと理解をしてもらえませんので、発⾳記号はアクセント符号までしっかり見るようにして下さい。

⾳声変化(リエゾン)について

「5つのリエゾンについて理解しましょう」

⾳声変化、つまりリエゾンは連結(Linking)脱落(Reduction)同化(Assimilation)はじき音(Flapping)短縮(Contraction)の5種類あり、リエゾンを理解し練習しないと英語を聞き取れないままになってしまいます。
そのため、⾃分でもリエゾンを意識し発⾳できればスピーキング力はもちろん、リスニング⼒も大幅に向上します。
リエゾンを用いてネイティブが話す理由は、単語を⼀つゆっくり丁寧に話すよりも、リエゾンして話す方が早くて楽だからです。

⾳声変化(リエゾン)について

⾳声を変化させて「連結・脱落・同化・はじき音・短縮」をできるようになると、変化させる理由や、⼝の動かし⽅、なぜその音になるのかがよく分かります。

連結(Linking)

単語と単語が連結されて発音されること
例 : like it

同化(Assimilation)

隣り合う音同士がくっつき別の音になったり音の挿入が起こること
例 : miss you

脱落(Reduction)

重なった子音が片方省略されること
例 : next door

はじき音(Flapping)

母音に挟まれている T や D が 「ら行」のように発音されること
例 : water

短縮(Contraction)

文中の重要でない単語は弱く短く曖昧に発音されること
例 : I’m

強弱(リズム)について

「正しいリズムで相手に物事を伝えれるようになりましょう」

英語の⽂が発音される際に、強く発⾳される英単語と弱く発⾳される英単語があります。
一般的に、強く発⾳される単語は、ゆっくり発⾳され[強・遅]、弱く発⾳される単語は速く発⾳されます[弱・速]。
このため英語独特のリズムが⽣じます。
これらには一定のルールがあり、話の内容となる部分は強く、機能的な意味にはあまり影響を与えない語は弱くなります。
いろいろ書いていますが、要は、話し手が大切だと思うところは「強・遅」で発⾳しましょうということです。
⽇本語は平坦で抑揚を持ちにくい⾔語のため、特に最初はリズムを強く意識し、過剰なぐらいで練習したほうが良いとされています。
また、強く発⾳される単語は、その単語のアクセントの位置を強く発⾳すると覚えましょう。

強弱(リズム)

最近の語学研究では、リズムやイントネーションの⽅が、個々の英単語の発⾳よりも重要だとされており、これらのことが、相手の理解度を左右させるとされています。
※ 内容語は「名詞 本動詞 形容詞 副詞 疑問詞 数詞」など、機能語は「冠詞 前置詞 接続詞 代名詞 関係詞 助動詞」など。

「内容語 → 強 / 機能語 → 弱」

I wish I could live in Canada for the rest of my life.
(残りの人生をカナダで暮らせたらいいのに)
赤字の部分を「強・遅」で発⾳していますが、これらは内容語で、それ以外の単語は全て機能語です。

「話し手が重要とする単語 → 強」

My mother likes to cook good Japanese food.
(私の母は、おいしい日本料理を作るのが好きだ)
青字のところが「強・遅」で発⾳されますが、何を尾藻として伝えたいかによって「強・遅」の場所は変わります。

イントネーションについて

「間違ったイントネーションは間違ったニュアンスで伝えてしまう」

話すときにイントネーションを間違え、日本語のように平坦なイントネーションで英語を話してしまうと、意図したい本来の意味とは違った意味で伝わる場合がありますので注意が必要です。
「平叙⽂ / 疑問⽂ / 命令⽂」などの⽂の種類ごとに、⽂末を上げるのか、下げるのかは⽂法的に決まっています。
イントネーションは、⽂字では表現しきれない感情や態度や意味の違いも表現できてしまい、逆に言うと、イントネーションがないというだけで、興味のない話題というサインと受け取られてしまうことがあります。

イントネーションについて

「⽂の種類」で決まるイントネーション

[平叙⽂]
London is the capital of England⤵.
ロンドンは、イングランドの首都です。

[命令⽂]
Get out⤵!
出てって!

[感嘆⽂]
What a happy ending⤵!
なんて幸せな終わり方なの!

[疑問⽂ / 疑問詞]
Who are you⤵?
雨が降っていますか?

[疑問⽂]
Is it raining⤴?
雨が降っていますか?

「話者の意図」で決まるイントネーション

例えば、Whatʼs your name? (あなたの名前は︖)を例にとると、事務的に聞くのか、高圧的に聞くのか、さらには初対面の方に普通に聞くのかでイントネーションは変わってきます。
これは日本語同様ですので、分かりやすいかなと思います。

英語の発⾳トレーニング法

「7ステップを勉強しましょう」

以下トレーニングをする前に、上記で説明した日本人が苦手とする⺟⾳と⼦⾳などを、発⾳記号含め練習しておいてください。
教材に関しては、内容が理解できないと発⾳に集中できないため、英単語と英⽂法をしっかりと理解できる自分のレベルにあったものを使⽤しましょう。

英語の発⾳トレーニング法

STEP.1 リスニング

英⽂を⾒ずにリズムとイントネーションを意識して繰り返しリスニングしましょう。
次に、リエゾンを意識して繰り返しリスニングし、聞き取りにくい場合は、その部分を意識的に何度も聴いて下さい。

STEP.2 アイシャドーイング

⾳源を聴きながら、英文を⽬でなぞる練習法です。
最初にリズムとイントネーションを意識し、その後に、リエゾンを意識して複数回リスニングしましょう。聞き取りが難しい部分には印をつけて、後で何度か聴いてみましょう。

STEP.3 リピーティング

英文を⾒ながら⼀⽂だけをリスニングし、⾳源を⽌めてから英文を⾒ながら⾳読する練習法です。
初めはリズムとイントネーションに集中し、同じように発⾳できるまで繰り返した後、次はリエゾンに集中して発⾳できるよう繰り返して下さい。

STEP.4 ⾳読

⾳声に頼らず、⾃⼒で⼤きな声を出して英文を読む練習法です。
リズム、イントネーション、リエゾン、そして⾃分でつけた苦手箇所の印部分に気をつけて、⾳源とそっくりに発⾳できるよう練習して下さい。

STEP.5 リップシンク

英文を⾒ながら、⾳源に合わせて唇を同調させます。要は⼝パクのことです。
音声スピードと⼝の動かし⽅を意識し、リズム、イントネーション、リエゾンに注意して、何度か繰り返すことが大切です。音声スピードについていけるように練習して下さい。

STEP.6 オーバーラッピング

英文を⾒ながら、⾳源にぴったりと合わせて⾃分でも声を出してついていく練習法です。
スピードについていきながら、リズム、イントネーション、リエゾンを意識しながら何度か繰り返すことが重要です。
うまくできない場合は、⼀旦リップ・シンクに戻ってみましょう。

STEP.7 シャドーイング

英文を⾒ないで、⾳源の1〜2語あとを追っかけるように発⾳しながらついていく練習法です。
リズム、イントネーション、リエゾンを意識しながら最後までついていけるようになるまで繰り返し練習して下さい。

現役国立大学生のsky先生による執筆
国公立大学の理学部生物科学科に在学中のSky先生による執筆記事です。現在は英語の家庭教師をしつつ、ライターとして海外文化の情報を配信されており、保有資格はTOEIC スコア 930点取得、 TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages) 英検準1級と現役大学生の中でも特に英語の造形に優れています。

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